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天国の五人
装丁に書かれた原題「あなたが死んでから、天国で出会う五人」に惹かれて図書館で借りた。
この小説を(正当に)読み進めるためには、ピュアな心が要求される。章題の幾つかは、説教じみて、押しつけがましい。拒否反応を起こす読者がいるかもしれない。でも、文体は私の趣味に合っている。さすが Mitch Albom先生は全米No.1のスポーツコラムニストだ。
「天国」とは、紛れもなく、生きている人間の苦痛を和らげるために、人間が創造した概念。世界のあらゆる地域で、この概念は生まれた。人間の想像力の素晴らしさよ。しかしながら、時にそれは宗教対立というアイロニーを生む。
主人公エディは、自分が生きてきた意義を伝える(決して、諭すではない)五人に出会う。しかしながら、彼が五人と出会うのは、生きている時ではなく、死んでからだ……。何故、五人はエディが死んでから彼の前に現れたのか? 深く考えさせられる。
この小説はアメリカのABCでテレビドラマ化されたらしい。主人公エディを名優ジョン・ヴォイトが演じている。機会があれば是非観たい。
最後に、使い古された陳腐な言葉だが、「平凡で無意味な人生はひとつもない」人生の節々で、この言葉を思い出そう。