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療育施設体験記

もうすぐ入学式です。
とは言えあまり実感がないのです。
いつも、こんな感じですのでいつも通りです。
幼稚園時代の日々は息子語録でなんとなく記録してきたので、
今回は全体的にまとめておきたいことをつらつらと綴っています。

春休みの前半は療育先での最後の時間を過ごしたりとなかなか忙しかったです。そして、あっという間に後半へ。早起きの練習は遅々と進まず…季節の変わり目、環境の変化といったことでわたし自身がグダグダです。その影響をもろに受けているであろう息子さん。ごめんよ。

息子さん、2か所の民間の療育施設で児童発達支援というサービスを受けていました。
ただし、いわゆる療育手帳と呼ばれる手帳は取得していない。
知的な遅れがないことと、グレーゾーン的で取得する域にはいないということで通所受給者証なるものを申請し取得して利用していました。
これは意外とご存じない方が多いのではないでしょうか。わたしも調べるまでは知らなかった。この初めの一歩的なことを丁寧に教えてくれるサービスって少ない気がします。
特に思い切って相談しても「とりあえずは様子をみましょう」と言われてしまうと、こちらとしてはなすすべがない。自分の子のことなので、自分で何とかするのが当然ですが、入り口が狭い気がします。もっと気楽に相談できて、当たり前のように利用できる。そうなるようになるには多くの理解や認識が必要なのかもしれない。

話がそれそうなので療育のお話に戻りますが、
通所受給者証は市によって取得しやすかったり、そうではなかったりします。提出書類などもあって地味に面倒くさいのですが、取得していると療育等のサービスが受けられるものです。どんなサービスが受けられるかといった内容等は一つ一つ確認していかないといけませんが、わたしたちが住んでいる市では医師の意見書と療育の支援計画書(専門家が作成してくれる場合もあるけれど、セルフプランでの申請をしました)を提出して取得するという流れでした。1年ごとの更新で聞き取り調査などもあります。
ハードル高そうですがこの通所受給者証がなければ自費での療育ということになり、そのお値段がべらぼうにお高いのです。

息子さんは極度の偏食からどうやらグレーゾーンらしいということになって以来、さた、どうするかと考える日々でした。
幼児園入園前から乳児健診や子育て支援などで相談をしていましたが、様子をみましょうということでした。話始めは少し遅かったですが、こちらの話を理解していて、反応もしていたので市で行っている療育には案内されませんでした。そんなわけで市からは何か支援を望めなかったので自分でせっせと調べました。
そして息子さんが困らないように生活できるように何ができるか考えたときにたどり着いた療育というもの。
ネットには始めるのなら早い方がいいとか、○○法など情報は沢山あふれています。
しかし、この療育、なかなか曲者。やればいいかといえば、やはり、合う合わないはあるし、始めてみたらなんだか困った特性を強化してしまったなんてことにもなりかねない。だから、絶対視してはいけない。
これで、全てが解決するわけでもないのです。
やるのならば初めての習い事のような気持で、合わなければ辞める、しんどそうならば無理はしないというぐらいの意気込みでやっていくのがいいと思います。

わたしたちの場合、息子さんは体を動かしたり、歌を歌ったりすることが好きな子なので、音楽療法を取り入れているところが希望だったのですが、見学に行ってみて辞めました。
何となくオーナーの人と合わなかったのです。

ちょうど、わたしたちが療育施設を探し始めたころはまさに、療育施設が乱立していた時期で、あちこちに新規の施設ができていました。
フランチャイズのものも多く、HPの感じがよくても、見学に行くとこれは…という感じのものも多かったです。
ただ、お子さんを預かって遊ばせているだけ。古い建物で衛生管理とか安全性とかどうなの?専門知識ありますか?わたしの質問に答えられないのに指導員?などつっこみどころ満載な場所も多々あります。

結局、大手の新規開業の施設へ行くという選択に落ち着いた息子さん。
2か所に通うことにしました。一か所はマンツーマンでのお勉強系。他方は少人数で遊びを通して課題達成を目指すという感じです。どちらも、送迎はなく、息子が療育中は教室の外からモニターするというスタイル。
移動の時間も含めると療育の日は3時間を超える拘束になるのだけれど、わたしはモニタリングできる場所をあえて選びました。
理由は指導員の方と息子のやり取りや、息子への対応を学ぶため。
それに、息子の特性や困りごとをしっかり把握するため。
正直、ずっと一緒に過ごしているから時々は息抜きしたいし、自分の時間も欲しい気持ちもあったけれど、これからこの特性と付き合っていくには、学べるときに学んでおかないと後が大変だとも思うのです。
実は息子さんが幼稚園に行っている間に、カルチャーセンターで花文字をやろうと張り切っていたのですが、療育に通うことになり、忙しくなり、辞めてしまいました。ちょっと残念でしたが子育て支援カウンセラー、食べない子向けの食育講座、児童発達支援士、ペアレントトレーニングなど隙間時間で学ぶこともできたのでよかったです。

さてさて息子さんの療育の成果は…

驚くほどに成長したと思います。年少さんの夏休み明けからスタートして卒園まで、時々、さぼったりしながらも、頑張っていきました。
離席が多かったり、気持ちの切り替えが難しい場面があったり、チックが酷くなったり、思い出せばいろいろ困難もありましたが、その都度、相談して少しずつ、息子さんも心を開いていったようで、やっている課題は嫌だけれど先生は好きだと思えたりとそれなりに居場所ができていたのだと思います。
見ていると、落ち着いている時よりも落ち着かない時の方が多かったり、その日の予定の半分もこなせない、明らかに嫌がっているなどなど、このままこうやっていても何も変わらないんじゃないかと悩んだ時期もあります。
おまけに、こうやって彼の個性をなくして集団に合わせていくことに何のメリットがあるのか、彼らしいところ、良さが発揮できないのではなんてことも思ったことがあります。
そんな時は、少しお休みをしてみたりとペースを落としてみたりすることも…。
半年に一回、支援計画を見直して、新たに作り直すのですが、そこで感じる成長やできるようになったことなどを考えると、もう少し続けてもいいかなと思いなおす。息子さんがどうしても嫌だというまでは通ってもいいかもしれないとまた、頑張って通う。とにかく、わたしは一貫して緩いスタンスでいたような気がします。
療育の結果、今の彼があるのか、単純に彼本人の成長の結果で、通わなくても良かったのか、それは分かりません。ただ、自宅でわたしだけが療育的なことをしていてもうまくは行かなかったと思います。
わたしではない他の誰かから何かを学ぶ。その方が彼には良かったのだと思います。
わたしといる時はおそらく甘えているのです。他で頑張っているのでわたしの前でははっきり言って腑抜けになっていると思います。そこだけ切り取ってみていると、ただの甘やかしだとか、なってないと責められるわけです。大きな声では言えませんが家でも心休まる時間は少ないと思います。わたしと息子、二人で怒られることもしょっちゅうです。こんな環境、良くないのですけどね。親子って、家族って難しいです。愚痴ってしまいました。

また、一番、改善してほしい偏食、食事全般に関することに関しては療育施設に通っても食事の機会もないですし、何か対策ができるかと言えばできないのでしょうがないですねという感じです。
食事に関してはいろいろ調べてみても、これだというものはないですし、難しいのでしょう。きっと本人にしか分からない辛さがあるのだと思います。
明日、急に食べられるかもしれないし、変わらないかもしれない。本当にそんな感じです。

今思うと、息子とわたしを否定しないで受け入れてくれる環境がわたしは欲しかったのだと思います。それがわたしたちにとっては療育施設だったのです。場所によってはこれじゃダメです!みたいなことを言われることもあるでしょうが、わたしはそうゆうところは選びませんでした。
今日はここまでできました。こんなことがあったけれど、こうすれば気持ちを切り替えられた。などなど、いつも、あぁ、そういえばそうだよねということを感じられました。
だから、息子もわたしも自己肯定感というのを失くさずにいられたのだと思います。

療育先にお願いしていたことは、いろんな環境や状況で自分の気持ちを自分で伝える。困ったときにしっかりヘルプサインを出せる。この二つを念頭にした支援計画を作ってもらっていました。
この二つが達成されているのかいないのかは、おそらく今後小学生になってから分かってくることだと思います。

幼稚園の頃のようにはいかないだろうなとは思っていますが、きっと彼の積み重ねてきた経験は無駄ではなかったと思います。

親以外の大人とのかかわりやそこにやってくる子との交流。それは通わなければ得られるものではなかったです。
時々、療育先で他の保護者の方とお話することもありましたが、息子は面倒見がよく、よくしゃべって、指導員の先生ともうまくやりとししてコミュニケーションには問題ないように見えたり、酷く癇癪を起してしまうタイプではないので、どうして通っているのかと訊かれることがありました。
発達障害というのは本当に特性がそれぞれで目に見えて分かる症状のようなものってあるようでない感じです。
それぞれの特性が理解されて対応できている時は本人もおそらく困らずに落ち着いていて、それは困りごとではなく、単に性格的なこととして受け入れられていくのだと思います。

この困っていることへの理解や配慮ってきっと子どもが成長するにつれて本人の問題になっていくのでしょうけれど、幼児、小学生ぐらいまではおそらく保護者の困り感でもあるのだと思います。
それをどう解消していくのか。家庭だけでは限界があります。

これからも向き合っていかなければいけない特性。

この児童発達支援のサービスは児童と言っているのに小学生になると区分が変わり、放課後等デイサービスに変わっていきます。
利用できる施設も変わってきます。
息子さんの通っていた療育施設は児童発達支援だったので、卒園をもって終了です。
さらに療育を継続するのならば、新しい場所を探さなければなりません。
今のところ探していません。
小学校の生活に慣れて、何か困り感が増してきたりしたときに考えてもいいのかと思っています。通うことがそれなりにストレスでもあり、支援級所属のスタートになったので、まずは学校生活をメインに考えていきたいと思っています。
ただ、通所受給者証の更新手続きなどもありまして…どうするのがいいのかまだまだ、調べることは沢山です。

準備万端、完璧な状態で新生活をスタートできるわけがなく、たくさんの方にご迷惑をかけながら、ゆっくりゆっくり自分の居場所を見つけていかなければいけない状態というの歯がゆくもあり、ありがたくもあります。

小学生になったから一区切りではなくこれからも、経験、体験として体に落とし込んで、前へ進んでいけるよう、応援していきたいと思っています。

日々、子どもたちと向き合っていられる皆様方。
いつもいつもありがとうございます。

羊でした。




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