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勉強はしてもいいし、しなくてもいい

★掛け算九九★
子供たちが小学生の時、こんな宿題があった。
「一日一回、九九の練習(一の段から九の段まで)をしておうちの方に聞いてもらったら、色を塗って絵を完成させましょう。月末に提出してもらいます」
絵は、木にリンゴがなっていたり、花が咲いていたり。そして、1~30くらいの数字が書いてある。塗り絵の要素もある宿題。
長女は真面目なので、毎日、一生懸命、九九の練習をした。そして、色鉛筆で綺麗に色を塗る。しかし、やっぱり、気が乗らない日もある。面倒くさい。なんとなくやる気が出ない。そんな時でも、長女は泣きながら九九の練習をして、色を塗るのだ。
ある日、泣きながら練習する長女に、私は「いつも頑張っているから、今日は、練習したことにして、色だけ塗りなさない」と言った。
親がズルを教えるのもどうかと思うが、いつもキチンとしているのだから、たまには良いのではないかと思ったのだ。
しかし、長女は「いや、ちゃんと練習せんと色を塗ったらいけんっち、先生が言いよったけ、練習する」と言い、涙をぬぐい、背すじを伸ばし、大きな声で九九の練習をした。苦手な七の段もちゃんと言えた。
一カ月後、綺麗な塗り絵の完成と一緒に、九九もマスターした長女だった。
それから、二年後、次女にも同じような宿題が出た。冷蔵庫の横に塗り絵を貼ったまでは、長女と一緒だったが、一向に練習をしない次女。
次女に、「九九の練習はしないの?」と問うと、「うん」「面倒くさいけん、せん」と言う返事。
「宿題だから、面倒くさくてもせんといけんし、毎日サボって、最後の日に色だけ塗るなんて、ママは許しませんよ」と言った。
次女は、へっちゃらな顔で「色とか塗らんよ。そのまま持っていくよ」と答えた。そして、「だって、毎日九九の練習とか嫌やけ。毎日嫌な思いをするくらいなら、白紙で出して、先生に怒られた方がいいけ。怒られて、嫌な思いをするのは一回で済むやん!」と、ドヤ顔で言った。
夫はそれを聞いて大爆笑。「よし! じゃあ、ちゃんと先生に怒られて来い!」
もちろん、一カ月後、何も塗れていない塗り絵と、全く覚えられなかった掛け算のまま、次女は先生に注意されることとなった。
翌年の長男は、適当に練習し、適当に色を塗って、要領よくこなした。
宿題に対する考え方も三者三様で面白い。
真面目に頑張るのも良し! 正直なのも良し! 適当なのも良し! 

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