おウチ男子ごはん アマニタ・パンセリナ
さて、読書感想文である。と、いうよりは好きな本の紹介といったところか。
それにしてもこのタイトル…
新しい料理名とも勘違いしかねない…
おウチ男子ごはんの冠がそう思わせているのである…
私、本が好きである。
自己紹介には書き忘れてしまったが。
主には小説。
新宿鮫が好き。不夜城が好き。横山秀夫氏が好き。
つまりは、ハードボイルド系、ミステリー系、警察物。
男性が好むところ。いわゆる王道。
長い移動の際は、音楽と読書。
好きな音楽を聴きながら、好きな本を読む。
至福の時間である。
本とは不思議なもので、その時の自分の心理状態がよく分かる。
本当にすごくよく分かる。
気持ちに余裕がない時、何かにあせっている時、不安な気持ちが強い時等、“負の感情”が自分を支配している時は、読めないのである。読んでも面白くないし、内容が入ってこない。
DARK SIDE
だから、自分が気付かずにDark Sideに陥ってしまっている時は、本を読んで気付いたりもする。
私にとって、本とはいわば、自分診断。自分と向き合える時間である。
話題が逸れたな。
小説を好んで読む私だが、唯一、この人のコラムだけは読む。
本日のブログタイトル「アマニタ・パンセリナ」著者。
「中島らも」氏である。
私が初めて作品に触れた時、中島らもはまだ健在であった。だが作品に出会ってわずか数年で故人となってしまった。
本は作品として生き続けている。中島らもが故人となった今でもずっと。
だから目にする事や、作品に触れることは出来るのだが、もう決して新作には出会えないのかと思うと、ファンとしてやはりそこは寂しく思う。
1970年代における日本のサブカルチャーを地で生きていた体験を赤裸々に綴った「アマニタ・パンセリナ」
らも作品はどれも秀逸であるが、この本だけは飛び抜けているように、私は思う。
「明るい悩み相談室」。
これが初めて目にした、らも作品。たしか中島らものデビュー作であった記憶。週刊誌内のコラムを連載していた、中島らもが、読者からの悩みに対してアドバイスするといった内容。1980年代にこれを書いていたかと驚いてしまう程に、実にシュールで斬新。今連載されていてもおかしくないほど尖っている。
それ以来、中島らもにはまり読み漁った。当時、まだ流行り初めであった下北沢の「ヴィレッジバンガード」までわざわざ中島らも作品を買いに行って…。
もう20年も前のお話。思い出すと恥ずかしくて隠れてしまいたくなるが、今の私をつかさどる一因である事には間違いないであろう。
うんうん。
その当時、文庫で買った「アマニタ・パンセリナ」。何百回と読んだであろう、その本のカバーは擦り切れてボロボロになってしまったので外して捨ててしまった。この本のなんとも毒々しいその表紙も大好きであったから、それもまた、もの寂しく思う。
でも何故か買い直したくない。
中島らもの作品に触れたり、見たり、思ったりすると、
ちょっぴりおセンチになる。
今、まさにそうだ。
決して万人受けする作風ではないが、そこがたまらなく好きであった。
新作を心待ちにしていた時があった。
もっと色んな作品を見てみたかったといつも思う。
そんな感情がちょっぴりおセンチにさせるのか。
今日はまじめなブログな気がする。
なんだ、まじめって(笑)
それではまたお会いしましょう。