【詩作品】アランフェス〜アランフェス協奏曲へのオマージュ〜
友よ
あなたの最期の叫びが
アランフェスの壁に染み込み
未だに消えない
その刹那、あなたの胸によぎったのは
何だったのだろうか
友よ
今年もバラが土に根を張り
友の血を、声を、吸い上げる
痛みの痕跡を辿り、城壁を赤く染める
友よ
頭を垂れ、祈りを捧げる
我々のレクイエムが聴こえるだろうか
重ねた月日を遡り、心はいつもあなたと共にある
目を閉じれば、この地に眠る魂の震えが
胸の奥に響いてゆく
嗚呼、友よ
花びらが血の涙となって、水面に浮かぶ
我々は決して忘れはしない
忍び泣く五月の風に誓いを立てて
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ホアキン・ロドリーゴが、スペイン内戦で傷ついたアランフェスを思い、作曲したアランフェス協奏曲。
この曲から想起し、当時闘った戦士たちに想いを馳せて、オマージュ詩として創作しました。
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