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ブルーの神秘に彩られた1枚のレコード 〜 色の意味合いについて Vol.2

アルバム「BLUE」


ジョニ・ミッチェルは若い頃は、多感な時代を過ごしたようです。数多くの恋愛から彼女の音楽の背景にある何事か(広い意味での愛ですね)を掴んでいったのだと思います。

このアルバムに収録されている「All I Want」という曲も、その当時の恋愛模様を語った曲のようです。

その恋愛についての思い、、「All I Want」をはじめ、それまでの経験をしたためた楽曲を散りばめる場所として、LPはとてもふさわしいツールだったのでしょう。

そのLPは、深い青いジャケットに包まれ、その名も「BLUE」というタイトル。そこに浮かんでいるのは物憂げなジョニの表情。

若い時期とはいえ、その時までの人生には、恐らくさまざまな浮き沈みがあったはずで、それこそが人生に深みを与えたのでしょう。このジャケットはそんな表情に見えます。

ここでイメージが湧いてきます。

きっとその深みは、深い海の底のようなもので。沈み込むには深すぎ、たとえ沈みかけても、あたりは穏やかな波の無い、、起伏の無い場所。薄く日が差し込む海の中の深い青が周りを優しく穏やかに包んでいて。きっとそれは安らぎでもあって。

憂鬱という意味以上にブルーという言葉の持つ神秘性に包まれている半生。

そんな思いがつまったLP、物憂げな表情の彼女のジャケットが、ブルーに包まれているのも、LPのタイトルがブルーなのもこんな理由だからなのかも知れません。勝手な想像ですけれど。

ブルーの神秘性に彩られたジャケットは、さながら彼女の体験してきた恋の証。

このジャケットというキャンバスを舞台にして繰り広げられる美しいストーリー。

このストーリー(楽曲に吹き込まれた歌い手の想い)の数々への共感があるからこそ、音楽は人を感動させるのでしょう。

ブルーにこんがらがって

この深い青、ブルーという言葉の二面性に誘われて、、このLPのなかで、そして彼女の半生の中で錯綜する様々な想いは、彼女のストーリーに現れる、もう1人の詩人によって、後年、歌われることになります。

その曲名にブルーの単語を冠して。

その曲のタイトルは、「Tangled Up in Blue」

歌っているのは詩人ボブ・ディラン。

邦題「ブルーにこんがらがって」

彼もまた、彼女の内面にひっそりと浮かぶ深い青、深いブルーの魔力に取り憑かれてしまった1人なのかもしれません。

ブルーに絡みとられ、文字通り、こんがらがった。これは彼の血となったストーリーの一部。


ALL I WANT 〜 ジョニの想いをイメージする

道は自分が歩むから道になるのだ。。。とは魯迅の言葉。

自分自身の人生の歩みを孤独な道のりと表現してしまう女性がいる。

でも、その孤独な旅は、決して本当の意味での孤独ではない。なぜならば、その道を歩む過程で、気持ちを高ぶらせることができるような愛する人を見つけることができたから。

道はすんなりと輝かしい未来へ向かっているわけではない。曲がりくねった道もあれば、ときには上り坂もある、、、そんなときに、時には、心を痛めてしまうこともあるけれど、、、

その旅を経て望むことは、きっとシンプルなもの。

それは二人の幸せであり、お互いの行動がお互いを高めあうようなそんな関係。

そんなことをわたしは望む。それがわたしが望むすべてのこと。

All I Want ,,,,,,,,is you.


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