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紙吹雪は未来へのはなむけ ~「指定券」 さだまさし
3月。別れと新しい生活が始まる時期。3月になるとぐっと聞きたくなるのがこの曲だ。たぶん、この曲の舞台となる季節は秋なのだろうけれど。
希望を胸にふるさとを離れた者たちが、夢破れてふるさとへ還っていく。そのワンシーンを描いている。胸中は穏やかではないはずだが、メロディはどこまでも優しく響いていく。
この別れの場面で興味深いのは修学旅行生の存在だ。
彼らはふるさとから、まだ目に見ぬ大都会への夢を胸にして電車を降りたった。反面、主人公はこれからふるさと行きの電車に乗り込む。
さらに、この修学旅行生が、「君」の最後の表情すらかき消してしまうのだ。
修学旅行生を新しい夢の芽と捉えてみると、その夢が、彼が大切にしようとして敗れた「夢=君の存在」を隠してしまったともいえる。
穿った見方をするならば、もう過去は過去だから前を向けという激励の様に思えなくもない。その風景にかぶさってくる紙吹雪は、未来へのはなむけのようなものなのかもしれない。
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