フェスについてvol.1 ~ フェスの歴史はニューポート・ジャズ・フェスティバルから始まった。
昨今、フェスが活況です。
個人的には、じっくり演奏を見たいので、同時多発的に演奏されるスタイルが、どうも苦手です。どうしてもすべてを見ることができないので。
とまあ、それはさておき、こういったフェスティバルの歴史をたどってみようと思います。
■フェスティバル=フェスの始まり
いつから、こういったフェスが始まったのかと言えば、1954年に米国ロードアイランド州で開催されたニューポート・ジャズ・フェスティバルからと言えるようです。
1954年。戦後9年。
ロックンロール誕生前夜で、エルヴィスが世に出る前夜。ビートルズの面々は未だ10代初頭の中学生。
日本でもようやくバンド結成の動きが出たころで、あのドリフターズは1956年結成です。ドリフはコント集団になる前は、しっかりとしたバンドだったんです。
この流れがその後、グループサウンズになっていきます。
さて、1954年と言えば、ジャズ黄金期。
ジャズは50年代に黄金期を迎え、60年代で拡散し、70年代で他の音楽と融合したとうようなくくりになりますので、この時期のフェスが「ジャズフェスティバル」なのは納得性があります。
初年度はエラ・フィッツジェラルドが登場し、ルイ・アームストロング。デューク・エリントン、マイルス・デイヴィス、ディジー・ガレスピー、ジェリー・マリガン、セロニアス・モンクらの著名アーチストがを始めとするスター達がこのフェスに参加していくことになります。
ジャズ初心者でも名前を知っているアーチストがこぞって参加しており、マイルス・デイヴィス、ビリー・ホリデイ、デューク・エリントンらの演奏は有名ですね。
このフェスは今でも続いております。息が長い!というよりジャズが彼の地に根差しているということなのでしょう。
ジャズのライブ盤で、「・・・アット・ニューポート」とあるのは、ほぼこのフェスの音源です。かなりの数があります。
以下、いくつか演奏を。
■語源
そもそも、フェスティバルとは、
ということで、宗教的な意味合いが強かったようです。
大勢の人が集い、祝う。
この活動が転じて、大勢の人が集い、音に身を任せる音楽フェスティバルになっていったのでしょう。
■これから
1954年開始のニューポートジャズフェスティバルは、ジャズのフェスでした。
1960年代ビートルズによるアメリカ進出(第1次ブリティッシュインベイジョン)により、ロックが世界的なムーブメントになっていきます。
それにつれ、ロックを中心としたフェスも多く開催されていきます。1960年代は、そういう意味では、ロックフェスが生まれた時期といえます。
その最初期の有名なフェスは、1967年にアメリカ合衆国で開催されたモントレー・ポップ・フェスティバルです。
その後、ウッドストック、ワイト島音楽祭、バングラデシュ救済コンサート、ザ・ラストワルツ、ノー・ニュークス・コンサート、SNACKコンサート、
80年代は米英を衛星中継でつないだライブエイドや、ネルソンマンデラ解放記念コンサートなど、話題のフェスが相次いで開催されていきます。
その先に、フジロックなどの日本発のフェスがあるわけですね。
興味深いのは、67年のフェスの名称。モントレー・ポップ・フェスティバル。ポップのフェスなんですね。実態はロックだとしても。でもその2年後のウッドストックはロックの祭典となるわけですから、ロックという言葉の浸透具合をこの辺りに見ることもできます。
というわけで、これから、順を追って、各フェスの内容と映像を見ていこうと思います。
よろしくお願いいたします。