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ショートエッセイ#10【さよならリカちゃん】
躁状態の後には、うつ状態が待っている。
今思い出しても、2013年の冬が今までのうつ状態の中で一番最悪な日々だった。
ベッドからは起き上がれず、最低限トイレに行くのがやっと(本当は行きたくないほど)
ご飯を食べる気力もなく、お風呂に入ることもできず、しばらく寝たきり状態になった。
躁状態の時に散財したクレジットカードの請求書の山を見て一気に急降下してしまったのだ。
親には言えなかったし、自己破産するのも嫌だったので、近所にあったチャッ〇レディの事務所に3ヶ月ほど寝泊まりして働いてなんとか返すことができたが、うつ状態は本当に辛かった。
回復してきた頃に双極性障害の本を何冊か読んでみると、私と同じような症状のことが記載されていて、本当に病気だったんだと思い知った。
元気な自分が本当の自分だと思い込んでいたので、クリニックには行かず、それまで処方されていたデパケンという薬も飲んでいなかった。
処方された薬はきちんと飲むことが大事である。
しかし、その5年後の2018年にも躁状態になった。
喉元を過ぎれば熱さ忘れるといった具合に、処方された薬を飲んだり飲まなかったり繰り返していたせいであろうか。
2013年の時ほどではないが、またクレジットカードで散財してしまったのだ。
この時は弁護士に任意整理を依頼して月々返済し、今年の3月でやっと完済した。
もしも、5年おきに躁がやってくるのであれば、次は来年の2023年である。
任意整理でクレジットカードは使えない身分となったので、クレカ地獄に陥ることは回避できるとは思うが、また躁状態になるのが怖い。
その時の自分を『リカちゃん』と名付けた。
身体がどんどん痩せていき、目がキラキラしてくるので、リカちゃん人形のような見た目になるからである。
でも今度こそ、リカちゃんとは決別したい。
絶対に『さよならリカちゃん』である。
そのためには、規則正しい生活をして、朝日を浴びてセロトニンを分泌させ、正しく薬を飲んで、慎ましく生きていくのだ。
このことを忘れないためにも、ここに記録しておく。
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