Yakushima 生命力に満ち溢れた島
皆さん、こんばんは。
今年一年、僕なりに頑張ってきたSNSチャレンジ、今日で最終話です。
屋久島の縄文杉!!
このパンチ、締めにはぴったりだと思います。
鹿児島にある、屋久島。
いつか日本を旅した時にはスキップしてしまっていたから、行きたかったんだよね。
今日は本編がとても長いので、前説はさらっといきますね。
美しい日本の自然が大好きです。
Japan 日本
Yakushima 生命力に満ち溢れた島
毎年夏に高校の頃の仲間と行ってる夏の旅行、「俺たちの夏」そっからの派生で俺は長い一人旅に出たんだった。
日本を旅していた時、屋久島には行きたかったんだけれど、スキップしてしまっていた。ってのをなんとなく話していて、今回はその仲間、あきひとに誘われて屋久島に旅行に行く事にしたんだ。
もうこの話は最近、2020年の11月だからほぼリアルタイム。
やっと現実に追いついてきた。仕事に追われている東京での生活。
なんとか、今できる限りの事をしたいと願って、自分にあるもので最大限に活かせるものは何かと絞っていたら、この『光の中を旅してた』があるって事に再度気付かされた。
こんなかけがえのない瞬間が詰まった思い出は世界中にシェアできる状態にしなくちゃ罰が当たる。
寝ぼけ眼擦って飛行機に乗って鹿児島まで飛ぶ途中、綺麗に澄んだ空の下の富士山を、俺は興奮して目に焼き付けるようにじっと見ていた。
鹿児島空港までに上空から日本列島の海岸線沿いを見まくった。
四国の室戸岬も、九州の高千穂峰も空から見たんだきっと。
屋久島までは鹿児島から小さな飛行機に乗り換えて飛んだ、と思ったらすぐに到着した。
俺たちは運が良い。屋久島は雨が降りやすいって聞いていたから、雨具とかしっかり持っていっていたんだけど、ずっと天気が良かったから使わなかったんだ。
空港の近くの観光案内所のお婆ちゃんのだみ声が酒焼けしてんだか何だかわからないけど渋かったな。
町が出してる地域クーポン券が、2000円払えば5000円分のクーポンが付くらしくて、めっちゃ得だからって事で買うことにしたんだ。
そんなこんなでバスも来たし乗り込んで、レンタカーを借りる宮之浦って場所まで向かったんだ。
カフェで昼飯済ませてから屋久島を一周しようってなって、まずはヤクスギランド迄ドライブ。車はプリウスだったから運転も快適だった。
今年の夏に行った八丈島でのレンタカーはおんぼろの軽だったからアクセル踏むたんびに車が泣いちゃっていて大変だったんだ。
ヤクスギランド迄の山道で何度も野生の猿を見たよ。あいつら人も車も全然怖くないみたいでさ、近寄ってもだらっと毛繕いしてんだ。
翌日に縄文杉を控えていたから、ヤクスギランドでは軽めのトレッキングロードを散策する事にした。それでもそこは山の中、瑞々しい緑に覆われていた。
早速大物の千年杉も見る事が出来た。この島の木の太さには驚く。
どこを旅していても思っていた事だけれど、土地に根付いている木の太さでも、その土地がどれだけパワーがあるのかがわかる様な気がするんだ。
苔から滴り落ちそうになっている雫が可愛い、すでに愛しい森だ。
それから俺達は千尋の滝へ、遠くに落ちている滝も見事だったけど、それの脇に広がるでっかい岩場もすっごく魅力的だったぜ。
展望台から見渡す海原も輝いてた。
大川の滝にも行ってきた。こう書いておおこの滝って読むらしい。岩場を乗り越えて滝壺の近くまで行くと水面に落ちてくる水しぶきが舞って風が吹いていて偉くマイナスイオンを感じられて気持ち良かったんだ。
そのまんま西部林道をドライブすると、野生の屋久猿や、屋久鹿が現れて僕らを魅了した。
アニマルを見つけるたんびにアクセルを緩めて話しかけていた。
木々の向こうには大海原に太陽の光が反射していた。
僕等は道幅の偉い狭く曲がりくねった西部林道をなんとか越え、永田のいなか浜へやってきた。静かに波が浜に打ち寄せる。ここはウミガメが産卵しに訪れる浜らしい。
なんて愛おしい浜なんだろう。夕日が山の向こうに落ちていく。
僕はまだ誰も欲しがらない『光の中を旅してた』Tシャツを着ている。
宮之浦に帰って来てレンタカーを返して宿で少し落ち着いてから、ゴートゥーの電子クーポンが使える店を見つけて晩飯を食べに行った。
縄文杉トレッキングが控えているので、そんなにお酒は飲めない。僕等は屋久島のたんかんビールや、有名なトビウオの唐揚げを食べて明日に備えた。
その夜はもう、21時過ぎには眠りについた。
さぁ。縄文杉を観に行こう。僕等は朝3時過ぎには起きていて、弁当を持って朝4時過ぎのバスに乗って屋久杉自然館へ行き、縄文杉のトレッキングのスタート地点、荒川登山口まで行く登山バスに乗った。
辺りはまだ暗闇に包まれている。そんなことは事前に知っていたので、みんなはヘッドライトを装着している。
トイレを済ませて歩き出す。往復約10時間かかると言われている山道だ。この為に今回屋久島に来ている。もちろん装備は万端だ。僕はこの数日前に筑波山で山登りの練習もしてきているから体の準備もばっちりだった。
後で知ることになるんだけど、トロッコ道は片道8.5Kmもあるらしい。しかも行きは若干登っているからじんわりと足腰にくる。
あきひとは「GoPro」で動画を撮っているからずっと先頭を歩いてもらっていた。
トロッコ道をしばらく歩くと夜が明けてきた。
ヘッドライトを外して朝日を浴びる。
朝露に濡れる苔たち。川のせせらぎの音。
瑞々しい空気を存分に吸い込んでひたすら歩く。
おもしろいもので、たまに別で登山をしている人達とも歩幅が合う事もあれば、先に歩いて行ってもらったり、逆に僕らが追い抜いたりしている。
人生でこんなに一本道をずっと長い距離歩くって事なかなかない。歩行瞑想をしながら無心になって歩いていた。これは旅行というよりは一種の修行の様な気持ちになって行く。
諦めずに目的地まで辿り着けるか、僕は未だに人生勉強の最中にいる。
僕等は本当に天気に恵まれていて、道中陽が射すこともあった。11月だというのに寒くなく、半袖になって登ってもいい程だった。
トイレのポイントで休憩する時等は体を冷やさないように上着を着た。
森林に包まれていると苔が僕等を見守ってくれているような気持になる。
長かったトロッコ道を経て今度は山道を登って行く。木々を愛でながら歩く。所々柔らかく紅葉している。どこを歩いても山の生きている音を感じている。水のせせらぎや木の葉の揺れる音。音なく落ちていく落ち葉。鳥のさえずり。
ウィルソン株という切り株の中に入って見上げるとハートのマークが見える場所へやってきた。ここはインスタ映えするポイントだ。見上げて思ったけど、本当にハートの形をしていて可愛かった。
あまり注目されていなかったけど、ウィルソン株の中に小さな質素な祠があって、僕はそこに美しさを感じずにはいられなかった。ここには森の木の精霊がいるんだ。足元では水が湧いては流れていた。
僕等は刻一刻と縄文杉迄の距離を詰めている。山奥も奥で、辺りはうっすらと霧に包まれだした。なんて神秘的な空間なんだ。雲が山肌に張り付いて太陽の光が入って来ない。森が一層霧を深くする。吸い込む空気も水っ気をたっぷり含んでいる。
何か偉いもんが出てきそうな雰囲気抜群だ。何度かラスボス級にでかい屋久杉を見た。
大王杉や夫婦杉、もうこんなにどでかい木って愛おしすぎてなかなかお目にかかれない。
いよいよ縄文杉のお出ましだ。随分歩いた、もうかれこれ4時間以上は歩いていた。さすが、屋久島。「世界自然遺産」なだけはあるぜ。達成感が半端じゃない。なんだか、富士山を登った時の様なやってやった感がある。
日本はまだまだ面白い。
霧の霞む向こうに縄文杉が聳えていた。樹齢約7200年らしい。果てしない年数を生き続けている。なんていう生命力。信じられないくらい長生きしている杉だ。生半可なもんじゃないパワーを感じる。屋久島全体から感じる生きる力はこの縄文杉から発せられているような気にさえなってくる。自然の素晴らしさに改めて魅了されてしまった。
この時まだ午前10:30頃。僕等はしばらくそこにいて縄文杉を観察していた。
黄色い落ち葉が水面に浮かんでいる。水はとめどなく山肌を流れ続ける。
僕は水筒で水を汲み喉に流し込む。滑らかで優しい山の味がする。
こめかみや首筋の汗をタオルで拭きとり歩き続けた。
ウィルソン株をもう一度見た時には辺りには僕ら以外には誰もいなかった。
人生の様に、みんなそれぞれの歩幅がある。
自分は自分でいていいじゃないか。
空は晴れ渡って目の覚めるような青空を見せてくれている。
川の水は何処でも透き通っていて心も晴れる。
木々は静かな風に揺れている。
帰りのトロッコ道、一本道なはずなのに同じ顔をしたカップルを二回も追い越した。あきひととも後で話して確認したんだけど、どうしてそうなるのか不思議でならなかった。
荒川登山口まで降りてきて、帰りのバスを待っている間に作業をするためのトロッコが車庫から走り出すところを見る事が出来た。
これってたぶん珍しくて僕等はみんなカメラを構えたんだ。
宿に帰ってあったけぇ風呂に入って疲れた体を癒した。これが無茶苦茶気持ち良くて、生きていて良かったって思っている。
次の日は、白谷雲水峡へこれまたトレッキングに行くから早めに飯食いに行って、早めに寝ようって事になった。
飯を食いに行った居酒屋のビールがうまくてさ、これって東京の安い居酒屋じゃ出ない味だ。ちゃんとサーバー洗ってんだなって感じで感心したんだ。半分寝ながら飯食ってた。
新しい朝に僕等は宮之浦の港にいる。朝日はもう昇っていて港を照らす。
白谷雲水峡迄のバスを待つ間に船と波の声を聴いている。
これから僕等が向かう森は、ジブリの『もののけ姫』という映画のモデルにもなっているって言われている森だ。とにかく見所満点の水に溢れたトレッキングロードだから、縄文杉迄の永遠続くように思われるトレッキングロードよりは面白いかもしれない。
この日も嘘みたいに天気が良くてトレッキング日和だった。贅沢なことに曇りも晴れも、霧も体験していたので、雨が降ったらいいなぁと少し思っていた。縄文杉をすでに終えているので、白谷雲水峡のコースは僕等にとっては簡単に感じられた。ここでも苔が生茂っている。山は繋がっているし、水も植物も屋久島って言う大きな土壌の上ではみんな繋がっている。山野恵をここでも存分に味わって歩いていた。
くぐり杉、シカの宿を経て僕等は苔むす森に辿り着いた。ここはもう美しすぎるし、もう生命力の宝庫って感じ。見渡す一面森ってのはもちろんだけれど、木々の肌のいずれにも苔が付いていてまだまだ生きようとしている。
共生の森。争い合わない、何だろ、「それぞれが生きたい様に生きていいんだ」って教えられている様だ。やっぱり自然が一番美しいと感じてしまう。
道中、僕は苔に見とれていた。苔が成長して、岩の上で根付いて、また小さな芽を咲かす。素晴らしい植物の連係プレーに包まれていた。
このコースの目玉の太鼓岩まで登る道が、いきなり急勾配になるのは体に堪えたけど、太鼓岩から見渡す景色は絶景だった。曇っていたけどさ、見ごたえ十分。ここも『もののけ姫』の映画のワンシーンである場所だ。
僕はしっかりと「SSIZE」のティシャツを着て写真を撮ったよ。それから辻の岩屋という、映画の中で傷ついたアシタカが目覚めるシーンの岩場まで行ってきた。
昼飯に弁当も食べて、体力も回復したし、里まで戻るか。「雨が降ると川の水が増水して渡れなくなる道」から撮る写真は、僕等が小さい頃から見た事のある有名な写真の一つで懐かしい気持ちになった。
幸い、帰り道に少しだけ気持ちのいい森のシャワーを浴びる事が出来た。
里に下りているバスの車窓からは虹が見えた。
至れり尽くせりの天気。好きだ、屋久島。
いったん僕等はカフェに行ってコーヒーを飲んで一休み。ここからはもう何のプランもなかったから、レンタルバイクでも借りて自由に行動してみようとなった。
早速電話すると、お店の人が僕等を迎えに来てくれた。こんくらい人と人との距離が近い。だから田舎が好きだ。
バイクに乗って宿に一度帰り、荷物を下ろした。
宿のおじさんに「近くに温泉ないですか?」と尋ねると、楠川温泉という所があるらしい。せっかくだからそこ行こうぜってなるじゃん、僕等はバイクで走りだす。
そこは渋くて狭い地元のローカル温泉で、とにかく設備も古くて汚い。おまけにお湯もぬるい。泉質はなめらかで肌に優しい森の水って感じだったからゆっくり浸かって疲れを癒した。
髪の毛を乾かしながら、夕日が沈む時間を確かめる。もうそろそろだ。
あきひとは星の写真を撮ろうとしていたから人里離れたところに行こうとしていた。僕も夕日が見たかったから方向は一緒だ。
初日のいなか浜を目指そう。里を離れて森の中を走るとひんやりと気温が落ちていることに気が付く。だんだんと太陽も落ちていく。
一湊を越えると、どうやらいなか浜まで辿り着く頃には夕日が沈んでしまいそうなことを察する。目の前に夕日に射されて黄金色に輝くトンネルが見えた。時間と自然が作り出す、偶然の絶景だ。
トンネルを抜けた所の東シナ海展望台で僕はクラクションを鳴らして合図をした。「どうやらここが潮時だ。これ以上走っても夕暮れに追いつけないぜ」って意味合いの「プッ」だった。
夕日が海に落ちていくのを眺めるのが、どんなに美しい時間か僕は知っている。もう旅の中で何度もみつめていた。心が落ちつく大好きな時間だ。
風に揺れているすすき、海原を見つめる居合わせた人達。じーっと沈んでいく太陽を見ている。空にはうっすら恥ずかしそうに白く光る月が出ていた。
僕は飯を食いに宿へ戻り、あきひとはそのまま夜まで星を撮る為に移動して行った。
一日目に宿で会って少し話した女性に教えてもらった若大将という粋なお店で刺身を頼んだら、これが舌が落ちそうなほど美味しくてびっくりした。
新鮮な魚の旨さを改めて知った。屋久島のとろろご飯も美味しいし、ビールもたんかん酒も全部旨かった。
このまま流れてスナックにでも行こうか。いいや、普通に居酒屋で旨いビール飲むだけにしておいた。もう僕は十分幸せなんだ。
宿から朝日を観たかったんだけど、今日も曇って見えなかった。あぁ。お茶が沁みる朝だ。さて、全く何も決めてない最終日。一旦カフェで女子が食べるような可愛い朝飯を食った。
それから宮之浦の近くの志戸子ガジュマル公園に行ってきた。受付のお婆さん小さくてなんか、ゆったりしていていいなぁと思ったよ。
ガジュマルって言う植物も個性があって面白い。地面に向けてまた木が生えていくって言う、なんて言ったらいいのかわからないけど、「生きたい」って言ってるような木だ。
公園の前には直ぐに海が広がっていて、水も綺麗に澄んでいた。
近くの一湊の海の向こうに見えた山の麓に神社の鳥居が見えたからそこに行きたかったんだけれど、海の岩場の道が険しすぎて、海の透き通った具合に煌かされて十分満足してまた宮之浦まで帰った。
港にコーヒーを飲みに行く前に、屋久島環境文化村センターに寄ってみた。僕ら本当になんの予定もなく行ったんだけれど、屋久島の自然に関する展示物や、ものすごい大型スクリーンで屋久島の自然についての映像も見る事が出来たから大満足だったんだ。
それから昼飯を食べに小さなカフェに入ると時間はここでもまたゆっくりと流れていて、風が入り口の暖簾を揺らしていた。
僕は背もたれに置いてある本を手に取った。
『夢を叶えるゾウ』これは僕等のバンドが「活動休止」をした時に僕が当時読んでいた本だ。今までバンドに使っていた時間に、また新しい風が吹きこんでくる。何か俺にとってはそういう話。
「夢」こいつを大事にして生きて行く事は健康的な事だ。そして、健康が一番大事。これから先も僕たちは胸を張って生きなければ。
「みたけ」って言う焼酎は屋久島の水と氷で飲むと美味しいらしい。カフェのお姉さんに屋久島の話をいろいろと聞いていた。そうか、でも僕等はバイクだし、今は飲めないからまた今度にするって事で、店を出て宮之浦川橋の写真を撮りに散歩に行ってから、港のコーヒー屋へ行き、休憩をした。
港では船の出向する合図、「ボォー」って言う声を何度か聴いた。ラテに溶ける屋久島の氷。「もうここからどこにも行く宛てはないし、バイクを返してみたけを飲もうぜ」って話に落ち着いて、レンタルバイクのおばさんにさっきの小さなカフェ迄送ってもらって、みたけを水割りで頂いた。
普段俺も焼酎は飲まないから、よくわからないけれど、さっぱりしていて飲みやすくて臭いも爽やかで美味しく飲めたんだ。
少し落ち着いていたら地元のお客さんも入ってきたから一緒に少し屋久島の事について話していた。
「そう、それでね、同じ顔をしたカップルを二度追い抜いたんですよ」って話をしたら、屋久島に伝わる話をいろいろしてくれた。霊的なもんが見れる人が屋久島に来ると、見えるって言われているらしい。森を歩いていると、綺麗な女性に手招きされて着いて行くと遭難してしまうとか、神隠しとか、行方不明者が発見されないとか、まぁいろいろあるらしい。
そういうミステリアスな部分も含んでいる島なんだ。でさ、俺たちの場合は、疲れてて休憩している時に追い抜かれてて、そして歩き出したから二回追い抜いたんじゃないかって、感じで落ち着いた。
ま、疲れていたしそういう事もあるのかもしれないね。
みたけが美味しいカフェでの話。
空港まで行くバスを時間より早めに捕まえて僕等は屋久島空港へ、そこでも俺はみたけを水割りで飲んだ。
飛行機が飛び立つ、屋久島は夕暮れに照らされて輝いていた。
鹿児島空港で乗り換えて羽田へ飛んだ。
東京上空から見る東京ディズニーランドやスカイツリーを見ると気持ちが和んだ。
とうとう東京へ帰って来てしまった。
いつものように東京での現実が待っている。
生きているのは「今」だけなのに、僕はこのままでいいのか。もっと自由に自然に生きて行く事は出来ないのか。
屋久島に行く前と行った後では明らかに世界は変わった。昔からの古い友人、あきひととも話せてよかった。
仕事での年度末のマネージャーとの面談で、僕は自分のこれからの事を考えて、「出勤日数を減らして欲しい」という事を伝えた。
このまま今のところで働いていても、僕は幸せにはなれないと確信できているし、今の僕にはやりたいことが多すぎてもっと時間が欲しかった。
俺が一歩引いて、入ってくる風って絶対あるし、そして俺はもっと自分のやりたいことにフォーカス出来る環境に身を置く良いチャンスだと思ったんだ。
僕の背中をいつも押してくれていたのもやっぱりこいつ、『光の中を旅してた』だったんだ。今まさに、「終章」を書き終わろうとしている。そして、さらに磨きをかけた作品を書き上げようとしている。この気持ちを大切にしていく。それが今一番大事だと思うんだ。
今、きっと時間が来ている。人生には時に待ったなしで変化が訪れる。
本当に屋久島に行って良かったと思っている。やっと今の僕に追いついてきた。体も心も健康に、健やかに時を過ごせるように精進して行こうと思う。
旅は僕に様々な事を教えてくれた。人との関わり方や、距離の取り方。新しいものに出会う感動や、選択の連続で切り開かれて行く未来がある事。
全部自分の望んだようにはいかなくとも、望まなければ何にも始まって行かない事。イメージを手繰り寄せ、それを続ける事。歩みをやめなければ必ず辿り着く事。
僕の中の昔の僕と交信する時があって、そいつは今でもまだ僕の胸の中で微笑んでくれているんだ。そいつを喜ばしてあげる事が出来て僕も嬉しいのさ。
2020年ももうすぐ終わりを告げる。自分のタイミングの中でこれを書きあげることが出来た締め括りのいい一年だ。ここからまた飛躍することが出来る。
みんな、これを見てくれてありがとう。こんなに長いのを見てくれている人が居るかは正直わからないけれど、どうにか届く様に試行錯誤をしていく。俺もみんなの幸せを願っている。感謝してるぜ、また会おう!
Epilogue
エピローグ
ブルガリアで書き始めたこの話、下書きを全部書き終わる迄さらに4年の月日がかかった。
終章 ネパール&インド編は2020年5月くらいの時期に、2020年Covid-19の影響で仕事が休業シフトになった時間で再度これと向き合って仕上げた。
日本中を旅してからオーストラリアでの海外生活への挑戦の後の怒涛の東南アジア陸路旅を経て、さらに逞しくなった青年の、二度目のオーストラリア生活、そして旅。
舞台は一路、ニュージーランドそして、台湾へ。さらに飛躍しヨーロッパへ。
ネパール、インドを経て、旅を終わらせた。
東京で働きながら旅行に行った事もあとがきとして記した。
当時の事を懐かしく思い出しながら編集をした。
なるべく原文のまま載せたいと思っているけど、読みやすいように手を加えた。
今まで届かなかった言葉とか、伝えられてなかった想いとかがたくさん詰まっている。
ここまで読んでくれた人がいるならもう感謝でしかない。
これが誰かに届いて、勇気づける事が出来たなら本望だ。
きっと、今からだって出来る事があるはずだ。
全章を通して、旅の中で出会った全ての人々に感謝をしている。
頭の中にあるイメージを手繰り寄せて。
35カ国、約200都市を旅してきた物語、全部届けた。
僕達が自然体で生きていけますように。
Living in the dream.
これは全部、僕の夢の中で起こった話。
作者紹介
1983年千葉生まれ。
2000年バンドSSIZE結成、Dr担当。
2011年処女小説『高校純情物語』執筆。
2012年から日本そして世界35カ国、約200都市の場所へ旅に出る。
ブルガリア滞在中、本を書く人と出会い、自分の旅の本を少しずつ書き出す。
インドでの10 Days Vipassana Meditationで「光」を感じた後、帰国。
2016年から東京の外資系会社で働きながらバンド、旅を続けている。
※世界を旅した本『光の中を旅してた』シリーズ只今制作中。
処女小説『高校純情物語』の英語翻訳を手伝ってくれる方、
『光の中を旅してた』シリーズを漫画にしてくれる方、編集者も同時募集中。
編集後記
本編終わった。けむり、ふわっと。風にのって、空気に混ざっていった。
今日は、本編が長かったので、明日この続きを「あとがき」としてアップロードします。
お時間頂き、ありがとうございました。
どうぞよろしくお願いします。
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