【読書感想文】Peachのやりくり|井上慎一(著)
そもそも読書家ではないのだが、たまに読むと、読書っていいなと思う。
でも、読書をしてもすぐに内容を忘れてしまう。
そういうポンコツなわたしなので、noteに読書感想文を書いていくことにする。
目標、月2冊。頑張れわたし。
11月1冊目はこちら。
Peach創業者、井上慎一さんの著書
『Peachのやりくり』
ざっくり感想と、読んでほしい人
仕事を「おもろくする」ことを大事にしているPeach。そして、「仕事がおもろいってどういう状態?」ということの、ヒントが詰まったこの本。
※関西の企業なので『おもしろい』じゃなくて『おもろい』と表現されている
大企業の社長となるような偉大な方の著書だから、ジャンルとしてはビジネス本の類だろう。
でもこの本で伝えてくれていることは、そうじゃない、なんの役職も持たないわたしみたいな会社員も、仕事じゃなくてPTAや町内会の役員だったとしても、主婦でも、学生でも、みんな活かせるところがあると思う。
結局はいかにして、『仕事≒気が乗らない、やらなければならないこと』を、自分にとって『興味のあること、やりたいこと』に変換できるか、を説いてくれている。
「この仕事、おもんないな(おもしろくないな)」と思っている人の多くは「どうしたらこの仕事が自分にとっておもろくなるか」なんて考えたことがないのではないか。
おもんないのは、仕事か?
おもろさを見出せない、自分か?
今自分に課せられている責務(仕事、家事、育児、介護、何かの役員などなんでも)が「おもんない」と感じるすべての人に読んでみてほしい。
読もうと思ったきっかけ
以前、上司との面談中にPeach創業時の井上さんのエピソードが話題にあがった。
(↓エピソードの詳細はここでわたしが説明するより下記ページを見た方がわかりやすいと思うので、こちらを参照してほしい。)
上層部からの依頼であっても、自分の信念と違うと思えば「ふざけるな」と突っぱねる。自分ごとにできない仕事は引き受けない。仕事を引き受ける以上は、どうやって自分ごとにするかをとことん考える。
この考え方に感銘を受け、ただの平社員のわたしでも、考え方だけはそうでありたいと強く思った。
そして、格安航空→若者でも気軽に海外へ行ける→世界中に友達ができる→戦争をなくし世界平和に寄与できるはずだ、という、先の先を見据えた希望ある事業の目的にも感動した。
という経緯で、井上慎一さんという方に興味があったので、この本を手に取るに至った。
印象的だったフレーズ(ネタバレあり)
新しい企画は100のうち1つ成功すればよい
失敗を恐れずにどんどんアイデアを出してチャレンジすることが大切だ、と。
今後、企画の仕事に携わっていく予定があることもあって、これは上司にもよく言われている。良く言えば真面目、悪く言えば臆病ゆえに、失敗を恐れがちなわたし。わかっているけど実際の業務を目の前にすると忘れてしまうこの言葉は、改めて胸に刻んでおきたい。
システムの仕様を最初から決めすぎず、追加・変更・放棄(やめる)を柔軟にできるようにしておく
会社の規模も社会情勢も変わっていくのだから、今の体制に合わせてバッチリ決めたシステムが何年後まで通用するかなどわからない。
塵も積もれば山となるならば、山にするには塵を積もらせればいい
目標とする山の高さを出しておけば、どれだけの塵を積もらせればいいのかを算出することができる。
なるほど、塵が積もるのを待つのではなく、あらかじめ山を作ることを想定した上で塵を積もらせるのか!と気付かされた、好きなフレーズ。
顕在需要を切り崩して競合他社とお客様の取り合いをするよりも、潜在需要を掘り起こす
それは結果的に業界全体の発展に貢献することになる。
自分の担当業務に愛着を持つ
自分に与えられた仕事を手塩にかけて育てるつもりで、仕事をする。
基本品質はなにかを明確にし、何よりも基本品質を優先する
Peachにとっての基本品質は「安全に、決まった時間に、きちんと飛行機が飛ぶこと」。どんなに機内食がおいしくても、機内サービスが充実していても、そもそも予定通り飛行機が飛ばないようではお客様はついてこない。
では、わたしの仕事における基本品質とは?
リスク管理は何も起きていない状態をずっと続ける地味な作業
事故は起こらないのがベストだが、何も起こらない状態で注意力を保ち続けることは難しいもの。過去の事故事例を目の当たりにする機会を設けて身を引き締める。
自分の話はせいぜい3割くらいしか伝わらない
聞いてくれない相手が悪いのではなく、聞いてもらえる言葉選びや工夫をすべき。そのために、いい言葉に出会ったら必ずメモをする。読書、新聞、雑誌、漫才など、元ネタはなんでもOK。
オペレーション(決まったことをこなす)ばかりではイノベーションは起きない
8〜9割はオペレーションをこなし、1〜2割はイノベーションに費やす。そういった配分を決めて、イノベーション創出のための仕事を継続していくことが大切。
これは耳が痛い言葉だった。向き不向きもあると思うが、わたしにとってはイノベーション創出って、難しい。だからオペレーションに逃げがち。それで仕事をしたことにしたくなりがち。逃げてはいけない。イノベーションに向き合う時間をきちんと作り続けなければならない。
他業界でやっていることを自分たちの業界に当てはめてみる
電車や新幹線が遅れているお客さんをわざわざ探したり待ったりしないように、飛行機でもそれを適用していいんじゃないか?と。確かに。
他業界のやり方を当てはめてみることで、既存の業界常識が良い意味で壊されるかもしれない。