【エッセイ】こういうキャラをつくりたい!三選
こんばんは。中山翼飛です。
漫画や小説を読んだりアニメやドラマを観たりしていると、魅力的なキャラクターに出会うことがあります。
そういうときには創作をやっている人間の端くれとして、「うわ、こいつすごくいいキャラしてるなぁ。俺が思いついたことにならねえかなぁ」と感嘆の念を抱くのですが、今回はそんなキャラを三人ご紹介したいと思います。
なお、『呪術廻戦』渋谷事変以降のネタバレを含みますので、アニメ勢の方はご注意ください。
では、参ります。
『呪術廻戦』禪院直哉
一人目は、『呪術廻戦』に登場する禪院直哉です。
このキャラクターを一言で表現するならドブカスです。『クズ』や『男尊女卑の擬人化』と言い換えてもいいでしょう。
こいつは名家のお坊っちゃまなんですがとにかく人格が終わってるキャラで、当主になるために従甥(従兄弟の息子)を殺そうとしたり親戚の女子高生(正確には高専生ですが)を犯してみたりとやりたい放題です。
そのくせ強さに対してはひた向きなので、鍛練を怠らずに高みを目指そうとします。
擁護しようの無いクソ野郎のくせして、ストイックな部分もあるというギャップ。そしてあまりにもスカッとする散り様。
突き抜けた悪党はやはり魅力的なのでしょう。彼は作品内キャラの人気投票で6位になったこともあります。
胸糞悪い行動と腹立たしい発言を的確にする禪院直哉。
こういうキャラは私では思いつくことができないので、彼に出会ったときは衝撃的でした。
ただ、直哉みたいなドブカスを描けるからといって原作者の芥見先生が悪人かというと······わりとあり得そうですね(『呪術廻戦』本編を読みながら)。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドンモモタロウ
二人目は、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の主役・ドンモモタロウです。
ドンモモタロウは目が合っただけで「これで縁ができたな」と言いがかりをつけ、その相手に何か困り事があったらそれを手伝ってくれるというキャラです。
そして戦闘力が非常に高く、敵幹部三人を一人で相手にするほどの力があります。
しかし、戦闘狂な一面もあり、敵を撃破して一安心していた仲間達を『特訓』と称していきなり襲撃します。
さらに、敵の能力を攻略して追い詰めたときには、「懲罰懲罰懲罰懲罰!」とおよそニチアサの主人公が発するとは思えない単語を連呼しながらボッコボコに殴ります。
ここまではちょっとクセのあるヒーローというだけなんですが、ドンモモは嘘がつけず卑怯なこともできないため、不意打ちに弱いという弱点があります。
なんだ、戦闘狂とか言っときながら正直者で好青年ぢゃないか。
そう思った方もいらっしゃるでしょう。
確かにそうなんですが、ドンモモの『嘘がつけない』というのは『嘘をついたら死ぬ』ということです。
は?何を言ってるんだこいつは。
そう言いたい気持ちはわかります。
ですが彼は、作中で実際に嘘をついて心停止してしまったことがあります。
しかも、ドンモモには異世界の王家の末裔という設定まであります。
濃いって。一人に詰め込む情報量ぢゃないって。
ですが恐ろしいことに、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』という作品は、盗作の疑いをかけられた女子高生漫画家だったりお金に触れると火傷してしまう風流人だったり何の説明も無く喫茶店のマスターになっている前作主人公だったりと、ドンモモ以外のメンバーも濃厚です。
凄まじいキャラ達を一つの作品に詰め込めるなんて、流石は井上敏樹大先生ですね。
『キングダム』王騎
三人目は、『キングダム』に登場する王騎将軍です。実写版では肉体改造をした大沢たかおさんが演じたことでも話題になりましたね。
王騎将軍は強いです。超強い。めちゃくちゃ強い。
中国の戦国時代を描く『キングダム』において王騎将軍は秦軍の総大将なんですが、彼は智略にも武力にも長けていてカリスマ性があって敵の強さを認める器の大きさも備えています。
さらに、試練を与えて主人公の成長を促すという師匠ポジションをこなすだけでなく、一度は引退したものの自分の婚約者を殺した相手を倒すために戦場に舞い戻ってきた、という独自のバックボーンもあります。
そんな王騎将軍ですが、常に丁寧語で喋ります。部下に対しても敵に対しても丁寧語。強者感が半端ないです。
さらに笑い方のクセがすごくて、「ンッフッフッフ」とか「ココココ」とかいう感じで笑います。
そしてかなりユーモアもあり、側近の小ボケにツッコミをいれたり自らボケてみせたりもします。
ややもすればネタキャラになりかねないんですが、必要とあらば自ら先陣を切って敵をぶっ飛ばしていく頼もしさがあるので、面白さとかっこよさを併せもった素晴らしいキャラとなっています。
しかも、退場シーンも感動的なくせに、退場後も作中の多くのキャラに影響を与え続けています。
王騎将軍が退場したことによって敵のこれまためちゃ強い大将が軍を率いたり、主人公の行動指針の根幹を成したりします。
これだけ完成されたキャラを生み出した原先生、すごいです。
終わりに
ここまで、私が「これぐらい濃いキャラをつくりたい!」と憧れるキャラをご紹介してきました。
フィクションを書く方も書かない方も、それぞれにお気に入りのキャラがいることと思います。
誰かに愛されるキャラクターを生み出せるクリエイターの方も、あなたが愛してくれていることを喜んでいるでしょう。
あなたの作品も、誰かに愛されますように。
最後まで読んでくださりありがとうございました。また何かの作品を通じてお会いしましょう。