犬は、人に生まれ変わるのか。
2023年11月16日朝--。
長い間、一緒に暮らして来た愛犬が虹の橋を渡りました。チワワのロングコートチョコタン、名前は『王子♂』。16歳と9ヵ月でした。
写真は若かりし頃の姿です。可愛くて、優しくて、賢くて、すごくすごくいい子でした。わたしは犬よりも猫派だとか言っておきながら、決して順位をつける訳ではないけれども、そばに居続けてくれたこの子はわたしの中で特別大きな存在だったんだと思います。
ただの愛犬自慢みたいに聞こえるかもしれませんが、本当に王子はわたしにはもったいないくらいの出来すぎた子だったのです!もし他のお家に行っていたら、もっともっとちやほやされていたことでしょう。
小型犬は中型・大型犬よりも寿命が長く、チワワの平均寿命は13.8ヵ月だと言われています。それを超えてがんばって生きてくれました。わたしが実家を出た時、実家に出戻りした時、そのあと何度も引っ越しましたが、王子はずっと一緒でした。
「わたしのお墓の前で泣かないでください〜」というのはわかってます。死がどういうものかも理解しているつもりです。それでもこんなに悲しい・・・・・・
でも、ペットロスなんて言いたくないの。
そもそも、王子や一緒に暮らしている動物たちのことを“ペット”と呼びたくないんです。“飼う”とも言いたくない。愛玩動物なんていう言葉も大嫌い。だから、この子達のことを誰かに話す時はいつも言い方に困っていた。(笑)
この記事は、これから犬を迎えようと考えている方や、老犬の介護をされる方の何か少しでも参考になればと思い書き残しておきます。動物のお世話を最後までするということは本当に覚悟のいることです。あとは、ちょっとスピリチュアルなお話も書いてみようと思います。
小型犬って可愛いけど、賢いのはやっぱり大型犬で「小さい犬はよく吠える」と言うように小型犬に対していいイメージを持っていない人も多いんですよね。だから、小さくてもしつけだけはしっかりしようと思いました。
王子は、おすわり、お手、おかわり、伏せといったお決まりの芸から、ハウス、ゴロン、バッグ(キャリーの中に入ってくれる)、バーン!(鉄砲で撃つと撃たれたふりをして倒れる)、トイレ(指定した場所でトイレが出来る)など・・・色々なことを覚えてくれました。わたしの氣持ちや場の空氣を読むのがとても上手でした。犬なのにめっちゃ氣を使うんですよ。
お部屋を散らかすとか物を噛んで壊しちゃうとか、そういうイタズラをすることもなかった。けれどたま〜にペットシートを噛んでボロボロにすることがありました。そういう時は決まって、わたしの心が病んでいて限界を迎えそうな時でまるでシンクロしているかのようでした。人や他の犬に対して吠えたり理由なく鳴くこともなかったので、どこでも一緒にお出かけ出来たし、人に預けることも出来ました。
昔、付き合っていた彼氏のお母さんに王子を預かってもらったことがありました。何で預けたのか何日間預けたのかは忘れてしまったんですが。あとから彼氏に聞いた話では、王子のお陰でお母さんのわたしに対する評価がかなり上がったらしいです。
何でも前に、友人からミニチュアダックスを預かったことがあったそうです。その時、犬達に散々部屋を荒らされて大事にしていたぬいぐるみまでも壊されてしまったそうで。
そんな犬のイメージとは逆に王子はびっくりするほどいい子にしていたようで、その当時のわたしはギャルギャルしていましたから、お母さんもわたしが犬のしつけが出来るなんて思ってもみなかったのでしょう。(笑)
この間ね、散歩中のパグに手を噛まれたの!怪我はなかったんだけどね。
踏み切りで待っている時に、背後でキャンキャンと吠えながら興奮しているパグがいたんです。特に氣にせず、踏み切りが開いたので歩き出すと、パグがわたしの横を通り過ぎる際に立ち上がって指をカプっとされました。わたしはまさかの一瞬の出来事に理解が追いつかず、飼い主はその事に氣づく様子もなくスタスタと行ってしまいました。
これでわたしが噛まれたと大騒ぎしていたら、もしも相手が小さな子どもだったらどうなっていたことか・・・。愛犬が可愛いからって甘やかしてもその子のためにはならないってことを飼い主には肝に銘じて欲しいですね。
王子が体調を崩し始めたのは、二年前の夏頃からでした。頻繁に吐くようになったり、トイプードルやチワワなどの小型犬短頭種に起こることが多いフガフガという苦しそうな逆くしゃみをすることも多くなりました。そして、散歩の時にたびたび痙攣発作のような症状が出るようになった。
病院に連れて行きました。その時、王子は14歳。診察の結果は、心臓が弱っているようだと言われました。チワワにはよくあることみたいですが、精密検査をしてみなければわからないけれども高齢だから手術は出来ない。薬で治療するしかないとのことでした。治療といっても完治するわけではない。「14歳を超えれば大往生ですよ。」と言われたのを覚えています。
飼育している動物に対して、飼い主がどこまで健康管理をして医療行為をするかはそれぞれに意見や賛否両論ありますが、『動物はあくまでも自然に動物らしくいられるように。』それがわたしのモットーです。が、最後までお世話をすることは全飼い主に共通する責任です。
わたしは、特別な治療は行わないことにしました。王子を薬漬けにはしたくなかったし、元氣に動き回れる状態ならいいかもしれないけど、飼い主の希望だけで無理に寿命を伸ばすのはエゴだなとも思ったので。
それから次第に散歩を控えるようになりました。そうなると足腰もだんだんと弱って来ます。目も白くなっていたのであまり見えてなかったんだと思います。認知症はそこまで重度ではありませんがボケが出ていました。
外を自由に走り回れないのは可哀想だったけれど、運動を控えたことが功を奏したのか、その後は嘔吐や逆くしゃみをすることもなくなり、発作を起こすこともなくなりました。ご飯の時以外は、じっとして寝ていることが多くなりました。
家の中で、猫のあとをつけ回している時が一番元氣でとても嬉しそうだった。(笑)王子は猫が大好きだったから。王子が亡くなった時に泣きながら猫たちにお話したのに猫は我関せずって感じだった。まったく、薄情なやつらめー!!(それが猫だ。)
王子は、最後まで寝たきりとまではいきませんでした。床ずれもなかったし。自力で起き上がることは出来たけど、後ろ足が弱っているので歩けても数歩でした。おむつをして要介護という状態になったのは、16歳になったくらいからだったかなぁ。老犬になるとお利口な子でもワガママになったり、攻撃的になったりすると言うけれど、王子もボケはあるのである程度のことは仕方ないとしても穏やかなご老犬だったと思います。
そんな王子の様子が明らかに変わったのは、亡くなる三日ほど前からでした。
昼夜関係なくたえず鳴くようになったのです。キャンキャンとおかしくなったようにずっと鳴き続けてました。鳴き止むのは頭を撫でている時だけでそれ以外はずっとです。ちょっとボケが出始めてから、ご飯の時間や寝床が汚れてしまった時に呼ぶように鳴くことはありましたけど、鳴き止まないなんてことはありませんでした。
認知症が進行すると夜鳴きなどそのような状態が続くこともあるみたいですが、王子の場合は自分の死期を悟ってのことだったんでしょうね。この理由なき夜鳴きは、老犬介護をする飼い主を寝不足にし、酷いとノイローゼにまでしてしまう大きな悩みの種となるのです・・・。
ご飯が食べられなくなったのは亡くなる二日前からです。それまではドライフードをバクバク食べていたのに、急に食べられなくなりました。起き上がるのがめんどくさいのか寝ながら食べている時もありましたが、必ず完食はしていました。食欲がなくなったのは本当に突然でした。水を与えても鼻を突っ込んだまま動けなくなってしまい逆に危なくて。
最後にお世話をした時にはまだ鳴く氣力もあって、排泄もありましたが、心臓の鼓動はとてもゆっくりに感じられました。
そして、亡くなる前に匂いが変わると言いますがそれは本当です。
だんだんとだんだんと、見た目が年老いていく、賢かった王子が変わっていく、簡単に出来ていたことが出来なくなっていく、意思疎通が難しくなっていく・・・・・・
きっと人の介護も同じだと思うんですけど、お世話自体も大変だけど、最後を看取るまでそのどうすることも出来ない変化を受け入れていかなくてはならない。これが辛いのです。
実家にいた柴犬が痴呆症になってしまった時の介護は体も大きい分、王子よりももっと大変でしたから(主に母が世話をしていましたけど)、その時よりは・・・と考えたり、王子との思い出を振り返ったり、ネットで同じように老犬介護をされている方の書き込みを読んだりして辛い時もなんとかがんばれました。
王子が亡くなった翌日、葬儀屋さんに来ていただきました。綺麗な棺とお布団を用意してもらって、専用の霊柩車でのお迎え、個別火葬で天国に送りました。とても丁寧に対応してくださいました。
葬儀屋さんが返骨に来てくださった時に「えっと、お名前はたまごちゃんと言うのでしょうか。とてもお顔が可愛い子ですよね。チワワなのにチワワっぽくないといいますか・・・」と言われて。そうなんですよ!王子は顔が可愛いんですよ、とっても!!!!・・・って、たまごちゃん????
おそらく王子を『玉子(たまご)』と見間違えちゃったんでしょうね〜。王子が骨壷になって帰って来てとても悲しかったはずなのに、葬儀屋さんが帰ってから思わず笑ってしまいました。(笑)
骨は返してもらったけど、これは君がわたしにしてくれたことをいつまでも忘れないようにするためで、ここに繋ぎ止めたいからじゃない。愛犬は亡くなったあとも飼い主のそばにいて守ってくれる。なんてよく言いますけど、わたしは王子に言いました。「守ってくれなくていいから、天国で自由に楽しく暮らしてね。」と。身動きの取れない体から、わたしからもやっと解放されたんだ。この子は、わたしに尽くすために来てくれたように感じていたから。盲導犬のように厳しく訓練された訳でもないのに、基本的に自分主体の行動をするような子じゃなかった。自己主張もせず、とても我慢強い子でもありました。
だから時々想像したりしていた。王子がわたしのところへやって来た意味や理由を考えた。
もしかしたら、この子は過去世でわたしや誰かに対して罪を犯し、今世はその償いとして犬になったのではないかと。実際にそんな風に考える霊能者もいるらしく、罪を犯して生まれ変わった犬の前世は権力者や王族だったりすることが多く、犬になっても非常に賢いそうだ。特に犬は昔から人と関係の深い動物だし、なくもない話だなぁと思った。
王子という名前はふざけてつけた訳じゃありません。一番最初は全然違う名前をつけていました。なのに、数日経ってその名前に違和感を感じて、変えようと思った時にしっくりきたのが王子という名前だったんです。
もしかしたら、前世で本当に王子様だったのかもしれない。そういうのじゃなければただ単にこの子はわたしを助けるために来てくれた仏よ、仏犬よ。贔屓目なしにそれほどすごい犬だった。
仏教では、鳥・獣・虫・魚などの全ての人間以外の動物が生まれ変わり死に変わりする輪廻転生の六道の内の一つを畜生道と言います。解脱することができるのは人だけだとも言われています。
そもそも、動物が人に生まれ変わることがあるのか?その答えはおそらく『Yes』でしょう。とある人の話では、退行催眠で自分の過去世を見た時に、虫になって地を這うビジョンが見えたというのです。わたしもイルカの過去世を持つ人は何人か見ました。イルカは動物の中でも特別な存在ではあるけど、一応動物ではあるもんね。
よく生まれ変わりの話で、「おじいちゃんが亡くなった日に孫が生まれた!その子はおじいちゃんの生まれ変わりかもしれない・・・」とか言うけど、それは有り得ないと思うんですよ。だって、おじいちゃんが亡くなる以前に、赤ちゃんは妊娠初期の母親の胎内で魂を宿しているはずだからね。(笑)
では、“人間が犬に生まれ変わる”ことがあるとしたら、そしてその逆に“犬が人間に生まれ変わる”こともあるとしたら?
上記のような理由で「人→犬」に生まれ変わった場合、犬としての人生をしっかりまっとうし、罪を償うもしくは学ぶことが出来れば次はまた「犬→人」に生まれ変わることが出来るという。しかも、人が人に生まれ変わる時間よりも短い時間で。だから、亡くなった愛犬が人に生まれ変わって飼い主と再会するというファンタジーな想像は可能性として有り得る。
失った悲しみを慰めるために新しい犬を迎えるという人もいるのでしょうが、わたしは特別な犬は王子だけでいいんです。あの子の代わりはいないもの。だったら、次に人として生まれ変わった王子に会いたい。そしたらきっと、もっと色んなことをしてあげられるし、一緒に出来ると思うから。
わたしを支え続けてくれたあの子がいなくなった時、「もう大丈夫だね。僕がいなくても。」って言ってくれているような氣がした。王子が幸せだったかどうかはわからないけれど、この子は間違いなく確実に今世での使命を果たしました。あの世では必ず昇進することでしょう。
王子をはじめ、これまで共に暮らして天国へ見送ってきた動物達は、子どもの頃、人間を好きになることが出来なくて上手に生きられなかったわたしの一番の友達だったし、先生でもあった。この子達との出会いと別れの分だけ、わたしも成長してこれたってことなんだと思う。
王子の前に亡くなったミニうさぎは14歳。この子も平均寿命を大幅に超えて長生きしてくれました。今は元氣な猫たちももう14歳と13歳になり高齢です。
王子がいなくなってしまったケージはまだそのままにしてあって、残ってしまったご飯もそのままになってる。おむつもペットシートも余っています。いずれ処分しなくてはならないんだけど、使えるものは犬猫の保護団体に寄付しようかなと考えています。
お別れはいつ突然やって来るかわかりません。その子に対してどれだけしてあげたって、失った時にはもっとああしてあげればよかったと後悔は尽きないのだと思います。
だからね、いつか来るその時まで特別可愛がってあげようとかそういうんじゃなくて、何氣ない毎日をこれからも共に生きていこうと思います。
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