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おばあちゃんと僕

この記事は、障害に理解のなかった私が障がいを感じにくい社会を願いながら介護士として働き、適応障害になり現在の活動にいたるまでのお話しです。

敬老の日に、おばあちゃんを思い出しながら文章にしました。

少しでも、過去の自分と同じような方の力になれる文章になっていたら幸いです。


【おばあちゃんと僕】


おばあちゃんは、看護師長さんだった。

いつも患者さんのために病院で働いていた。

退職して、しばらくした時。
アルツハイマー型認知症になった。

怒ったり、徘徊など。
小さい頃の自分には理解ができず喧嘩したこともある。

そんな経験がずっと残っていて。

もっと、ちがいを理解し、力になれる人になりたい。

そう思って、福祉に興味を持ち。
健康福祉学の大学に進学した。

介護や障がい福祉はもちろん。
地域福祉、発達心理学、精神医学、宗教概論、社会学、法学、医療ソーシャルワークなど。

色んな勉強と、今まで事件や特集でしか目にしないような社会の中にある「孤独」を知った。

老老介護や、社会的孤立。
障がい児への偏見。

見て貰えない苦しさ。
理解しようとしてもらえないちがい。

そんな孤独は、ずっとイジメられながらも誰にも言えずに心に押し込めていた自分にとって。

ひとごとではなかった。

そんな感覚があったから。
海外研修に参加する勇気もでたのかもしれない。

デンマーク、ノルウェー。
北欧の福祉を学ぶために乗った、はじめての飛行機に内心ビビりまくりながら。

はじめての海外は。
学んだことより感じたことの方が多かった。

「制度だけでは人は救えない」

これが大学生の時に感じていたこと。

海外では、制度ももちろん違うけど。

「ちがいに対する寛容さ」

これが日本の人々よりも進んでいる。

ハンディ―キャップや、ジェンダー、保育環境など。
色んなちがいがあっても。

「共に生きよう」

そんな社会的価値観がとても感じられたんだ。

それは、小さなちがいでイジメられた自分にとって。
「優しい世界」に感じたよ。

もちろん、教えてもらっていない所では色んな人や、課題もあるのだろう。

それでも、当時の自分は純粋に。

「優しい世界が広げられたらいいな」

そんなふうに思ったんだ。

「優しい世界」
そんな大きなテーマ。

自分にできることなんてあるのか。

そんな時に、実習で知的障がい児の通園施設で勉強をさせてもらうことがあった。

見た目にはほとんどわからない。
「障がい」

可愛い盛りの保育園児。

でも、ご家族にとっては。

「一緒に歩む将来」
「愛情と不安」
「向き合う覚悟」

いろんなものが織り交じっていて。

それでも、自分が気づけたその子の小さな成長を。

涙を流しながら喜んでくれて。

すごく「想いの深さ」を感じたんだ。

今でもその場面と。
その子らが進学し歩んでいく道の険しい社会、それに対して何もできていない自分のふがいなさを感じたのを覚えている。

大人も、子どもも。
ちがいがあっても、あたり前に同じ地域で過ごせる

今ではあたり前のように言われることも、少し昔には全くなくて。

まるで、くさいものには蓋をする。

そんな人とちがう、障がいや病気を「家族の恥」として牢屋に押し込めていた時代もある。

「時代劇じゃないんだから」
そんなふうに思う人もいるかもしれない。

でも、今でも障がいを「恥」と感じさせてしまう価値観は残っているね。

精神障害や身体障害。
最近は、発達障害という言葉もよく取り上げられるね。

これを「個性」という人もいる。
そう思える社会は素敵だね。

でも、ハンディキャップは確かに「弱み」でもある。

それを理解して、社会で共に生きるための「〇〇障害」というカテゴリーや制度。

本当の意味で。
ハンディキャップを個性と思えない社会をつくっている、本当の「障害者」は誰なんだろうね

小さい頃の自分も、当時のおばあちゃんにとっては「障害者」になっていたのかもしれない

介護の世界も自分には無理だと思っていた。

「介護の3K」
そんな言葉まであるくらいだったから。

とても自分には務まらない。
そんなふうに身構えていた。

そんな頃、ヘルパーの実習でグループホームとデイサービスで勉強させて頂くことがあった。

それぞれ違った時間の流れ方をしつつも。

認知症の人へのケアではなく、
「認知症の症状もある〇〇さんとの関わり」

そんな感覚で自然と関われて
いる自分に気づいて。

おばあちゃんの時にも、こんな中間施設があったら。

家族としても、当時よりはもっと。

気持ちに余裕をもって認知症の進行と向き合えたり、一緒に過ごせる時間がつくれたかもしれない。

だからこそ、今それを必要としている人たちのための社会資源として、自分にできることがあるなら。

現場で、自分が関われる人だけでも力になれたら。

認知症や色んな障害を持っていても。
「この人の人生に、安心感が持てる時間が一緒につくれたら」

より長く、その人が自分らしく生きられる
そんな人が増える社会になるんじゃないか。

そう思って、実習でお世話になった

グループホームに就職し。
その後、転職した特別養護老人ホームと合わせて約14年間。

たくさんの人の人生に。

介護士として、社会福祉の資源として。
チームケアを支えるリーダー。

家族ではない、家族以上の深い関わりができるお手伝いのお兄ちゃんとしても。

入居者様、職員、地域の方々とも関わって来ました。

お金や権威、家族があっても。
着実に失われていく世界で。

さいごまで何が残るのか。

「親の顔が見てみたい」

そんな言葉があるように。

ご家族のお顔や対応を見ると、この方が人とどんな関わり方をされて来たのかがわかる。

さいごまで人に好かれる人と。
そうでない人。

「ありがとう」
を大切にできる人。

純粋な笑顔。

そんな、誰でもできそうなことが。
きちんと、その人の根幹にあるかどうか。

そうした人たちとの関わりが。

人が生きていることの尊さを教えてくれた。

どんなに怒っていても。
すぐに忘れてしまっても。

瞬き一つ。
呼吸をしてくれている。

今日も生きていてくれていること。

それがとても尊くて。

内臓の機能が衰えて、身体に水が溜まり。
日々生活をする、寝ているだけでもつらくて。

それでも、顔を見ると。
「あぁ、今日も兄ちゃんが来てくれたから安心だ」

そんな言葉や笑顔もくれて。

どんなに連勤で疲れていても。
ついあたたかい気持ちになってしまう。

でも、そんな笑顔に対して。
自分が力になれることも限られていて。

一対多の介護。
限られた時間。

それぞれの能力と気持ち。
職場の求めることとコンプラ。

綺麗ごとだけではない、リアルがそこにはあって。

介護は「人間性の修行」だ。

そうやって。
ケアも、業務も頑張っていた。

自分の時間がなくなるほどのサービス残業や。
色んなプレッシャー。

気絶しないと帰れなくなるほどの生活にも。
一生懸命に蓋をしていた。

そんな時。
福祉の道にすすむきっかけになった、おばあちゃんが突然なくなった。

そうだよね。
人は突然いなくなるものだから。

でも困ったことに、人がいない。

当時、シフトを管理する立場ということや夜中という時間帯など。

色んなことが頭によぎり、気持ちの整理も上手くはつかないまま。
上司に報告した。

結果は、心良いものではなかった。

朝方、おばあちゃんの顔を見て。
そのまま仕事に。

葬儀の時間、ずっと他の方の家族の介護をしている状況に。

「自分は何のために介護をしているんだろう」
「このまま親がそうなった時もこうしているんだろうか」

そんな気持ちを抱えていた。

そうして、数日過ぎた頃。
忌引き休暇の話を上司としていた。

「あの時に申請しなかったからないよ」

その言葉で。

今まで職場のためと気遣ったり、サービス残業も責任感でこなしていた心は壊れていった。

それでも、そんな心に蓋をして。

「他の職員さんたちに迷惑がかかるから」

そうやって、身体も心もボロボロになっていって。

毎年、世界平和を神様にお願いしながら。
痛くない方法で消えてしまいたいと願っていた

それから、ようやく転職の一歩を踏みだせた出た時は数年後。

自分が大切にしたいものの優先順位を、職場より少し上げてあげれた時。

ただ、それから。
転職してからも。

多くの学びや自分の無力さ。
福祉施設であることの会社の限界。

色んなことを感じながらも。

結局、変われなかった自分の不器用さや現実とのはざまで。
適応障害になり。

ついに。
見守り中に、立っていられなくなった。

頭では、
「まだ頑張れる」
「気を張っていられる」

そう思いながらも、身体がついて来なくて。

帰宅する前に車の中で休んでいても。
運転中に何回も気を失ってしまうことが多くなていった。

今でも、事故が起きなくて本当に良かったなと思う。

そんな頃、「コロナ自さつ」や「過労し」のニュースを目にした。

その「孤独」は、とても他人事ではなかった。

でも、自分にはその人たちを救う力なんてとてもなくて。

「一人でもいい」
「その人の苦しさを受け止められる10秒がつくれたら」

そう思って、アカウントだけ作ってあったTwitterに言葉を残すようになった。

最初は使い方も、距離感も。
全く分からなくて。

副業系のDMや業者さんの営業に、怖い思いもしたし。
50万円のコンサルや、数百万円のコミュニティにも入ってしまったりしたけど。

自分の軸である「優しい世界」や。
「ありがとう」を大切に。

相手の人生に安心感と、自分らしく生きられるお手伝い

それを傾聴ボランティアやカウンセリング。
イラスト、朗読セラピー、コーチング、無料で関われるイベントなど。

色んなカタチにできるように。
今でも継続ができているのは。

受け取ってくれる、関わってくれる。
見守ってくれる。

「あなたがい生きていてくれたから」

まだまだ未熟なところも多いし。
できないことも多い。

それでもね。

「ひささんと出会って、人生が変わりました」
「自分を信じてあげられる人生になりました」
「今日もたくさんの安心感を、ありがとうございます」

そんなふうに言ってくれる人もいてくれて。

もっと頑張ろうって思うんだ。
寄付もできるしね。

「敬老の日」に、おばあちゃんのことを思い出しながら。

当時、認知症のおばあちゃんにとって「障害者」だった自分が、会社に適応できない「障がい者」になり。

「障害を感じにくい社会」のために、頑張っている今までのことを書いていたら、こんなに長くなっちゃって。

「ありがとうね」

さいごまで読んでくれて。

少しでも、過去の自分と同じように。
今が苦しい人の力になれる部分があったらいいなと思います。

これからも。
あなたの心が、よりあたたかく過ごせますように。

「いてくれてありがとう」



<主な活動遍歴・寄付の実績>

小学・中学生時代に虐めを経験。
「自分さえ我慢すればいい」「人に迷惑をかけてはいけない」と言い聞かせ、逃げる戦いをするも自己肯定感低く対人恐怖に。

福祉系大学在学中、北欧の福祉を学ぶためにノルウェー・デンマーク海外研修に参加。日本社会との障がい者への寛容さ、支え合うハードルの違いを感じ、「日本社会にも寛容で多様性が認められる価値観を持ち、優しい世界を広げたい」と願うようになる。

優しい世界のために自分が出来ることを考え、「患者ではなく、人扱いされる関わりを増やそう」と思い、グループホームと特養で介護福祉士として14年ほど実務を経験。
高齢期のリアルと人の死に向き合いながらも、心の声を汲み取りながら関わる人の人生に安心感を提供。

2021年8月

コロナ自殺のニュースを観て、「自殺者の全てを救えなくてもいい。今が苦しい人の10秒を支えよう」とTwitterで苦しさを受け止める文章を投稿するように。

2022年1月

サービス残業・過労で適応障害になり、退職。

2022年2月

オンラインで傾聴ボランティアを開始。障害やトラウマ、精神疾患など、既存の社会では受け止めきれない苦しさを抱えながら頑張っている人々の心と向き合う。

2022年8月

レッドノーズデー2022Twitter企画に参加。

2022年9月

エッセイスト・朗読セラピストとして活動開始。
グリーンリボンキャンペーン2022にTwitter・noteの発信で応援。

2022年10月

イラストレーターとして活動開始。LINEスタンプ販売。

2022年12月

HEXA NFT『HANA PETS』collection運営開始。

2023年2月

NPO Mother’s tree Japan 応援NFTプロジェクト参加。

2023年3月

Yahoo!Japan/LINE:「3.11これからもできること」検索募金企画に参加。

〈寄付〉
・フェリシモ基金:全国の大小さまざまな動物愛護団体を支援プロジェクト

・認定NPO法人日本レスキュー協会:セラピードッグ育成・派遣支援プロジェクト

2023年4月

<講座受講>
・立命館大学『現代を生きる子どもの心理学』講座受講 修了

・株式会社エヌ・エイ・シー『メンタルヘルス不調者の復職支援』講座受講 修了

2023年7月

〈寄付〉
・公益社団法人アニマル・ドネーション:介在犬支援プロジェクト

2023年9月

〈寄付〉
・認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン:日本で殺処分される犬を「ゼロ」に ~ピースワンコ・ジャパン~

2023年10月

〈寄付〉
・特定非営利活動法人オレンジハートリボン協会:いじめをなくし子どもたちの笑顔を守るハートリボン運動

・グリーンリボンキャンペーン2023にTwitterの発信で応援。

・おにぎりアクションにTwitter・noteの発信で応援。

2023年11月

PCプレゼンサークル開校:経営者のソーシャルスキル向上グループ。

〈寄付〉
・認定特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ:あたたかい地域の居場所[こども食堂]を通じて子どもの育ちを応援する

〈寄付〉
・公益財団法人どうぶつ基金:産まれてすぐに殺される悲劇をゼロに

<広報応援>
・こども食堂「ももふねキッチン」さんをTwitter・noteで応援。

2023年12月

〈寄付〉
・公益財団法人がんの子どもを守る会:闘病生活を送る子どもたちにクリスマスプレゼントを届ける

2024年1月

〈寄付〉
・Yahoo!基金:令和6年能登半島地震 緊急支援募金

2024年2月

CCクリエイターズサークル開校:WEBクリエイター事業養成。

〈寄付〉
・公益財団法人日本財団:令和6年能登半島地震への支援

〈寄付〉
・犬と猫のためのライフサポート「見捨てられた犬や猫たちを救おう」

〈寄付〉
・一般社団法人MIRAITERASさんの『こども食堂支援クラウドファンディング』


2024年3月

〈寄付・企画応援〉
3.11 これからも、できること。| Yahoo! JAPAN / LINE

〈寄付・企画応援〉
・ケア・インターナショナル ジャパン『Walk in Her Shoes 2024』 #歩く国際協力

〈寄付・イベント参加〉
・キャリア教育NPO法人Grow&Leap『My Story Project Fes. vol.3』

2024年4月

・オンライン家庭教師事業開始:自分軸形成ワークと学習コーチングで、クライエントの資格学習を支えキャリアアップを目指すサービス。

・第1回模擬試験勉強会イベント開催。
・無料自習室『褒めて伸ばす自習室』開校。

・EEC英語交流サークル開校:英語をテーマに親子で海外文化交流できるイベント企画推進。

〈寄付・企画応援〉
・gooddo『アンケートに答えて10円の支援に』

〈寄付〉
・Yahoo!基金『2024年 台湾地震 緊急支援募金』

〈学習〉
・金融経済教育会議『人生を豊かにするお金の知恵』講座修了

2024年5月

・第2回 模擬試験勉強会イベント開催

・母の日プレゼント企画開催

・『Hisa Design Studio』CREATIVE ポートフォリオサイト制作

・WEBクリエイター コンテンツ『うちの子名刺』作成

・朗読セラピー コンテンツまとめ

・七宝焼き体験イベント

第1回EEC 海外経験シェア会イベント

・交流会イベント参加:コミュマネサミット&Voltage BAR

・国際競技場事業者交流会参加
【活動応援】学生服リユースShop さくらや

<学習>
・タイピング技能検定8級合格

<寄付>
・ピースワンコ・ジャパン『令和6年能登半島地震 ペット緊急支援:共に生き抜く全ての「家族」を守りたい』

・一般財団法人みらいこども財団『虐待で苦しみ、児童養護施設で暮らす子供たちに、心のケアと教育の支援を!』

2024年6月

・あま市市議会傍聴:政治に希望を持つためにできること

・第69回生きづらさを癒す朗読会

・あま市絵本寄付授与式・第70回朗読会

・第71回朗読会 絵本「力のないトナカイ」

・第2回EECトークイベント

・第3・4回模擬試験勉強会


<寄付>
・公益社団法人こどものホスピスプロジェクト:『重い病気の子どもたちに「子どもらしい」人生を』

2024年7月

・第5回模擬試験勉強会

・第73回朗読会:七夕朗読会・短冊づくり教室

・第3回EECライブイベント『英語と音楽を楽しもう』

・Hisa Piano 001

・人生相談室:人間関係に役立つ心理学講座

・第75回朗読会:自尊感情を高めるワーク

・鎌倉FMラジオ出演記念朗読会

・ReStudyオンライン講座:頑張らずに習慣化する方法

<寄付>
・NPO法人PIECESプロジェクト:『日本から「子どもの孤立」をなくす、子どもと寄り添う優しい大人の育成プログラムの全国展開』

2024年8月

<寄付>
・特定非営利活動法人チャイルドライン支援センタープロジェクト:『気持ちを聴き、寄り添うことから子どもが生きやすい社会をめざす』

・第6回ReStudy模擬試験勉強会

・絵本「あめのひとコロッケ」出版記念コラボ朗読会

・第4回EECイベント『英語と絵本で楽しもう』

2024年9月

・第7回ReStudy模擬試験勉強会

・夫婦のための心理学講座

・やる気のない科学講座

・あなたの代わりはいないから

・【ReStudy:】褒めて伸ばす自習室LINEオープンチャット開設



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