- 運営しているクリエイター
#ストーリー
0と1 第三話 距離
二人は改札を抜けホームへ。
丁度階段を降りた頃に電車が到着。
そのままシートへ腰をかける。平日のこの時間の車両は程よく人気がない。
アナウンスがなってやがてドアが閉まる。
0は閉まり切るのを目視していた。
通路を挟んだ向かいに1が腰をかけている。
柔らかな前髪が彼の美しい額にかかる。
傾いた日差しが1の横顔のラインをぼかしている。
二駅先で降りるのに、彼は本をまた開いた。0の方へ顔はあげな
0と1 第二話待つ君
駅の改札横のコンビニの壁にその姿はあった。
スカーレットレッドのニットのミトン手袋を脇に挟んで壁にもたれて小説を読んでいる。時折本を閉じかけ人の行き来を黒い瞳がせわしなく追う。
約束時間から15分経過。
そろそろかな。ロータリー側に目をやる。
白いシャツに黒いパーカを重ねた、細いシルエットを見つける。
0だ。
「ごめん。またせて。」
「全然。何時もより早めについたね」
「・・・合格?