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定年制廃止が日本を救う

今日のおすすめの一冊は、出口治明氏の『日本の伸びしろ』(文藝春秋)その中から「選挙とは」という題でブログを書きました。

本書の中に「定年制廃止が日本を救う」という心に響く一文がありました。

人口減少が進む状況では、貴重な存在である若者に、高齢者の暮らしを負担させるわけにはいきません。まだまだ元気な六〇代がリタイアし、現役世代に肩車されて二〇年以上も生きつづけるのはおかしな話です。

労働人口の不足は、まず定年制を廃止することで補うべきでしょう。男女を問わず、みんな“年齢フリー”で働くということです。

定年制はもともと、新卒一括採用、終身雇用、年功序列のなかで誕生したしくみです。定年制を廃止するには、一括採用や年功序列も同時になくすのが簡単です。通年採用が当たり前になれば、転職が増えて人材の流動化が進みます。

そうなれば、会社が従業員を解雇しやすくなる法律も整備されるでしょう。ミスマッチで就職したまま、三〇年も四〇年も働きつづけるのは、会社も従業員もお互いに不幸です。

定年退職という形で、まだ働ける人から強制的に仕事を取り上げるのはもったいないことです。僕の同級生たちはほとんど年金生活に入っていますが、大学の聴講生になって勉強するなど精力的に活動しています。

人間という動物は社会的な触れ合いが大切で、働いているほうが認知症が進みにくいという医師の話はよく聞きます。定年退職で家に引きこもってしまうのは、認知症のリスクを高めるということです。

年齢フリーで働きたい人は、いつまでも働ける。そういう社会を世界に示すことが、超高齢社会にいち早く到達した日本の使命です。

それに、年功序列が撤廃されたら、年齢と関係なく評価される実力主義になるということです。これは若者のほうもやる気がわき、実力があればどんどんキャリアアップできる社会になります。意欲、体力、能力で評価される究極の実力主義社会が誕生するかもしれません。もちろん、賃金は年功序列型から同一労働同一賃金制に移行します。 

仮に定年制を認めるとしても、「七五歳以下の定年設定は無効」というシンプルな法律がいいでしょう。 定年制がなくなれば、七〇代八〇代になっても元気に働いて所得税を払い、社会保険料を払う人たちが出てきます。

そうなれば、給付のほうは、病気で働けないなど本当に困っている人に集中させることができます。税金の中心は、全国民からお金を集める消費税に切り替えたほうが公平かもしれません。 そのためにはマイナンバーを整備し、所得を把握することも求められます。

高齢社会では、消費税とマイナンバーが社会のインフラになります。 このような考え方に切り替えると、若者と高齢者の比率は問題になりません。サポートする側も、される側も全年齢が対象です。年齢で区切らないのが「年齢フリー」であり、 「オール・サポーティング・オール」の社会です。

田中真澄氏は「人生、勝負は後半にあり!」といいます。平均寿命が伸びた今は「人生は65歳からが勝負」という考え方が必要だともいいます。

それはつまり、生涯現役を目指すことです。そのためには、いくつになっても、勉強が必要です。常に新しい知識を身につけ、65歳を過ぎても自分の能力を磨き続けることです。

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