センスがいいってつまり何?
「あの人の服装はいつもセンスがいいよね」「プレゼントにそれを選ぶなんてセンスがいい」
「センスがいい」このフレーズ、一度は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
なんとなく誉め言葉っぽい雰囲気があって、使いやすい。あのまとまりのいいというかスタイリッシュな感じをうまく言い表せない時に便利な言葉です。
でも、つまりセンスがいいってどういうことなの?と聞かれたときに、即答できない方もまた、多いのではないかと思うのです。
今回はそのセンスについて考えてみました。
題名の疑問に一番近い答えをくれたのが、水野学さんの「センスは知識からはじまる」という本でした。
それまでは、センスって生まれつき、もしくは芸術系の環境に身を置いた人しか得られないものだと漠然と感じていたのです。
けれど、この本では全くもって違う価値観が語られていました。
結局すべては知識から生まれるのだと。
たとえば、見やすく尚且つ今風で洗礼された素晴らしいHPをデザインした人がいたとします。
「うわ、センスがいいな」
って思わず言っちゃうようなデザインです。
では、その人はどうやってそのデザインを作り上げたのか。
「なんとなく感覚的にこれかなと思って」なんてぼかした風に答えられる方もいるかもしれませんが、結局それは自分が今まで見て聞いて経験してきたこと、そこから学んできた知識から作られているわけです。
つまり、今はシンプルで余白が多いものが好まれることを知っているから。
どんな字体があるのか、どういうコードを入力すればいいか知っているから。
ピッタリの雰囲気の写真を撮る人を知っているから。
知らなければそこから調べて学んで作り上げ、そこにセンスが生まれるのです。
芸術は違う!知識なんて堅いものではなくもっと感覚的なものなのだ!という方もいるかもしれません。
だけども有名な画家だって最初にしていることは、目の前の風景やすでにある絵画のスケッチです。
そこから学んでいるのです。
光の反射でたくさんの色が生まれることや、表現の仕方を。
モノづくりにしても、詳しくないので断定的にな語れないのですがおそらく同じでしょう。すでにたくさんある、あらゆる種類の名品を見てそこから知識を得ています。
今までにない新しいものを作り上げた時も、実は全く関係のないように思えた二つのことをくっつけてみただけだったなんてこともあったりします。
もう水野学さんの話で終わりかねない勢いですが、私としてはもう少し違う角度のセンスも知りたかった。
そんな中出会ったのが、中野善壽さんの価値観についてを題材としている本「ぜんぶ、すてれば」でした。
中盤以降で出てくる「花も人も対比で成り立つ」との言葉に衝撃が走ったのです。
すべては対比、つまり組み合わせが大事という話なのですが、これセンスがいいに通じるのではと思いました。
服装にセンスを感じるのは、全体の組み合わせがいいからだし、プレゼントのセンスがいいのはヒトとモノの組み合わせがいいからですよね。ものにセンスを見出すのは使いやすさとシンプルさの組み合わせや、色の組み合わせがいいから。
すとんと心に落ちた感覚がありました。
「センス」は知識であり、
「センスがいい」とは知識の組み合わせがいいということ。
ファッションセンスが良くなりたい人は、まずファッションについて学ぶでしょう。
そしてそこから、色の組み合わせだったり骨格だったり派生して学んでいくわけです。
でも全く別の分野で学んだ知識から、例えば熱帯魚に詳しい友達から見せてもらった魚のうろこの色とか、そんなことにインスピレーションを受けて服の組み合わせに生かしてみたりして、そこから「センスがいい」が生まれると思うのです。
「センス」という言葉がゲシュタルト崩壊してきましたが、自分にはないと思っている方ぜひ「センスは知識からはじまる」を読んでみてください。
きっと希望が見えてくるはずです。
私もセンスを磨くべく、ピンときたことはどんどん調べて知識を蓄積していこうと思います。
「ぜんぶ、すてれば」に関しては、読んでいてとってもワクワクしました。
新しい考え方がドドドと頭の中になだれ込んでくる感覚でした。
こんな風に生きていいんだ、って今日が軽くなります。中野善壽さんという人の生き方からは何か一つでも学べるものがあるのではと思いますのでこちらも是非読んでみてください。
おすすめです。
ということで、今回はセンスについてのお話でした。
現段階での自分の結論ですので、浅いなあと思われた方も多いかもしれません。この先きっともっと変わっていきます。次センスについて話すときには、自分の経験も踏まえてお話しできたらいいですね。
それでは、また。
※上記の記事は、1年前くらいに書いていたものです。ずっと下書きにありました。
今日は何も書けそうになかったから助かった。久しぶりに、記事内に出てきた2冊読み直したくなりました。