【夏の一コマ】祖母の朝日課
日が昇る前に麹の手入れを済ませ、祖母、叔父叔母と四人でニュースを見ながら朝ごはん。
私は祖母の家のすぐ向かいに住むはとこ一家が育てた白米に、祖母お手製の納豆麹、それにおみそ汁。そこに前日の余りものがあったりして割としっかりめの朝ごはん。なかなか食べることが出来ない美味しい白米に、これまた貴重な納豆麹は朝から食欲をグイグイそそってくる故、毎度おかわり。ちなみに祖母はパン派らしく、食パンに納豆麹をのせた和洋折衷モーニング。
朝ごはんが済む頃には、いとこ夫婦のちびっ子たちが祖母の家から小学校へと歩いて向かうためにワイワイ集まってくる。近所のお友だちも一緒に。たま〜にしか会わない私にちょっと緊張しつつもオハヨ〜と挨拶を交わすちびっ子にニヤッとしながらいってらっしゃい!と見送る。彼らはまだまだ短〜い足で30分以上かけて田んぼ道を歩いていく。青々と生い茂る稲を背景に転々と動く赤いランドセルが映える。
その彼らの後ろ姿をこれまたお米サイズになるくらい小さくなるまで見届けるのが、祖母の毎朝の日課らしい。
祖母と私はずっーっと離れて暮らしていたので、彼女がどんな一日を過ごしているのか実は全然知らない。今になって毎年こうして時間を共に出来ることは幸せ以外のなにものでもなくって、いつまでも大切にしたい。