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プラモ着物プロジェクト、始動
現在、『ゴフクヤサン・ドットコム』さんと共同で『誰でも簡単に作れるプラモ着物』づくりのプロジェクトを進めています。
浴衣を1着仕立てるのに、裁断から始めてプロだと手縫いで20時間前後(人によります)、和裁教室の生徒さん(裁断・印付けなし)が30~40時間かかります。これがもし1日で作れたら? いつか3時間で作れたら? 着物を作る側にとっても着る側にとっても、革新的な事だと思います。
私は普段、手縫いで和裁をしています。教室で教えているのも手縫いです。和裁の世界は本当に奥深い。直線縫いの速さを追及した運針、縫い目を隠す『キセ』、なるべく表側に糸目を出さない『くけ』、直線裁ちなのに身体にフィットする不思議、違う生地同士のつり合いの加減……どれも先人たちが考えて確立してきた素晴らしい仕組みと技術です。
だからこそ着物は美しい。
その美しさは、伝統として守らなければいけないものだと思っています。
では何故、和裁士がプラモ着物を作ろうとしているのか?
お仕立ての依頼を受けていると、「ポリだから仕立て代安くして」と言われる事があるのですが、仕立て方はほぼ正絹と一緒。しかも熱に弱いからコテの温度にも気を遣う。安くできるわけがない。じゃあ、仕立て代をぐっと安く出来る仕組みを作ってしまえばいいのでは? 縫う前の裁断と印付けに時間がかかるので、縫い線をプリントして、同時に裁断までしてもらえたらめちゃくちゃ効率的なんじゃ? とことん簡略化すれば、着る人が自分で着物を作れる!
『着物を自由に!』という言葉は、いろんな所で叫ばれています。でも大事なのはルールをなくす事ではなく、選ぶ自由だと思っています。選択肢があるという事。
何人もの職人さんたちの手を介して作られた伝統的な正絹の着物か、気軽に洗濯出来るポリや木綿の着物か。
和裁士が手縫いで仕立てた着物か、徹底的に効率的にミシン縫いされた着物か。
選ぶのは、着る人です。
作る側は、選択肢を増やす事が大事だと思っています。
どこまでの仕組みが作れるのかはまだ未知数ですが、同じ想いを抱いたゴフクヤサンと一緒に頑張って形にしようと思っています。
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