行動だけが不安障害を改善する
タイトルにギョッとされた人もいるかと思います。
できれば、行動なしで、症状を改善させたいですよね。
そもそもみなさん、不安や恐怖を感じて行動できないという問題をかかえてますからね。
私は不安障害だったというのもありますし、本当にめんどくさがりで、ズボラなので、ほんとそうでした。
行動しなくて済む、改善法をずっと探してきました。
そのために本は沢山読みました。動画も沢山見ました。でも、結局インプットばかりして、それを実際に試すとか行動するとかは、抵抗感が強かったので、ほとんどやっていませんでした。
仕事はできていたのですが、そういうメンタリティだったので、低空飛行状態で20年があっという間に経ってしまいました。
■結局、改善には何が必要なのか?
今なら分かります。
結局、改善に何が必要か?
行動です。
心理療法には色々な手法があります。
心理療法で最もメジャーである認知行動療法の枠組みの中に、「認知再構成法」という技法があります。これは、行動の前にまず認知を変えよう、それによって自然と行動できる思考を導いていこうというアプローチです。これは「認知」にフォーカスした技法です。
それとは別に、認知行動療法の枠組みの中に、「行動」にフォーカスした技法があります。行動活性化とか、問題解決法などの、まっすぐ行動を目的にした技法です。
クライアントさんの中には、行動したくないものだからそれを回避して、「認知」にフォーカスする「認知再構成法」を選ぶことがあります。そうやって認知をいろいろ機能的に動くよう取り組むわけなんですけど、全体として、全然話が進まない、良くならないことがあるんですね。
結局これは「行動」から逃げるために、「認知」を扱うことを選択しているからです。
そういう人でも、これじゃ進まないので、行動に即した技法を使いましょう、として技法を変えると、改善が進むんです。
そのぐらい、心理療法の分野でも、とにかく最終目的は行動することです。
とはいえ、何でも行動すればいいというものじゃないです。
そもそもみなさん、不安や恐怖を感じて行動できないという問題をかかえてますから。
「行動したら、疲れてしまって数日動けなくなります」と言う方もいらっしゃいます。
いきなりその人にとって高負荷な行動を取ると、そういったリスクがあります。なので、徐々に、休憩も入れながらの導入が必要です。
「行動なしに人が変わる魔法の情報」
というものがあると思いますか?
私がこれまで調べた限りでは、ありませんでした。
「行動すれば人が変わる魔法の情報」
ならありました。もちろん、これには行動が必要です。
斎藤一人さんは、「地球は行動の星」と言われていますね。ビジネスの世界でよく引用される言葉ですが、不安障害やメンタル疾患の世界でも、同様のことが言えるのではないかと最近考えています。
■どんな行動をすればいいか
▶内向きと外向きの比率
内向きの行動と外向きの行動があります。
内向きの行動とはインプットや勉強、あるいはぐるぐる悩んだり内省したりする時間のこと。
外向きの行動とは、外の世界に対して働きかけをする行動です。
この比率を、私はだいたい1:2にするのがいいと考えています。内向きの行動が1、外向きの行動が2ですね。
精神科医の樺沢紫苑先生は、インプットを3,アウトプットを7がいいよ、と言ったりしていますね。
▶自分が一日のうち、どの程度外向きの行動してるかを確認
まず現状認識からはじめましょう。どの程度、内向きの行動と、外向きの行動を取っているかを、メモに書き出してみましょう。
おそらく、あるいは予想通り、「内向きの行動」がかなりを占めるのではないでしょうか?
それでは、次から、じゃあどんな「外向きの行動をすればいいのか?」について書いていきます。
▶1.身体を動かす
もし過緊張気味であれば、リラックス法を試してみましょう。
そのうえで、運動・筋トレで体力を付けるのがおすすめです。運動習慣が身につけば、継続的に運動できていること自体が自信にもなります。
なお、身体を動かすことが、不安障害の悪化につながるかというと、つながらないですよね。なので、安心して取り組める分野だと思います。
▶2.姿勢を良くする
うつむいた姿勢をしていると、血行が悪くなる・肩こりを誘発する、太陽光の吸収が阻害されるなどの悪影響があります。
姿勢を正し、胸をそらして生活することで、日光吸収しやすくなり、セロトニン・メラトニンの生成を促進します。朝の目覚めと夜の寝つきが良くなります。
なお、姿勢を良くすることが、不安障害の悪化につながるかというと、つながらないですよね。なので、これも安心して取り組める分野だと思います。
▶3.見た目を整える
一日中家にいる場合も、見た目を整えておくことには良い効果があります。
ふと鏡に自分の姿が目に入った時のテンションが、見た目がいい方が良くなります。外に行くのであればなおさらです。
スキンケア・髪型を整える、服装を整えるなど。
あまり、不安障害の改善として見た目を指摘する指導者はいないと思いますが、私はこのポイントは結構大きいと考えています。結局、マイナスをフラットに戻せてメンタルが正常化したとしても、一般の社会では見た目や清潔感などが見られるわけなので、一般社会で通用する習慣を、事前に準備しておく方がいいと考えています。でないと、またぶり返してメンタルがマイナス状態になってしまう危険性が高まります。そういった、予防も大事です。
なお、見た目を整えることが、不安障害の悪化につながるかというと、つながらないですよね。なので、これも安心して取り組める分野だと思います。
▶4.本音・本心で喋る
これは、場合によっては不安障害の悪化につながりそうですね。
でも、人と喋る時に、自分を偽り続けたり、隠し続ける方が、悪化すると思いませんか?
偽り続けて、偽りの自分と親和性の高い友達ができたとしても、それって嬉しいですか? 自分を偽り続けると、本当に仲良くしたい人とつながれる機会も失われそうじゃないですか?
なので、もう本音言っちゃうのがいいと思います。
「本音を言うと嫌われてしまうのが怖い」「全員に好かれなければ」「誰にも嫌われてはならない」という思いこみがあると思います。これらは、あまり現実的な目標ではないですし、そう信じ込む心理は「非合理的ビリーフ」と言われ、あまりよろしくない信じ込みに該当します。
本音で話せる人と繋がれる方が価値が高いです。
例えばかつて通っていた学校・教室のクラスメイトと、全員と仲良くなるのは現実的ではなかったですよね。たまたま電車に乗り合わせただけの30-40人が集められて、「さあ仲良くして」と言われても、「はあ?」ですよね。
本音で少し自己開示してみて、ダメそうならひっこめる、というジャブを打っていくぐらいのスタイルであればそんなに軋轢も出てきません。
少しずつ本音を漏らしていくと、あなたが実は面白い人間だと気付いてくれる人があらわれてくるのではないでしょうか。
▶5.自己開示する、自分の状態を人に喋る
ということで、前項でもう言ってしまった気もしますが、自己開示するということですね。自分の事を聞いてもらいたい欲ってあると思うんです。その欲を満たすことも大事な外向き行動の一つです。ただ、「全部聞いて」は相手を選ぶので、なかなか機会がないかもしれません。
これ、不安障害が悪化するかでいうと、いきなり開示して否定されると、ネガティブになりそうですね。なので徐々にでいきましょう。
会話のなかでちょっとずつ自己開示するというのは、いわゆる普通の会話のキャッチボールです。どの程度が適切かなどは、やってみて覚えるものなので、やはり行動するしかないというのが一つの答えです。
▶6.学んだことを復習・アウトプット・人に教える
インプットしたり学ぶ意欲が強い人は多いと思います。
ただ、1度触れただけの情報って、すぐ忘れてしまいます。
復習しなかったり、アウトプットしなかったりすると、「なんかいいこと知れたな~」ぐらいで永遠に失われてしまうんですね。
これを自分の中にとどめておいて、行動してその果実を得るには、何度もその情報に触れる必要があります。
何かメモしておいて復習もいいですし、匿名でSNSにアウトプットしてもいいですし、仕事で使えるなら仕事中にアウトプットして役立ててられると最高です。
復習やアウトプットが不安障害の悪化につながるかというと、あまりつながらないですよね。なので、これも安心して取り組める分野だと思います。
■まとめ
あきらめてください。
「私は、何もしたくありません。でも今すぐ治りたいんです。さあ治して」じゃ無理です。(さすがにここまでの人はいないでしょうけど)
逃げずに行動するしかないんです。
でも、
急にでなくていいです。
無理にでなくていいです。
徐々にで大丈夫です。
呼吸をするように行動できる人、いるじゃないですか。元々不安障害でもそういう人はいます。
私もまだ発展途上ですが、かなり行動できるようになりました。5歳児を背負って富士山登ったり、フルマラソン完走したり、筋トレ継続してベストボディジャパンに出られるようになりました。
理想の自分になれますか?
・・なれます。
あなたが、自分はそういう人間になりたいと本心で望み、
徐々に習慣を変えていく覚悟があるなら、
なれます。
だから、不安障害も行動によって改善できます。
それもこれも、あなたがどうなりたいか次第です。
ということで、紹介した「身体を動かす」「姿勢を良くする」「見た目を整える」「本音・本心で喋る」「自己開示」「学んだことを復習・アウトプット」に繋がる行動を1ミリでいいので増やしていくと、自信もついてくるのでおすすめです。
今日はそんなところです。それではまた!
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