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短編小説 神屋宗湛 - 砂浜に町を描いた男 - (3)

短編小説『神屋宗湛』 - 砂浜に町を描いた男 -
こちらは、ななくさつゆりの短編小説です。
1記事につき2500~3000字程度のショートストーリーを4~5記事に分けて連載いたします。
こちらは木曜日更新の予定です。

前回:神屋宗湛 - 砂浜に町を描いた男 - (2)



筥崎本陣はこざきほんじん



 参道をるように歩く草鞋わらじの音が境内に響く。
 底が地べたを擦るたびにざらりと鳴った。

 筥崎本陣は、それまで鼓膜こまくに張りついていた外の喧騒けんそうを忘れそうなほどに静やかである。

🪭

 宗湛らは神殿の前で天王寺屋宗久てんのうじやそうきゅうと合流し、拝謁はいえつの間にて関白秀吉と面会した。

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