退屈な日常を大切に思える一冊
「なんであなたを育てたのか、ってさっき言ってたわよね。」
「うん。」
「かわいいから」
さびれた観光地の餅湯温泉。
そこで生まれ育った一人の男子高校生。
彼の目線を通して見えるのは
どこまでも日常。
クスッと笑ってしまう様な友達
呆れた大人の言動
揺るぎない家族の愛情
考えるのが面倒な将来
日常に溢れる人間らしさが詰め込まれた一冊です。
自分が産まれたことを喜んでくれた人がいる。
それがどんなに幸せなことか感じられます。
かけがえのないものはいつだって
見えにくいものもの。
退屈に思えても
大切にしたい。
毎日代わり映えしないなぁ。と思う人にお勧めしたい一冊です。