蜷川幸雄演出「血の婚礼」(2011年)
もう10年以上前。
蜷川幸雄さん演出の「血の婚礼」をみました。
巣鴨の廃校の体育館を使った舞台。(西すがも創造舎)
http://t.pia.jp/feature/stage/chinokonrei/chinokonrei.html
この人の舞台、初めて見ましたが、圧倒されました。
舞台全体が何かの生き物のようになっていて、うごめいていて、その胎内にのまれて、酔ってしまうような感覚。
動きが重要な要素なんでしょう。言葉は補足のようなもので。たぶん外国語でこの演目を見ても同じような、感動を味わうのだと感じました。
この「血の婚礼」、ガルシア・ロルカの戯曲が元になっています。
この作品にただよう「感性」以外は原型をとどめていないですが。
30年代のスペインは、内戦という、外的であり、内的な戦乱に蹂躙されるんですが、混乱のさなか、芸術家たちが多数同時多発的に存在していた時期でもあります。
多少時代は前後しますが、ロルカ、ダリ、ミロ、ガウディ、ピカソ、ブニュエル、パブロ・カザルス、ホアキン・ロドリーゴ、ナルシソ・イエペソ、・・・・・混沌とした情勢の中に美が胎動していた、ある意味、生命力があった時代。
そういった時代背景の戯曲から、イメージを損なうことなく、ああいうふうに舞台を作り上げていく、蜷川さんの手腕はすごいと感じました。。
言葉が力を持っていた時期に、詩人が生み出す言葉には驚くべきほどの生命力がある。
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