何年かに一度、読み返す本がある。
宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」を中古本屋で買った。
購入するのはこれで2度目。
めったに本は買わなくて図書館を活用することが多いのだけど、文庫を上中下で同時に借りられる保証も、期限内に読みきる自信もなくて、今回は購入。
読むときは一気に読みたい。
1度目に買ったのは海外赴任中。
どうしても読みたくなって、一時帰国まで待って購入し、持ち帰った。
近くにいた日本人で回し読みをしてそのまま行方不明にした。(意図的)
そもそもこの本との最初の出会いは中学校の図書室だった。
腰の高さの本棚。
その中ではなく、上に置かれていた。
本棚に入れられている本にはない圧倒的な分厚さ。
本自体が存在を強く主張していた。
その分厚さに何か挑戦状をつきつけられた気がして、読まねばならぬという変な使命感で読み始めた。
当時はまだ文庫が出ていなくて、上下巻で1冊3センチ以上あったと思う。
それ以来、数年に一度、心の栄養としてお世話になっている。
アニメ映画もマンガも出ているけれど、断然原作推し。
でも、映画やマンガから入る人がいてもいいと思う。
私は、基本的に一度読んだ本は、読み返さない。
ブレイブ・ストーリーは、高校生の時、両親が不仲になった時に読んだのが2回目だと思う。
運命は変えられないこと、
自分で自分の弱さを見つめること、
何か足りないものがあるなと思うと手に取っている。
およそ3年に一度。
全力で感情移入して読むので、終盤の主要人物が命を落とすシーンは必ず泣く。
涙活でデトックス効果もある気がしている。
今回は、最後に読んでから、めずらしく5年もあいた。
小さなきっかけは、数ヵ月前、本が好きという小学生に、その時いたまわりの大人がおすすめの本を紹介した時。
私はブレイブ・ストーリーとモモをすすめた。
まだちょっと難しいかなとも思ったけど、背伸びして挑戦してくれたらうれしい。
そのまま数ヵ月が経過して、北の国が侵攻を始めた。
何もできない自分の小ささを感じ、久しぶりに読みたくなった。
この本の中でも北国は寒く、どこかの国を思わせるような描写がある。
世界平和を祈りながら読みたいと思う。
おしまい
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