信楽焼の狸とマトリョーシカを仕留め損ねる。
ここひと月で、私の体重が3キロ減った。
おかしいな…食べてる。
私ご飯食べてるぞ?
(ゴーヤとナスで太るヤツはおらんけどね〜)
数年前に私は子供の頃に折っていながら放置されていた骨の手術をした。
手術前に、出来るだけ身体を強くしておいて、皮膚も骨もリハビリもサッサとくっつけて治してサッサと家出てっちゃお〜っと♡
と作戦は練っていたので、毎日6kgの重りを手足に巻きつけて10kmウォーキングをし、トレーニングジムで鍛えまくった。
(それ以前からトレーニングは好きだった。
革ジャンを着るには筋肉は必須だから。
何度でも言う、昔の革ジャンは重たかったのだ。)
数年前はすでにコロナが日本にも入ってきてしまっていて、マスクをしてのトレーニングはなかなかキツかったが、若い男性(二十歳くらいだから私から見たらまだ男の子・笑)が私を見て『プロじゃね?』『こんな田舎になんかの選手いたっけ?』とヒソヒソ話しているのは実に気分が良かった。
ハハハ…見るがいい、この上腕二頭筋!!
とっくに私は30歳なんて過ぎていたけど、TANITAの体組成計で19歳と表示されるようになった頃には、私の筋肉量は中肉中背の同年代男性と同じ重量にまでなっていた。
もちろん、160センチの身長の女が、平均的な体型の男性に力で勝てるわけがない。
保持している筋肉の重量が同じであっても…
…っ、くそ!!
経験でそれを知っているから尚更くやしい。
(まぁ、お陰で術後の経過は執刀医がビビるほどよかった。
手術直後にベッドに座っている私に執刀医が放った言葉は「え!!?座れるの?!」。
『なぁに先生、座れないような手術なさったんですか?』
❝信じられない…❞という顔をされた。
まぁ、腰に穴開けたわけだし…当たり前か。
レントゲンを見て執刀医が、
『ゔわっ、すごっ…もうくっついてる』と言っていたのも笑ったなぁ〜
ゴメンナサイね、ほぼ勝手に退院して毎日7km歩き回って踵に衝撃を与え続けて魚肉ソーセージを毎日4本食べていたのよん♪
…それくらい、早く夜逃げしたかったのだ😂)
*****
これほど男性に対してもはや恐怖を抱いている状態だというのに、なぜ、いままで数は少ないとはいえ彼氏はいたのか?
私は周りからいつも言われていた。
『〇〇ちゃんてデブ専?』
はい?
そんなことは…
ん?確かにあのひと痩せてはいない。
こうも言われていた。
『〇〇は小柄な男を好きになりがちじゃね?』
いや、そんなことは…
あ?そっかあのひとより私のほうが背ぇ高かったっけ。
最近わかった。
私は、彼氏というポジションの男性でも、いざ合意なくされそうになったら『仕留める』つもりでいたのだと。
相手の体格を見て、私は自分のハイキックが相手のどこに入るかを本能的に見ていたのだ。
自分の右フックが相手のどの位置に入るか本能的に見ていたのだ。
……わたし、あの人たちのこと…愛してはいなかったんだ…
単に『付き合って』と言われて、私が首を縦に振れるのは私でも抵抗しきれると感じた体格の男性だけだった、……そういうこと?
信楽焼の狸とか、マトリョーシカとか、みょ〜に懐かしいんだけど、そういうデジャヴュなわけね。
おんなじ形だもん。
だいたいはそういった男性は『カラオケ行かない?』と誘ってきたものだが、私は当時カラオケが大嫌いだったため『ごめんなさい、歌は苦手なの』と断っていた。
(大きな音が苦手なのは変わらずだけどね)
もちろん『いきなり二人きりになりたいとか…なにかされたら嫌だな…』と警戒していたのもある。
だが、今はカラオケによく行く。
十八番はアリスのチャンピオン。
デートに誘った女の正体が谷村新司だったら…
いや、ふつーに男逃げるって(笑)。
カラオケ行ってやりゃよかったなぁ😂
しかも、腰に巻いてるのチャンピオンベルトじゃなくてバンテリンサポーターだし。
……なんか、自分で書いてて悲しいやら笑えるやら。
彼らには酷いこと言われたし、酷いことされたし…悲しい思いもしたけど。
私も愛していなかったのか…。
学生時代に女番長にメェつけられてリンチされた経験を持つ元元カレ。
彼は私とお付き合いしていた頃に私に暴言浴びせてさぁ…。
『俺は女に復讐するんだ!!』
『女なんか所詮俺を見下してるんだ!!』
『一生かけて俺は復讐する!!』
なんて言っていたけど、多少は正解を言っていたわね、彼。
『私を怒鳴っても女番長さんにダメージはないでしょう?
私はその頃アナタと出逢ってもないのに…』
こんな言葉を返した気がする。
結局、ムキムキマッチョになっても本当にハイキックは入れたりできない性格なんだから…
本当に恐怖と愛情を切り離して。
体型も、
実家のヤツ等と同じ匂いも、
何も関係なく。
人を、私自身を、愛せる日が来るのだろうか?
最近、ネックレスがゆるい。
鎖骨までの長さだったはずなのに…
首周りの削げは……年齢かもしれない(爆)。
ちょっとは信楽焼の狸見習って体重増やさないと…。
贅沢な悩みって言われるけれど、食べても増やせない体質なのもキツいんだよね😥