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学生時代にドッグイヤーした短歌、エモいし深かった。
英語を(真面目に)勉強するために、大学のゼミではアメリカ詩を選んだものの、
詩の世界をまったく知らん。
ということで、日本には、短歌と俳句という詩があるので、アメリカ詩と並行して、勉強すべくそれらの本を読んでいた私。
で、多くの作品に触れたほうがすぐにそのジャンルの概要的なものがわかるだろうと思い、さまざまなアンソロジーを手にするわけです。
学生時代、手にしたアンソロジーのうちのひとつは、こちら。
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俵万智さんの『あなたと読む恋の歌百首』(朝日文庫)。
で、気に入った短歌のページには、ドッグイヤーをしていたようです、学生時代の私は。エビデンスは、こちら。
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いっぱいドッグイヤーしてるね。やけに下のほうまで折ってるのもあるね。
ということで、学生時代にこのアンソロジーのなかでドッグイヤーをした(気に入っていた)短歌の一部を、紹介してみようと思います。
私の若い頃の脳内(感性、価値観、思い出)を開示する試みです。
やけにエモい、もしくはややエロい、あるいは深い短歌たち。
①
いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり
浅井和代
ひとりだと、結婚もできるし恋人も作れる。ひとりの状態には、未来がある。
が、相方との離別や死別は避けられない。結局ひとりぼっち。
みたいな意味でしょうか。
希望≒絶望を、ひらがなでリズミカルに伝えている。すごい。
学生時代、一人暮らしとかして孤独な状態を肯定しだして、この短歌が心に響いたのかもしれん。
いや、恋人ほしいのにできなくて、でも自己否定したくないから、なにかを悟った感がほしくて、この短歌が気に入ったのかも。
②
月面に脚が降り立つそのときもわれらは愛し愛されたきを
村木道彦
月に行っても、人を愛し、人から愛されたい。地球外や異世界でも、恋愛は尊いものさ。みたいな意味でしょうか。
月はロマンチックなものだから、恋愛短歌との相性がよいですね。
といいつつも、かつてよりも、月はロマンチックではないような気がする。
宇宙旅行、宇宙開発…のような話をかつてよりも見聞きするようになると、地球外がなんだか身近になり、月のロマンチックさが薄れてしまう。
いや。
まだまだ月はロマンチックだな。
夜空に浮かぶ月は、美しいぜ。
フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン。
③
唇をよせて言葉を放てどもわたしとあなたはわたしとあなた
阿木津 英
どんなに愛する人がいても、私は私でしかなく、愛するあなたは他人。一体にはなれん。
この歌も、①のように、ひとは結局ひとりぼっちだよねって伝えてるのだろうか。ほかにも意味がとれそうだが。
恋愛も性愛も無駄な営みなのかもしれない。もしくは、恋愛や性愛を通じてしかわからない世界の真実がある。
そんな風な意味があるようにも思いました。
孤独を愛し、世界を疑いはじめた私の学生時代だからこそ、この首に心奪われた気もする。
***
ほかにも、ドッグイヤー短歌めっちゃあったけど、多すぎたので、3首にとどめました。
昔読んだ本✖️ドッグイヤーの紹介、楽しかったです。
紹介した短歌から読み取れる学生時代の私は、孤独を愛するロマンチストだったようです。
上京と一人暮らしによって、環境のダイナミックな変化によって、そうなったような気がするな。。
今も、まあまあ。
(了)