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【エッセイ】マニアックな喫茶店に行った話

先日とってもマニアックな喫茶店に行って来た。

名前は
TRANSIT BEANS(トランジットビーンズ)
という。

(居住地がばれちゃいますね。
 まあ良いのだが。)

きっかけは先日こちらの豆を使っているという
別のカフェでコーヒーを飲んだら
感動的なくらい美味しかったから。

とっても単純ですね。

トランジットビーンズは
住宅街の一角にひっそりと存在する。

一見すると普通の家なので
そう簡単には見つけられない。

実際に私も現地へ向かっているときに
本当にこの道で間違いないのか、、?
と、とても不安になった。

カーナビの案内を頼りに
細い道を通り抜けどうにか
それらしき場所にたどり着いた。

のだが。

なんということでしょう。

駐車場がいっぱいだった。

2台分しかないのだからそれもそうだろう。

結構な距離を運転してきたので
引き返すのは避けたい。

駐車場空け~!!

と強く念じながら周辺をぐるりと回ったら
ありがたいことに割とすぐに駐車場が空いた。

念じれば何でも叶うのだ。(おおげさ)

あまり下調べをせずに行った私は
店内に入って一瞬後悔した。

店はかなり狭く
カウンター席が4席しかなかったのだ。

引き返したい気持ちが一瞬浮かんだが
片足がすでに店内に入っていたので
すぐに気持ちを切り替えて席に座った。

私以外のお客さんは

豆を購入しようとしているよくしゃべる女性



寡黙な老夫婦

だった。

きまづい

どうしよう。

メニューを眺めながらドキドキ。

豆購入女(略称)
は丁度帰るところだったらしく
すぐに席が一つ空いた。

メニューはというと
様々な銘柄のコーヒー豆や
オリジナルブレンドなどに加え
結構な種類のスイーツがある。

マスター一人なのにすごいなぁ
と感心しつつ注文。

そんなにコーヒー豆に
詳しいわけでは無いので
自分の好みっぽい解説が書いてある
豆とティラミスを選んだ。
※豆の名前は忘れました。

目の前でコーヒーをハンドドリップで
淹れてくれるのだが
これを見ているのが結構面白い。

普通の電気ケトルで沸かしたお湯を
金属のポット?に移し替えるのは
温度調整だろうか?温度計らしきものが付いている。

ドリッパーはガラス
コーヒーフィルターは円錐型(だった気がする)
器具を扱う手つきもプロっぽい。

ぽいっていうかプロか。

ちなみにコーヒーを淹れている間マスターは
終始鼻歌を歌っていた。

ちょっとだけ異様な空間に感じて笑いそうになった。

私はコーヒーの淹れ方の本を買って
読んでみたことがあるのだが
それとも少し違う淹れ方だ。

蒸らしは無し。

真ん中あたりにぐるぐると湯を注ぐ。

するとコーヒーからガスが出て
綺麗な山形を作る。

見ているだけで楽しい。

4,5回くらいに分けて湯を注いでいた気がする。

湯の量とかも注意してみていたけれど
よく分からなくなった。

コーヒーを入れた後に
表面の何かをスプーンで掬って捨てていた。

泡?余分な油?豆のカス?

何だったのだろう。

聞いてみたらよかった。

まじまじとコーヒーを淹れるさまを
見学して満足したところで
完成したコーヒーと一緒に
頼んだティラミスが登場。

どうやらこの店は私を飽きさせる気がない。

うきうき。

ちなみにティラミスは業務用のものを
スプーンでお皿に乗せただけの物。
なるほど、だからメニューが多くても
一人で対応できるのか。
なっとくなっとく。

肝心のコーヒーは

やっぱり美味い!

香ばしい香り。

ほんのり酸味。

苦味は少な目?だったような。

ティラミスは普通だったが(こら)

口の中でコーヒーと混ざると
100倍美味しく感じた。

どうやったらこんなに美味しいコーヒーを
淹れられるのだろう??

実はもともとコーヒー豆を買うことを目的に
ここに来た。ので。
帰り際にそのことを伝えた。

以前別のカフェで飲んだこの店のコーヒーが
とても美味しかったので
ここに来たのだということも伝えた。

するとスイッチが入ったように
マスターの口からコーヒー愛がこぼれだした。

そのカフェの豆は
そのカフェのためだけに焙煎していること。

同じものが欲しければ来る前に
連絡をすれば準備してくれるということ。

そして美味しいコーヒーの淹れ方について。

どんな豆でも同じ
淹れ方をしてよいはずがないこと。

豆は細かめに挽いていること。

18グラムに200mlの湯が
この店の豆であれば最適なこと。

古い豆ほど蒸しは不要であること。

動画を取ってきたら
アドバイスをくれるということ。

お客さんが少ない時なら
実際にレクチャーしてくれるということ。

濃厚過ぎて途中で耳をふさぎたくなった。
(ごめんなさい)

とか言ってますがとても参考になったし
面白かった。

動画や直接のレクチャーとなると
ちょっとハードルが高いので要検討だが。

とても面白い体験だった。

このマスターはコーヒーマニア。

いやコーヒーオタクだろうか。

そんな感じがした。

「好き」を追求した人の姿に憧れる。

こういう人達にこそ
世界を変えるポテンシャルがあると思う。

おおげさ?いやがちで。

下手したら変人扱いされるであろう人。

でもそんな人が好き。

自分もそうなりたい。

変な自分を受け入れて追求したい。

なんてね。




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