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HSK07 - こんな仕事(2) Occupied Room


一つ前の記事では、怒涛の作業リストを書いてしまいました。
これが使用中の部屋・オキュパイドになると、掃除の作業内容自体はぐっと減ります。

・ゴミ箱にあるゴミの処理。
・ルームサービスのトレーがあれば下げる
グラス、コップ類が使用済みなら洗う。コーヒーなどを補充。
・シーツ交換の日であれば、シーツを交換する
・シーツ交換でない日は、ベッドメイクし直す
テーブルなどが汚れていたら拭く
トイレ掃除
洗面台、バスタブの水滴や汚れを磨き上げる
タオル、アメニティの補充、交換
掃除機をかける

だいたいこんな感じです。
チェクアウトの部屋の掃除よりは、随分リストが短くなります。


基本的にオキュパイドの場合は、お客様の荷物がそこかしこにある状態が普通です。それらに限りなく触らないように掃除をするため、できることが限られてきます。
掃除に目を奪われて、お客様の荷物を壊してしまう方が恐怖です。
(洗面台に置いてある香水のボトルとか、特に)


また、使用中の部屋の掃除では基本的なルールというものがあります。


例えば、タオル

特定のかたは、「ホテルなんだから、使ったタオルは毎日交換してもらえるものだ」という思い込みがあるようです。

しかし実際は、お客様からの交換の意思表示をいただかないと交換しません。
使ったタオルが床の上やバスタブの中に置いてなければ、そのまま継続使用するとみなします。掛けてあるタオルでも、あまりに濡れていたり、汚れているものを見つけたら交換します。がこれは、スタッフが気を利かせていることになります。(たいてい気を利かせますけどね)

お部屋のブックレットにもタオル交換の件は書いてありますが、ルールに沿って交換しないとどうしてもクレームは出ます。

オーストラリア国内を旅行した時に私が泊まったホテルでは、バスルームの壁に
「交換したいタオルは床に置くように。環境保護の観点から毎日の交換はしません」
というパネルが貼ってあり、「いいなー、うちのホテルも貼ってくれないかな。でも見栄えが良くないから貼らないだろうな」って思ってました。
知らないからクレームが出るんですよね、きっと。

そう、このホテルに書かれていたように、タオルを毎日交換しないということはエコ活動につながるのです。
洗濯機を回す電気代、洗剤使用量、水資源使用量などが減るということで、その観点から、皆でエコに取り組んでいることにもなります。
特にオーストラリアは干ばつに困ることの多い国です。
2019年は、オーストラリアの山火事のニュースが世界を駆け巡ったことと思います。
ダムの貯水量が下がれば、各家庭で使ってもいい水の使用量が決められることがあります。ホテルも他人事ではないですよね。


次にゴミ回収。

使用中の部屋のゴミ捨ては、ゴミ箱の中身だけが基本です。
ベッドサイドに置いてある鼻をかんだティッシュであれ、飲み残しの空き缶であれ、それがゴミかどうかを判断するのは、本来、掃除に入ったスタッフではありません。
スタッフが気を利かせたつもりで捨てたら、大事なものを包んでいたなんてことはよくある話です。
「ゴミがそのままになっている」というクレームをいただきますが、ゴミ箱に入れてないゴミは基本捨てませんからね。
メモで「捨ててください」などの意思表示をいただけたら捨てるのにな、と思います。

ちなみに、本当は掃除機をかけるのもちょっと気をつかいます。
小さなもの、例えばピアスなどが床に落ちていて吸い込んでしまったら、と思うと恐怖です。もちろん目視はしますが、ベッドの下など死角になっている所だとわかりませんから。

とはいえ、大事なものを吸い込む確率よりも、砂、落ちた髪の毛、食べかすなどが床に落ちていることの方が圧倒的に多いので、掃除機はかけますけどね。

あと、ベッドメイクについても、ベッドの上にお客様の荷物があったら触りません。
ハンドバッグなどの小さいものなら、置いたまま触らずにシーツを直せますが、キャリーバッグなどの大きなものだとそのままにしておきます。

ベッドシーツに関しては、触られたくないというお客様も一定数いらっしゃるのですが、置いてあるものが小さいとシーツを直してしまうので(直してないほうがクレームの元だし)、事前に連絡いただくかメモを残していただけると意思疎通ができて良いのではないかと思います。


それから、オキュの部屋の掃除中は防犯にも気をつかいますね。
掃除中はドアを開けておき、お客様が帰っていらした時に、掃除中だということがわかるようにしています。しかし、大きく開けるのではなく人が通れないくらいにしておきます。
また、ゴミを出したりものを運んだりと出入りもしますから、遠くに離れてしまう場合はドアをきちんと閉めます。
当たり前じゃん、と思われるかもしれませんが、時間に追われる仕事のため、この辺りはいつも意識しておかないと、油断のモトです。


DO NOT DISTURB (邪魔しないで=ノックしないで・部屋に入らないで)
のサインが出ていた部屋から、掃除がされてないというクレームをいただくと凹みます。でも、あるあるですけどね。

使用中の部屋の清掃は、ゲストの方とのコミュニーケーションが増えるため、良いことも嫌なこともありました。

ただ、大半のお客様の部屋は常識の範囲内の使い方で、スタッフにも愛想が良かったり気をつかってくださるかたが多かったように思います。




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ひなた とりこ
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