「アメリカの医療現場から見た気分障害」
「アメリカの医療現場から見た気分障害」というテーマでニューヨークのザッカーヒルサイド病院にお勤めになっている齋藤恵真先生のお話を聞いてきました。
ただの保育士が医学セミナーに参加して2年でやっと医療のお話もついて行けるようになりました。(笑)
アメリカの医療費はとても簡潔にお話しすると営利目的の保険会社に保険料を支払い、入院や処方などのお金が発生することがあった場合に、その保険会社からお金を出してもらうという仕組みだそうです。
日本とは違って、簡単にお金も出ないこともあり入院の期間も短く、児童デイサービスのような施設もあまり普及していないとのことでした。
日本は空き状況は無いですが、まだ恵まれているのかもしれませんね。
気分障害についてですがアメリカでは薬の服用と認知行動療法(ソーシャルスキルトレーニング等)が主に治療の多くを占めているようです。しかし認知行動療法をただ学ぶだけでなく、それを説明する時間も設けることでインプットとアウトプットのバランスをうまくとり、理解力を深めるようです。
最近は「スマホ認知症」という言葉を目にしますが、確かに多くの情報量を入れるだけでは、キャパをうまく使用したことにはならなそうです。
塾のCMでも学んだあとは「話す」が大切、と言っている時期がありましたよね。
本人にその療法のメリットとデメリットを話したりすることで、実際に説明と同じような場面になったときのためにイメージを膨らませることになり良いそうです。
療育もそうですが、合う・合わないはあります。叩き教えることがすべてではありません。実際にその困り感を抱く場面になった時に、適切な判断できるかどうかが大切ですよね。
アメリカの最先端の医療がそうしているから良い、というわけでもないとも思います。
しかし、いろんな治療法を知る中で気付くものもあるなと思いました。
また、病院という施設で個別の治療方法がそれぞれあっても同じ境遇の子ども同士で自由時間を過ごしたり、支えあったり、話し合ったりする中で自分たちが自分たちを治療することもあるようです。
大人が介入しなくとも、遊ぶ場所を提供しているだけの公園でも子どもたちがやり取りを成立させることもあります。支援、施設では個別で大人が着くことが正義とされがちです。子ども同士の直接的なやり取りの場面も必要ということですよね。保育園での自由遊びもきちんと意味を持って提供すると大切な時間となるはずですね。
子ども同士の時間が大切なのであれば保護者、大人として何ができるか?と無力感を感じるかもしれません。しかし、その様な時間、場面を作ったというを選択したというのとに何か意味があるのかもしれません。
子どものことを預けてばかりで何もしてないのではと悩まれる保護者も時折相談がありました。しかし、子どもへの環境の提供は大人の配慮の一つです。無力感を感じる方には是非、この様に声がけしてあげて欲しいです。
また、人が足りないなどでなかなかうまく子どもと関わりが持てず悩んでいる支援者にも私は同様に声がけをしてあげたいです。
一緒にいるだけの直接的なものだけが支援ではありません。助けを求めるまで待つ、ある一定の距離を保って見守ることも支援の一つなのです。