【エッセイ】マニアックな喫茶店に行った話
先日とってもマニアックな喫茶店に行って来た。
名前は
TRANSIT BEANS(トランジットビーンズ)
という。
(居住地がばれちゃいますね。
まあ良いのだが。)
きっかけは先日こちらの豆を使っているという
別のカフェでコーヒーを飲んだら
感動的なくらい美味しかったから。
とっても単純ですね。
*
トランジットビーンズは
住宅街の一角にひっそりと存在する。
一見すると普通の家なので
そう簡単には見つけられない。
実際に私も現地へ向かっているときに
本当にこの道で間違いないのか、、?
と、とても不安になった。
カーナビの案内を頼りに
細い道を通り抜けどうにか
それらしき場所にたどり着いた。
のだが。
なんということでしょう。
駐車場がいっぱいだった。
2台分しかないのだからそれもそうだろう。
結構な距離を運転してきたので
引き返すのは避けたい。
駐車場空け~!!
と強く念じながら周辺をぐるりと回ったら
ありがたいことに割とすぐに駐車場が空いた。
念じれば何でも叶うのだ。(おおげさ)
*
あまり下調べをせずに行った私は
店内に入って一瞬後悔した。
店はかなり狭く
カウンター席が4席しかなかったのだ。
引き返したい気持ちが一瞬浮かんだが
片足がすでに店内に入っていたので
すぐに気持ちを切り替えて席に座った。
私以外のお客さんは
豆を購入しようとしているよくしゃべる女性
と
寡黙な老夫婦
だった。
きまづい
どうしよう。
メニューを眺めながらドキドキ。
豆購入女(略称)
は丁度帰るところだったらしく
すぐに席が一つ空いた。
*
メニューはというと
様々な銘柄のコーヒー豆や
オリジナルブレンドなどに加え
結構な種類のスイーツがある。
マスター一人なのにすごいなぁ
と感心しつつ注文。
そんなにコーヒー豆に
詳しいわけでは無いので
自分の好みっぽい解説が書いてある
豆とティラミスを選んだ。
※豆の名前は忘れました。
目の前でコーヒーをハンドドリップで
淹れてくれるのだが
これを見ているのが結構面白い。
普通の電気ケトルで沸かしたお湯を
金属のポット?に移し替えるのは
温度調整だろうか?温度計らしきものが付いている。
ドリッパーはガラス
コーヒーフィルターは円錐型(だった気がする)
器具を扱う手つきもプロっぽい。
ぽいっていうかプロか。
ちなみにコーヒーを淹れている間マスターは
終始鼻歌を歌っていた。
ちょっとだけ異様な空間に感じて笑いそうになった。
*
私はコーヒーの淹れ方の本を買って
読んでみたことがあるのだが
それとも少し違う淹れ方だ。
蒸らしは無し。
真ん中あたりにぐるぐると湯を注ぐ。
するとコーヒーからガスが出て
綺麗な山形を作る。
見ているだけで楽しい。
4,5回くらいに分けて湯を注いでいた気がする。
湯の量とかも注意してみていたけれど
よく分からなくなった。
コーヒーを入れた後に
表面の何かをスプーンで掬って捨てていた。
泡?余分な油?豆のカス?
何だったのだろう。
聞いてみたらよかった。
*
まじまじとコーヒーを淹れるさまを
見学して満足したところで
完成したコーヒーと一緒に
頼んだティラミスが登場。
どうやらこの店は私を飽きさせる気がない。
うきうき。
ちなみにティラミスは業務用のものを
スプーンでお皿に乗せただけの物。
なるほど、だからメニューが多くても
一人で対応できるのか。
なっとくなっとく。
肝心のコーヒーは
やっぱり美味い!
香ばしい香り。
ほんのり酸味。
苦味は少な目?だったような。
ティラミスは普通だったが(こら)
口の中でコーヒーと混ざると
100倍美味しく感じた。
どうやったらこんなに美味しいコーヒーを
淹れられるのだろう??
*
実はもともとコーヒー豆を買うことを目的に
ここに来た。ので。
帰り際にそのことを伝えた。
以前別のカフェで飲んだこの店のコーヒーが
とても美味しかったので
ここに来たのだということも伝えた。
するとスイッチが入ったように
マスターの口からコーヒー愛がこぼれだした。
そのカフェの豆は
そのカフェのためだけに焙煎していること。
同じものが欲しければ来る前に
連絡をすれば準備してくれるということ。
そして美味しいコーヒーの淹れ方について。
どんな豆でも同じ
淹れ方をしてよいはずがないこと。
豆は細かめに挽いていること。
18グラムに200mlの湯が
この店の豆であれば最適なこと。
古い豆ほど蒸しは不要であること。
動画を取ってきたら
アドバイスをくれるということ。
お客さんが少ない時なら
実際にレクチャーしてくれるということ。
濃厚過ぎて途中で耳をふさぎたくなった。
(ごめんなさい)
とか言ってますがとても参考になったし
面白かった。
動画や直接のレクチャーとなると
ちょっとハードルが高いので要検討だが。
*
とても面白い体験だった。
このマスターはコーヒーマニア。
いやコーヒーオタクだろうか。
そんな感じがした。
「好き」を追求した人の姿に憧れる。
こういう人達にこそ
世界を変えるポテンシャルがあると思う。
おおげさ?いやがちで。
下手したら変人扱いされるであろう人。
でもそんな人が好き。
自分もそうなりたい。
変な自分を受け入れて追求したい。
なんてね。
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