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「Outreach(アウトリーチ)」シーケンスによりインサイドセールスがよりクリエイティブなチームへ昇華。半分の時間で2倍のアウトプットを実現できたワケ
こんにちは。今回は前回の「Outreach」記事の続きです。
私が新卒で入社したベンチャー企業や外資のSaaSベンダーでインサイドセールスを経験しているなかで、最も即効性が高くインパクが大きい施策は「成果を出すための活動にリソースを集中すること」でした。
「何をするか」迷う時間を極限まで減らし、新規アプローチやアプローチ後のフォロー活動を徹底することで、返信率やアポ率が劇的に高めることができます。
一方、他企業のインサイドセールスの話を聞いていると、「毎日どのリストにアプローチするか迷う」「返信がない方には2度、3度アプローチしたいがタスク管理ができていない」といった悩みをよく聞きます。
今回は、そんな課題を解決するのに最適なソリューションとなる、Sales Engagement Platform「Outreach」のシーケンスという機能を紹介します。
「Outreach」って何?という方は以下をご参考にしてください。
「Outreach」シーケンス機能とは
「Outreach」シーケンスは、一言でいうとメールやコールといったリードに対するアプローチステップをあらかじめ自動設定できる機能です。
例えば、1度目のメールを送信した2日後にリマインドメールを自動送信したり、フォローコールやLinkedInでつながり申請をするためのToDoを翌日の日付で自動で設定することができます。
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ちなみにシーケンスとは、あらかじめ決められた順序で処理を行うことを意味する語句のようです。
シーケンス
おもに制御の分野で用いられる。シーケンス制御、シーケンシャル制御とも。順番通りに処理を行うだけでなく、必要に応じて条件による分岐も設定可能なので、複雑な動作をプログラミングできる。JIS規格ではシーケンス制御をあらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御と定めている。
「Outreach」シーケンス機能でできること
「Outreach」シーケンスで管理できるTaskは以下の4つです。処理されたコールやメールなどのTaskは自動的に顧客管理システム(SFA)の「Salesforce」に同期されるため、簡単に活動履歴を蓄積、定量的にパフォーマンスを振り返ることができます。
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メール(自動)
特定のメールを自動で送信する設定ができます。○日、☓時間、△分後という単位で送信タイミングを指定できます。
メール(手動)
手動でメールを送るためのTaskが設定されます。あらかじめ設定したメールを自由に編集、カスタマイズしたあとに送信ボタンを押すことでメールが配信されます。
コール
コールをするためのTaskが設定されます。コール後に、コネクトや未コネクトなどのステータスを更新、コールメモを記載して活動を登録すると自動で「Salesforce」に同期されます。
「Outtreach」の管理画面上からの操作で、LinkedInでのプロフィール閲覧、つながり申請、メッセージ送信ができます。
その他のタスク
手紙の郵送、zoominfoからコンタクト情報を検索、LinkedIn以外でのSNSによるメッセージ送信など、上記以外の手動タスクを設定できます。
シーケンスの具体的な流れとコンテンツ内容は以下のnoteに書いてますのでよろしければ、ご参考にしてください。
「Outreach」シーケンス機能の4つの価値
上記の機能がどのようにインサイドセールスの活動のなかで価値を発揮するかについて、実体験をベースに解説します。
前述したように、9時〜18時のコアタイムのなかで、いかにインサイドセールスの工数を成果が出る活動に集中させることができるかが生産性向上の鍵となります。
「Outreach」シーケンスは、あらゆるチャネルにおけるインサイドセールスの活動プロセス全体を管理することができるため、インサイドセールスが迷うことなく、パフォーマンスを最大化するための活動に集中できることが最大の価値だと感じてます。
シーケンス機能の価値①|初回アプローチ後のフォローを徹底、放置顧客をゼロにした長期的な関係構築
初回のメール送ってからのフォロー活動が自動で設定されます。
例えば、メールの返信がない場合、2営業日後にリマインドメールを自動で送信したり、メール送信した1分後にフォローコールのTaskが「Outreach」上に自動で表示されるため、抜け漏れなくタスクを実施することができます。
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また、メールの開封やクリックを「Outreach」のTask管理画面で確認ができ、優先順位をつけながら顧客をフォローできることも便利です。
1度だけのアプローチではなく、2回、3回とアプローチを繰り返すなかで返信率、アポ率が2倍以上なったことが多々ありました。
シーケンス機能の価値②|誰に対して、何を伝えるかのコミュニケーションを自動化・最適化できる
シーケンスは各インサイドセールスが自由に作成することができ、かつ作成の上限数がないため、業界や顧客状況(Ex. 資料請求した、セミナー参加した、Marketing Qualified Leadになった etc)、利用しているツールなど、さまざまな切り口で30種類以上のシーケンスを用意しています。
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Gmail上からテンプレートを呼び出しメールを送るタイミングで、シーケンスの設定が行えるため、顧客に最適化された後追いメールを自動で送信、またコールする際のトークもメール内容や顧客属性に合わせて最適化できます。
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シーケンス機能の価値③|オペレーション工数を大幅に削減、ノーストレスで業務に取り組める
「Outreach」は「Salesforce」と相互連携することができるため、「Salesforce」管理画面上で手動でToDoを設定、処理登録する手間がなくなり、ノーストレスで自分自身の行動管理ができます。
以前は、18時以降のコアタイム以外の時間で翌日にアプローチするためのToDo設定をリード1つ1つにしており、30分〜1時間程の時間がかかっていましたが、その業務がまるっと削減された状態です。これだけでも月20営業日換算で、最大20時間は工数削減されてます。
また、LinkedInと連携するためLinkedInの管理画面にいかなくともコネクト申請やメッセージ送信ができることもオペレーションがやりやすいポイントです。
シーケンス機能の価値④|ベストプラクティスをチームに共有しやすく、PDCA基盤をつくりやすい
テンプレート機能と同様に、シーケンスはチーム内で共有することができます。各シーケンスごとの開封率、クリック率、返信率を確認することができるため、効果の高いシーケンスをチーム共通で利用することで、チーム全体のパフォーマンスを向上させることに繋がります。
前述した通り、業界や顧客状況に合わせてさまざまなシーケンスを作成していますが、作りっぱなしの放置にはならず、定量的なデータに基づいた効果検証やコンテンツの更新を定期的に実施できています。
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例えば、新人営業や未経験の方でもシーケンス通りの顧客フォローを行うことで、コネクト率やアポ率を劇的に高めることができますし、新入社員の早期立ち上がりやナレッジシェアがしやすい環境になりました。
シーケンス機能を効果的に活用するためのポイント
シーケンスを活用するなかで、より効果的な使い方をするためのポイントがいくつかあります。
初回テンプレートに合わせたシーケンス作成
初回に送信するメール(テンプレート)によって2回目以降のメール内容やコール内容を変更する必要があるため、初回の送信内容に合わせてシーケンスを作成すると、最適化と自動化を両立したアプローチがしやすいです。
事故防止のセーフティ設定
自動でフォローメールが送信されるのは便利だけど、土日や深夜には送りたくない、返信や電話が繋がったときはシーケンスは停止したい、といったことを希望する人も多いかと思います。
「Outreach」では営業時間の設定ができるため、例えば1日後にメールを送信するシーケンスを金曜日に設定した場合でも、翌日の土曜日ではなく月曜日の営業開始時間に送信される設定にできます。
また、同じシーケンスの実行は一度きり、1週間以内にメール送信した顧客には送らないなど、さまざまなセーフティ設定が可能です。
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自動で直近のセミナーを案内
シーケンス内のメールは、テンプレートですでに作成されているメールとリンクさせることができます。
つまり、リンク先のテンプレートを修正するとシーケンス内のメールも自動で修正されるため、1つのセミナー案内メールを更新するだけで、すべてのシーケンス内のセミナー案内メールを最新のものに更新することができます。
この機能により、手間なくすべてのシーケンスに直近セミナー案内のメールを差し込むことができ、古い日付のセミナー案内メールが配信されるなどのミスを防ぐことができます。
Gmail上で設定されたシーケンスの確認、ON/OFF設定
Gmailと連携することで、どのシーケンスが設定されているか、次のステップは何日後に実行されるかをGmailの管理画面から確認できます。また、設定後にシーケンスの処理を止めたい場合でも、Gmailの管理画面上からボタン1つでシーケンスを停止させることもできます。
例えば、同じ会社の複数リードにアプローチ、そのうちの一人から返信があった場合には、他のリードに設定しているシーケンスをGmail上から簡単に停止できます。
マーケティングオートメーションとの違い
シーケンスについて他社のインサイドセールスの方と話をしていると、よく「マーケティングオートメーションとの使い分けはどうやっているか?」という質問を受けます。
いまの会社では、マーケティングオートメーションとして「Marketo Engage」を利用しており、「Outreach」のシーケンスと併用しています。
利用用途は明確に異っており、「Marketo Engage」はマス向けに育成するためのメール、「Outreach」はラストワンマイルでアポを獲得するメール、という違いです。
Marketo Engage:リード獲得〜収益創出までのレベニュープロセス全体のマネジメント、主にスコアリングによるアラート設定やDrip Program(育成メール)、ウェビナー施策の管理で利用
「Outreach」:インサイドセールス〜カスタマーサクセスにおけるコミュニケーションの自動化と最適化。マーケティングチームが新規で獲得したリードやHOTになったリードに対して、顧客リアクションを促すために利用
ナーチャリングはマーケティングチーム(MA)、MQL(ホットリード)以上はインサイドセールスチーム(Outreach)など担当オーナーを分担できていれば、自動でメール送信するシステムを棲み分けすることができます。
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出典)「シーケンス評価方法とマーケティングとインサイドセールスを紡ぐOutreachトリガー型シナリオ」より
「Outreach」シーケンス機能で実現した成果
シンプルに1日の活動に使う時間が半分になりました。午前中でコールとメール含めた活動件数が100件を超えることもあります。
活動量が2倍になり活動に使う時間が半分になったため、インサイドセールス一人あたりの生産性は4倍になってます。活動量が増えると返信率や開封率が落ちていないか不安になりましたが、以前の水準を維持したまま量を増やすことができています。
活動量を極端に増やすと開封率や返信率などの活動効率が下がってしまうことが世の中の傾向としてはあるかと思いますが、画一的な内容ではなく顧客一人ひとりにパーソナライズされた内容でアプローチできれば、顧客の心象を損ねることなく良い反応が得られると分かったことも大きな成果です。
本記事のまとめ
シーケンスを使い始めたのは「Outreach」を活用して3ヶ月目くらいでしたが、もっと早く使うべきだったと本当に思います。
インサイドセールスが迷うことなく"いま"やるべきことに集中できますし、迷う時間が減った分、誰に対して何を伝えるべきかの戦術を考えることに時間を使えるようになりました。
「Outreach」シーケンスにより1日の時間配分を劇的に変えることができ、よりクリエイティブなチームに進化するための基盤になるツールだと思います。
その他、Outreachに関連したnoteも以下に掲載いたします。
*募集*
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Oureach(アウトリーチ)入門ガイド
Outreach入門ガイドを作成しました。記事には書いていない内容を含めて、体系的にOutreachの機能やユースケースの詳細を整理してます。ご関心ある方は以下より資料をダウンロードください。
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皆さんからいただいた本記事の感想
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そろそろ試したい。
— 鎌倉 翔|スキルノートで、計画的な育成と適材適所を実現 (@Sho_Kamakura) December 2, 2021
インサイドセールスをよりクリエイティブな組織に昇華させた「Outreach」シーケンス。半分の時間で2倍のアウトプットを実現できたワケ|やまなし/外資系SaaS企業の日本法人立ち上げ @device0462 #note https://t.co/x60y1EEp5d
Outreach、インサイドセールスのMUSTツールになりそう。メモメモ✍️
— 志村裕司 / Hiroshi Shimura (@hiro_shimu) November 24, 2021
インサイドセールスをよりクリエイティブな組織に昇華させた「Outreach」シーケンス。半分の時間で2倍のアウトプットを実現できたワケ|やまなし/外資系SaaS企業の日本法人立ち上げ @device0462 #note https://t.co/bG9aoWJf2E
Outreachの詳細についてはこちらのnoteが非常にわかりやすいです。https://t.co/igoTImUsoz
— 浜田 英揮|インサイドセールスをアップデートしたいSaaS企業の代表 (@hamahi) March 9, 2023
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