5月20日に評価について講演します。

5月20日に評価について講演します。
教育UPDATEグループ主催の学習評価実践講座です。
期日 5月20日(土)
時間 20時~21半
開催方法 ZOOMオンライン(無料)
参加希望者は末尾のフォームからお申込みください。
演題:成績評価・学習者理解・省察的評価
講演の基本的方向と内容:
 学校で行われる評価には次の3種類がある。
①成績評価
成績評価は公正・公平に。ただし、日常の授業に成績評価は不要。日々の授業で、生徒の成績を毎回評価して順位を付ける必要はない。テストに出すよ!出るよ!と言って生徒の注意を引き付けるのは、無能な教師がすること。
卒業に必須の単位を取得するために嫌々ながら授業に出ている学生・生徒が多い授業では、成績評価を脅しに使うことをしないと、授業が成立しないということもある。
日本の卒業資格は、学力保証の効力をもたないのが実態。だから、卒業後の入試や採用試験や資格認定試験が必要。それを学習者が本気で目指した場合は、学習者本人による試験対策が必要になり、それを支援する指導が有用になる。
日本にもしも、学力が付いたことが認定されるまで留年させたり、学力不足を理由に退学させたりする学校があるなら、その学校では学力を認定するための成績評価が必須。
成績評価のためではなく、学習内容や方法の楽しさで学習者がのめり込むような授業を工夫することが私の理想。そういう授業は、評価のための授業ではなく、学びのための授業となる。
②学習者理解としての評価(いわゆる「見取り」)
これは、指導改善のために教師がする教育的評価。内容は学習者理解。点数化したり、順位付けしたりする必要はない。いわゆる「評価規準」は、教師の評価観を狭くするだけでなく、一人一人異なる学習者の創造性や想定外のすばらしさを理解する評価眼を曇らせる。
③学習者がする省察的評価
デューイが言うところの「リフレクション」や「反省的思考」がこれに相当する。目的実現を目指して活動を進める学習者が、目的に照らして自らの活動を省察し、必要に応じて活動を修正する。それが省察的評価。目的がなければこの評価ができない。だから、目的を明確にすることが必須。学習者自身が、めざす入試に合格するという明確な目的を意識したとき、そのための受験勉強の過程で省察的評価が生まれ続け活用され続ける。しかし、ペーパーテストで測定できる能力は、学習指導要領が求める生きる力の一部でしかない。生きる力の向上を助けるためには、テスト以外の、生活上の、作る目的・演じる目的・解明する目的・遊ぶ目的・上達する目的・味わい楽しむ目的など、多様な目的のある、学習活動の場面を用意する必要がある。そういう場で生まれる、目的を目指す活動と目的に照らして省察する評価(reflective self-evaluation)とが、共起し補い合いながら活動を進めることが、主体的で探究的な学習になる。
私の講演では、以上のように考えて、学校や授業の現状を点検し、学習を助ける評価のあり方について、私の考えを語ります。
なお、この内容は、本年1月出版の首藤久義著『国語を楽しく』(東洋館出版社)で述べたことと重なります。https://amzn.to/3XSzSc9
以下は、その会の案内です。
1 期日 5月20日(土)
2 時間 20時~21半
3 開催方法 ZOOMオンライン(無料)
4 内容
(1)開会行事、講師紹介
(2)講演:成績評価・学習者理解・省察的評価
講師:首藤久義 先生
   千葉大学名誉教授
(3)質疑応答
(4)Breakoutディスカッション(20分×2)
(5)全体シェア・質疑応答
(6)Reflectionフォーム送信・閉会
5 講師紹介
首藤 久義 (しゅとう ひさよし)
1947年4月、敗戦直後の旧満州国(現、中国東北部)に生まれ、大分県別府市で育つ。東京教育大学(現、筑波大学)大学院博士課程単位取得退学後、秋田大学助手、文教大学専任講師、千葉大学助教授・教授、東京学芸大学連合大学院博士課程教授(兼任)、小学校検定教科書国語編集委員、NHK 教育テレビ番組委員、ドイツのアーヘン工科大学(RWTH Aachen)客員研究員、千葉大学教育学部附属幼稚園長などを歴任し、現在、千葉大学名誉教授、日本国語教育学会常任理事、保育と自然をつなぐ研究会ウレシパモシリ顧問、言語教育研究会会長、プラチナエイジ振興協会名誉アドバイザー。『書くことの学習指導』『生活漢字の学習支援』『書くことの学習支援』『ことばがひろがる⑴ 楽しい国語、生活に生きる国語』『ことばがひろがる⑵ 教科をこえて広がる国語』『はじめてつかう漢字字典』など、言葉や国語の教育に関する著述や講演多数。28歳で発表した論文「『読み』の学習と教育…メソッド統合の視点」(日本読書学会編集発行『読書科学』第19巻第3号、1975年12月)が高く評価され、1977年7月に日本読書学会「読書科学研究奨励賞」を受賞。近著に『国語を楽しくープロジェクト・翻作・同時異学習のすすめ』(2023年1月発行)があり、アマゾンで「ベストセラー1位」(部門別)になった。
6 参加申込
下記のURLから参加申込フォームを送信してください。
https://forms.gle/jyDmYciGes9Hici1A

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