なりたい自分とはじつは何なのか?
なりたい自分を目指そうという自己啓発の言説があります。
他方、心理哲学は「なりたい自分を目指すから自己肯定感が下がるのだ」と主張します。
ところで、なりたい自分とはなにか?
たとえば、自己肯定感が低く、それゆえハジけることができず、夏も海やプールで水着になりたいけどならず、なかばひきこもっている人にとって、サザンビーチやナイトプールでビキニを着てハジけているおねーさんは「なりたい自分」でしょう。
つまり、なぜかつい憧れてしまう人=なりたい自分、というわけ。
しかしあなたは、サザンビーチでビキニ姿を恥ずかしげもなくさらしている、そのおねーさんになりたいわけでは、きっとないはず。
彼女が「彼女らしく生きている」その生命力というか「らしさ」に惚れているはず。
ちがいますか?
もしそうであるなら、「なりたい自分」とは「自分らしく生きている人」全般のことだといえます。
そうすると、なりたい自分を目指すとは、自分らしく生きる自分を目指す、となります。
そうですよね?
あなたは今、自分らしく生きていない。
たとえば、過保護の毒親にメンタルをやられたので。
たとえば、イヤな上司ゆえ。
たとえば、恋人がいないさみしさゆえ。
しかし、自分らしく生きる秘訣は、親や上司、恋人にあるのではなく、あなた自身が自分のルーツを思い出すことにあります。
ルーツとは具体的には祖父母です。祖父母の生き様を思い出すことがすなわち、自分らしさを知ることです。
なぜなら、わたしたちは祖父母の考え方のクセや、不幸になるパターンを受け継いでいるからです。
つまり、なりたい自分とは、自分のルーツを知り、それにすなおに生きている自分のことなのであり、あなたにとっての推しアイドルとか、ユーチューバーとか、そういうものではないのです。