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素人になってプロを感じる
しばらくはエッセイ中心に書いていこうと始めたこのnote。投稿数も15を越えたが一向に文章が面白くならない。たった15ぽっちの短文で文章力どうのこうのと嘆くには100万年早いのだが、とは言えせっかちな性質ゆえ、ただ自然と向上するのを待つという気にもなれず、はてプロはどういう文章を書くのだろうと、試しにkindleで浅田次郎さんとさくらももこさんのエッセイを2冊購入し、コーヒーとともに味わうことにした。
いわゆる参考書のつもりで読み始めてみたのだが、面白すぎて、今すぐ自分のnoteを消したくなる衝動にかられる。大海原を優雅に泳ぐウミガメと水たまりのボウフラごとき自分を比較してしまうのも大変失礼なことであるが、そういうものだ。
とかくまだ両冊とも3エピソードしか読んでないのだが、読みつつ書かないと生物(なまもの)である感想を傷めてしまいそうなのであわててnoteを取り出す。
まず浅田次郎さん(『つばさよつばさ』)ものすごい文化人。いやまあ常識だろう、と聞こえてきそうだが、許してください。知らない方でした。反省してます。台北の土産屋のエピソードでは桶の要素の名称がどんどん出てくるし、愛用のパナマ帽のボルサリーノが一張羅と同じ値段なのに天然モノでこしらえてあるからすぐダメになる、などは普段から使ってないと表現できない。もちろん事前あるいは事後取材でいくらでも固有名詞を並べられそうであるが、それでもかすかでも知ってないと自分の好奇心に引っかからないものなので、ただただ知見の広さと深さにため息が洩れる。
ザ・ベスト・オブ・エッセイ&エッセイストである『さくらももこさんのもものかんづめ』は、冒頭数ページ読むやいなや、「読まずに死ななくてよかったー」との大声を、出したかったのであるが、大学の、しかも外国の食堂であったため、コーヒーとともに飲み込んだ。ところがさくらももこさんはひどい。そんなぼくのことなんか一考だにせず、一方的に笑かしてくる。平易な文章であるのに、ユーモアというか、雰囲気というか、比喩というか、あの『ちびまる子ちゃん』がぼくの脳内を勝手に自由に動き回る。去年亡くなられたのであるが、どうして生前にファンレターを書かなかったのか、とちょっぴり悔やしい。ちなみに、現在静岡市で『ありがとうの会』をやっているそう。
とは言え、noteをやってみて、底辺線の中の下のピクセルだけれども同じもの書きになって、どうやったらうまくなるのだろう、と自分クイズ(前回記事をご覧に)を持ってみて、初めてプロの凄さを感じれるようになったので、スタートラインにすら立っていなかった彼女の生前に、彼女の作品を読んでいたとしても、今と同じ気持ちにはなってないだろうから、やっぱり何かをはじめてみるっていいもんだ。
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![小さなテーブルに花束を/神長広樹](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19651837/profile_e8fd9ffbca3555c517b1b2d767e02633.jpg?width=600&crop=1:1,smart)