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大切な誰かのために 〜 「歌うたいのバラッド」 斉藤和義
人はなぜ歌うのでしょうか。
最初に言葉があったのだと思います。
身振り手振りから形・記号が生まれ、それが絵画になり、文字になり、それを発音して言葉になった。
中原佑介編著『ヒトはなぜ絵を描くのか』によると、古代文明は洞窟に絵を描いていたわけですが、実は、洞窟の中の反響音が強いところに集中して描かれていたようです。
楽器の無い時代、その反響音は自然の恐ろしさの象徴でもあり、神秘的なもの精霊的なものの象徴でもあったのかもしれません。ゆえに、その見えないものに対する畏怖の感情なども相まって、その場所に絵を描いたのではないでしょうか。
とすると、その反響音、目に見えないもの、自然、森羅万象への捧げものとしての表現方法が生まれて、その一つが、「歌」というものであり、「歌う」という行為だったのかもしれません。
楽器が生まれ、音楽が登場することで、根源的な「歌」は、一般的な「歌」になっていった。
そして、その「歌」に、自然の情景を込めたり、日常の出来事を入れたり、そして、自分の想いを誰かに伝える手段として使ってみたり。
歌うことは難しいことじゃない
ただ声に身をまかせ頭の中をからっぽにするだけ
(歌詞一部引用)
想いを言葉にすることは、なかなかに難しいかも知れません。そんな時は、シンプルにメロディに乗せればOK。
大切な誰かを思いながら。その歌にその感情をのせてみよう。
それは世界に一つだけの歌になる。
自分なりのバラッドを。大切な誰かのために。
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