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[場面緘黙症・緘動また発達障害・不安障害・不登校などの生き辛さ]への理解 第26話「歯医者さんへのトラウマとフラッシュバック」その後


(ご理解いただけたら、周りの方に伝えたり、この投稿をシェアしていただけるとうれしいです。)

長女は4歳の時、幼稚園入園をきっかけに場面緘黙症・緘動(※)を発症しました。
我が家の3人の娘たちは園や学校に行かず(行けず)家庭を中心に過ごしています。
※:家庭などでは話すことができるのに、社会不安のために、ある特定の場面、状況では話すことができなくなる疾患。強い不安により体が思うように
動かせなくなる「緘動(かんどう)」という症状が出る場合もある。

症状や困難さはそれぞれかと思いますが、我が家の場合を伝えていきます。


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とてもとても苦手だけど、安心のために避けては通れない場所のひとつ、歯医者さん。

さらに残念なことに、我が家はちょっと厄介な"歯"のトラブルを各々抱えています。

先天性欠如歯、エナメル質形成不全、叢生(そうせい)、中心結節…。

感覚過敏、強い不安の持ち主の娘たちはそれぞれに歯医者にはトラウマがありますが、顕著だったのは長女。

15歳の長女が初めて、ぐるぐる巻き(レストレーナー)と、口をおおうゴムマスク(ラバーダム)による拘束での処置を受けのは2歳4ヶ月。

今となっては、予防のための処置にここまでの無理を強いてしまったことは大変後悔していますが、初めての子育てに必死だったあの時の私には、必要なことなのでした。

予想はしていましたが、やはり娘は、気が狂ったように泣き、顔や体に赤い斑点がたくさん出ていました。(怒責性紫斑どせきせいしはん)

一緒にチャレンジしたお友達も泣いてはいましたが、それとは比較にならない、まるで修羅場と化した娘の状況に、心を鬼にしてきた私でしたが、さすがに不安になりました。

「気が狂うなんてこと、ありませんよね?」

先生に聞くと、

「歯医者でトラウマになるなんてことはありませんから」

と、半ばあきれられ、私は処置が終わるまで息を飲んで娘を見守るしかありませんでした。

そして、その日の体験がフラッシュバックしたのは、それから2年後、娘が4歳の時。
別の歯医者での処置の真っ最中でした。

結果、長女はこのトラウマを新しい歯医者さんの協力により、およそ1年間をかけ克服しました。


先日改めて、15歳の長女にその時の話を聞いてみたところ、2歳4ヶ月のその日の記憶をポツポツと残していることがわかりました。

雨の日、お気に入りの黄色い傘と長靴。
歩いている自分の足元や壁の風景。
寝かされた診察台周辺の配置や部屋の景色。

ピタリピタリと当てはまります。

歯医者での処置によるトラウマについてざっとネット検索してみると、

「ほとんどない」

「記憶に残りにくい2歳児くらいまでならほとんどない」

「トラウマになることはあるのでケアが必要」

「トラウマになるかどうかはその後の保護者の対応次第」

などなど。

一方で、トラウマを誘発しそうにも見える器具の使用などは、重大な事故を防ぐために、特に幼児には必要だともあります。

それぞれの情報には確かに納得できますが、結局のところ"人それぞれ"、ということになるでしょうか。

幼くても、拘束せずに上手にできる子もいれば、ある程度大きくなっても例えば障害などがあり拘束が必要だったり、全身麻酔で治療を受ける場合もあります。

求めたいのは
"適切な対応"をするために、理解してくれようとする歯医者さん。

もちろん、親の対応もとても大きいと思います。

この度、諸々のタイミングがようやく整い、数年ぶりに三人揃っての歯科検診をめでたくクリアできたのですが、成功の秘訣は、何より先生の素晴らしい対応。

押し付けも、指導も、本人に決心を委ねすぎることもなく、これからやろうと思う処置や使用する道具について優しく手短かに説明してくれました。

そして、うまくやれた結果をほめすぎることもなく、大きな虫歯にならなければ歯医者さんでやることは、取り立てて言うほどのことはないという印象を与えてくれる声かけ。

そうなんです。

一度きりでよい経験なら、厳しく背中を押されようと、誉めちぎって大事を成し遂げたような印象付けもまあ、いいんです。

でも、定期検診や治療などで、また足を運ばなければならない場所の場合は、大袈裟なことだと感じさせることなく、なるべくさらりと通過できるのはとてもありがたいのです。

そういった意味でも、今回お願いした歯医者さんのそれは、神対応と呼べるものでした。

ちなみに親がした準備は、事前に私がかかっている間に、娘たちの事情を先生に相談し、理解と協力を求めておいたこと。
当日、娘たちの負担をなるべく減らすために、待ち時間のない昼一番を予約、問診票も事前に書いておいたこと。
歯医者を克服した長女に協力者になってもらったこと。

そして、虫歯にならないように日々のケアをがんばってもらったことです♡

(注)私たち家族は長女が診断されて以来、下の二人の娘も含め、療育、相談、医療の機関に定期的にカウンセリングに出向き、登校できなくても、在籍する学校の先生と連携を取っていただいています。

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hohimaro ほひまろ|おうち育ち実践中
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