リファラル不要!100日のスカウトで2名採用。ビジネス映像メディア「PIVOT」の方法とは?
ビジネス映像メディア「PIVOT」でプロダクトマネージャーをしている
はち(@PassionateHachi)です。
実は、Youtubeチャンネルで注目いただいているPIVOTですが、自社プロダクトもあります。
これらは外部のパートナーさんと開発していますが、2022年10月の私のジョインから、プロダクト組織の立ち上げ、採用活動を進めてきました。
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ちょうど100日経過した 2023年2月、オープンしていたUIUXデザイナー、Software Engineer共に、内定承諾をいただいたので、その過程をこのnoteで書いていこうと思います。
序論:採用に悩むスタートアップの現状
この記事を読んでいただいている方々には、釈迦に説法かもしれませんが、スタートアップにおけるエンジニア採用の現状は以下のような状態です。
参考:
このような状況下だと変わらず、"作りたいもの < エンジニアの数"という状態が継続しているのが現状です。
その採用方法は大まかに分けて5つ、あります。
いずれの採用方法も一長一短、向き不向きがあり、その企業の大事にしたいことや担当者に合った方法を選ぶことが成果に直結するか否かを左右します。
その中で私たちはスキルや雇用形態以上に、カルチャーにマッチする方とお仕事をしたいという思いから、「スカウト採用」を主軸に置くことを選択しました。
※ ちなみに、弊社のカルチャーが生まれた背景はこちらから
リファラル採用に頼らないスカウト採用のメリット
スタートアップの採用といえば、「リファラル採用」や「エージェント採用」も一般的ですが、これらも試してみた結果、私自身は以下のような結論に至りました。
その結果、スカウト採用に踏み切ったわけですが、その理由としては、「私自身が一緒に働きたい人に直接声をかけられること」でした。
その結果、採用までに至った数字は以下の通りです。
決して全体で高い数字では、ありませんが、ピックアップの段階からかなり厳選させていただいていることもあり、こちらから「会いたい」と思った方に対しては高確率で良い印象を持っていただいていることがわかります。
スタートアップPIVOTの人材採用戦略の概要
1.スカウト成功のためのポイント。採用ニーズの明確化とターゲットの絞り込み
まずはこの4ヶ月で行った内容を整理すると下記のようなイメージです。
それでは、これらを一つずつ見ていきます。
まずは、組織のビジョンを言語化し、人員計画 / 予算計画に落とし込み、ポジションをオープンしました。
ここまでが私自身の入社2週間以内に行ったことです。
そこで定義したビジョンがこちらです。
「日本をPIVOT」するという企業のミッションから組織のミッションに落とし込んだ時に、それをドライブするプロダクトチームとしての役割は何かを定義することで「我々はなぜここにいるのか」が明確になりました。
続いて、組織の人員計画については、以下のようなイメージを社内で共有しました。
これまで、スタートアップの成長には、急拡大するエンジニア組織がつきもので、今の国内メガベンチャーの多くは、メンバーの半分かそれ以上がプロダクト開発のチームという形も少なくありません。
ただ、私は昨今の小規模上場や米国ビックテック企業の組織再編、その影響を受けた資金調達市場の様子から、これまでと同じ戦略で組織を作る事に対する一定のリスクを感じています。(事業のスケールを考えるとここに異論を発する方も多いと思います)
また、私たちのビジネスの特性上、SaaS事業のような主役がプロダクトであるものと性質が異なり、「コンテンツ x プロダクト」という両輪を回すことが事業のエンジンになると考えると、必ずしも非連続なスケールがプロダクト組織に必要ではないのではないかと思っています。
一方で、現状のような外部パートナーさんに頼りっきりの構造だと、世の中の進化や変化に対応する「質とスピード」に一定の低下が見られてしまうのではないかという懸念もあり、以下のようなチームを組成することを目指すこととしました。
そのため、全方位的な基礎知識がありつつも武器を持った数人がBuilding Blockのように組み合わせることで強い組織となる形を目指すことを考えました。
その後、採用広報の観点でも戦略をたて、スカウトに進んでいきます。
(採用広報に関しては、戦略そのもの かつ PIVOTならではで再現性がない部分もあると思うので割愛します。気になる方は個人的にDMしていただけたらお話ししちゃうかもしれません!)
2.採用担当者の能力向上
さて、いよいよスカウト〜面接の準備です。
ここで意識したのが「セミオーダーのスカウト文」と「毎日しっかり時間をかけること」です。
そう考えると、現状のPIVOTのフェーズにおいては、採用担当者を複数に増やすこと以上に、安定した質を担保することを大事にし、スカウト、カジュアル面談、1次面接は全て私自身が行いました。
そして、2次面接以降に登場するメンバーに関しては、直前に30分以上の申し送りのミーティングを設定し、以下を伝えました。
3.候補者のアプローチ方法と面接プロセス
さて、いよいよ、スカウト活動のお話ですが、意識したのは、「毎日のルーティーン化」です。
スカウト活動を日常に取り入れることで、忘れずに行うこともさることながら1日単位で安定してデータが取れるので、返信や面接率に関わる変数が少なくなり、ボラタリティを気にせず、細かなふりかえりとカイゼンができました。
そして、スカウトの内容もしっかり候補者の方を調べて、オーダーメイドで伝える点を中心におきながら、アレンジが不要な自社のご紹介部分は型化することで、想いを伝えるために必要な箇所にかける時間のみを増やす「セミオーダー式」のスカウト文を作ることができました。
以下がその一例です。 (今はだいぶ改良されているので数ver前)
このスカウトに興味を持っていただいた方とは、カジュアル面談となるわけですが、あくまでカジュアル面談なので、PIVOTのことをとにかく好きになってもらえるようにインプットに多くの時間を割いています。
また、カジュアル面談の段階では、ほとんどの方が「今この瞬間に転職を検討している」ということは状況ではないと思っています。
この期待値のズレがあると「カジュアル面談といいつつ、志望動機を聞かれた」といったミスマッチが起こります。
なので、私としては、その方がキャリアをどう考えているのか、将来を見据えてどうありたいのかなどを私の考えも交えてざっくばらんにお話しさせていただいています。
4.決定までのフォローアップ
さて、いざ、選考に進んでいただいた方に関しては、先述の通り、わたしたちが最も意識したいのは「カルチャーマッチ」なので、候補者の方の奥底に眠る「モチベーションの源泉」「使命感」「劣等感」を感じられる質問をします。
この考えに至ったのは、小野 壮彦さんの著書『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』に多くのヒントをいただいています。
まとめ:スカウト採用を成功させるポイントとは
あらためて整理すると、ポイントは以下のように感じます。
これらのポイントを押さえつつ、責任者自らが、採用にコミットすることが重要です。
さらに、候補者の視点に立って心地よい体験が何か。「この時間、お話しできてよかったな」と思える設計を心がけることが、「パズルのように人月をはめるゲーム」からエンジニア採用市場が変わる一つの打ち手になると良いなと思っています。
今後とも、私たちは「日本をPIVOTする」を信念に、質の高いコンテンツをお届けします。ぜひとも、今後ともビジネスメディア「PIVOT」をお楽しみください!
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