朝の習慣
朝は得意ではない。
あれもこれもと手をつけているうちに
深い時間になっていく、夜。
なぜ昨夜早く寝なかったのかを悔やみ、
考えても仕方がないと諦め、
えいやっと体を起こす。
毎朝。
顔を洗い、お化粧をしながら
お湯を沸かす。
冷蔵庫から抹茶の缶を取り出し、
とんでもない目分量を茶碗へ。
お湯を注ぎ、茶筅を振る。
ここ数年続いている習慣、朝抹茶。
茶筅を振るときは無の境地。
時には考え事を深める時間。
体の中にじんわりと、抹茶がしみていく感覚。
目も覚める。
心に余裕のある日は、抹茶の香りに幸せを感じ、
体調が優れない日は苦く感じてしまう。
目分量のせいだけではないだろう。
正座が基本の茶の湯。
朝のキッチンで立ち飲みしていることは
ふんわりと隠したい。