【保育室・教室に!】集団スケジュールについて
なかなか見通しを持てずに教室の移動が難しかったり
「終わり」と「始まり」を受け入れられず一緒に号令が出来なかったりする子はいませんか?
そういう子の多くは集団にいる時ほど家庭では困っていなくて個別の対応をしたいと保護者へ相談するところへたどり着くまでも難しい・・・みたいな例を良く聞きます。
その一方でぽわ~んと周りに合わせてなんとなく過ごし、トラブルも全くない子。個別の作業になると突如、何も理解してないことが分かったりして関わりが困ると
いうのも良く聞きます。
どちらの子にも即効性は無くとも大人になってからも予定の確認癖がつく、集団スケジュールを幼児期から導入することをお勧めします。
集団スケジュールとは(保育室・教室に)集団へ向けて提示するスケジュールのことです。
<メリット>
・個別で使用しないため、発達が気になる子が集団で浮かない。
・みんなが見れるので、みんなが見通しを持てる。
・自立してからも「確認して、行動する」と
いうことが習慣づく。
・教師・保育士が業務に追われてしまう時も、確認する手間はあるが約束(予定)を守れる。
・終わった時に達成感がある。
<デメリット>
・作る手間がある。
・確認する手間がある。
・スケジュール通りに動く意識を持つ必要がある。
実際に私が使用していたスケジュールの作り方を紹介します。
上から下に時間軸があるスケジュールです。
まずは色厚紙を縦長に切って土台にします。マジックテープを縦に1列真ん中へつけます。
手描きでも、印刷でも構いませんがイラストをつけて文字もつけます。年齢によってはひらがなで。
軟質カードケースに入れて裏にマジックテープをつけます。
カードのイラストは象徴となるものを意識してください。写真だとなおいいです。
カードを活動ごとに作って始めに作った色厚紙に順に貼っていきます。
こんな感じです。
終わったものは上からはがしていくと今どこを過ごしているか分かりやすくなります。
もしくはもう1列色厚紙にマジックテープをつけて矢印を1つ作ると、矢印を移動させて今どこの活動かわかると思います。
これに時間をつけると更にわかりやすくなります。
紙で出来たものや電池の入っていない時計を終わりの時間の提示として次の活動に移る時間を提示します。
これを活動毎変えなければならないので
クラス運営する側としては少し手間がかかりますが変更もその場で伝えやすいので子どもにも易しい配慮となります。「聞いて無いの?」という一言がいらなくなります。
※これはお互いにとって本当に嫌なワードですね・・・
また、何か質問があった場合に一人ずつ対応しなくとも「スケジュールを見てきてごらん」と伝えると”自分で考えて行動する力”がつくようになります。
それでもわからなければ友だち同士教えあったりするようになります。
時間になると自分たちで「時間になったよ~」と教えあうようになります。
時計がわからない時から時計を見る癖をつけるので、時間への概念が生活の中でつきます。
本物の時計の近くにあると比較しやすいですよ~
これでも見通しが持てない子はさらなる個別対応が必要となります。
まずは集団スケジュールを利用してから個別対応をするように段階を作るとさらなる個別対応が必要と感じたときに保護者への説明もしやすくなります。
2歳児には提示は1つをおすすめします。
理由は見通しを持つこともまだ難しいのですが、1つ先2つ先くらいだと理解できる子が多いからです。
提示が多すぎると何をするか逆に混乱してしまいます。
「上から順番に」というのもまだ理解が難しいのでホワイトボードに1つ提示することでも十分です。
実際に作って使ってみないと分からないことも多いかもしれませんが・・・
子どもたちにイラストを塗ってもらって作ると「やらされてる」感を軽減させられるとおもいますよ。