もののふ散歩〜京都の寺アートを訪ねて〜
こんばんは、もののふです♪
今宵はもののふの自由気ままな散歩を紹介していきたいと思います。
今回皆さんに紹介するのは、京都市山科区にある随心院です。
随心院は、今やSNSで話題の寺アートのお寺なのです。
山科区には、昔から小野という地域がありますが、それは飛鳥時代から平安時代にかけて活躍した小野一族が、平安時代に拠点としていたとされるからです。そのため飛鳥時代の遣隋使の小野妹子も小野一族です。
絶世の美女だったとされている小野小町は、多くの男性から恋文が寄せられていたと伝えられていますが、なんとここには1000通もの恋文が埋められており、お祈りすると想いが叶うと言われています。
ここで小野小町の有名な歌を。
小倉百人一首第九番
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
現代語訳
桜の花は虚しく色あせてしまった。春の長雨が降っていた間に。ー私の容姿もすっかり衰えてしまった。生きていることのもの思いをしていた間に。
随心院の中でも特に注目度が高いのは、能の間にある「極彩色梅匂小町絵図(ごくさいしきうめいろこまちえず)」の襖絵ではないでしょうか。
この襖絵は、2人組の絵描きユニット・だるま商店により2009年に制作・奉納されました。
襖絵は、彩り豊かで、かつ、華やかで鮮やかです。フォトジェニックな襖絵としてSNSで人気が高まるのもわかります。
「極彩色梅匂小町絵図」には、小野小町が生まれてからその生涯を終えるまでが、逸話や神話を交えながら表現されています。
4面からなる襖絵は、小野小町の一生を表されていて、左から
「生誕の図」は、小野小町が生まれたとされる秋田県での生活の様子が描かれています。
「饗宴の図」は、京都の御所で宮仕えをする様子が描かれています。
「伝承の図」は、宮仕えを辞めて、随心院で過ごす様子が描かれています。
「夢幻の図」は、全国を放浪する様子が描かれています。
一般に「絶世の美女」として知られる小野小町には、皆さんのイメージの中にも華やかなイメージがつきまといますが、晩年は見る影もないほど老衰した姿となり、寂しく過ごしたともいわれています。
随心院は、観光客の姿も少ないので、時間をかけてゆっくり堂内を歩けます。まさに穴場です。
アクセスは地下鉄の小野駅から徒歩5分なのでアクセスは良いです。
極彩色の幻想的な襖絵と伝統美に会いに、いつもと違った京都の散歩を楽しんでみませんか。