編みもの短歌 [短歌連作]
編みかけで飽きた身頃が編み針をつけたままいる 鏡ではなく
イギリスの糸は曇りの空の色 南米の糸を添えて編み出す
病院の天窓しずか袖ひとつ編み終わるまでの長い会計
長すぎるショールあたたか黙々と編んだ私が私を包む
甘撚りの糸の編地を湯につけてフエルトにする 暇かもしれず
編みきれぬ糸玉箱に整理して見えなくなればまた買うのだろう
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短歌連作サークル誌『あみもの 第三十九号』に投稿した連作です。
「編み物」が趣味のひとつな以上、『あみもの』にはいつか「編み物」の連作を出そう、必ず出そう、とずーっと思っていました。
『あみもの』最終号で、ようやくそれを叶えることができました。
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