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『秘密のたからばこ』感想① #あとがきを読んで

遂に手元に秘密のたからばこ が届いた。

早速手に取ってみると、その分厚さと重さに驚いた。
750ページあるのだが……まるで辞書!!
パラパラとめくって見てみたら小さい文字がこれでもかとびっしり。

何となく最後の方のページを開いてみた。
タイトルは

『あとがき ~滅びゆく者たちのものさしを見直そう~』

この11ページの『あとがき』が、先程読むのを躊躇した気持ちを瞬時に掻き消し、私の価値観を大きくぶっ壊してくる重要な部分になった。

日本人は大切なものを失っている。それが根本的に足りないから連日テレビで痛ましい事件が後を絶たず、日本社会は破綻している。

それは何か?
著者さんが断言する。

『とりわけ日本人が失ったものは精神だ。心である。』

『社会を構成する人間たちの精神が幼いのだ』

と。
その要因がテレビが与える影響が大きい事も含め鋭く指摘している。そして日本人の心の姿を

『「サムライ精神」から精神をとったら……危険極まりない、ただの刃物男に成り下がる。』

と表現している。

もの凄く分かりやすく、また腑に落ちた。
本物の侍だったら主君の為に全身全霊、命駆けで戦う忠誠心がある。
今の日本人はただ野蛮なだけで、そんなもの微塵も無い。正直「人でなし」が多すぎる。
それは、【精神】を失っているからなのだと、この時初めて分かった。

精神の無い大人達により築かれた、物質至上主義・合理主義・拝金主義社会が今の日本社会。
そんな大人達に対し

『心を育てず、倫理を教えず、知識ばかりを詰め込んで競争させ、適者生存、弱肉強食の合理主義社会を真似ておきながら……子供達が弱い者いじめをすると叱りつける。』

と、真理を見抜き指摘している。

子供は親や周りの大人を見て当然育つ。
大人が精神的に自立しておらず我を押し通し、弱い者いじめばかりしているのに、子供を叱れる立場だろうか?
当然、そんな資格は無いと思う。

しかし、私も大人になるにつれ、世の中が異常な事は冷静に見れば分かる筈なのに、悪の世に染まり洗脳が深くなったのか、いつからかこれらを疑問に思わなくなっていたみたいだ。

著者さんの言葉を読み、少しずつ洗脳が溶け出し、目を覚まし始めた感覚になった。


お金があれば幸せ。
いい大学を卒業していたら幸せ。
いい所に嫁げば幸せ。


この一般的に使われている『幸せのものさし』を見直す必要があると著者さんは言う。
その上で、

『先の心配や不安に怯えるよりも、むしろ自分を変えていかなければならない。絶望に陥ることなく、奪うより与える者になろう。』

と書いてくれている。

『奪うより与える者になろう』という言葉は、私の魂を震わし、希望を与えてくれた。

この言葉に出逢えたからこそ、この混沌とした社会で、これから起きるであろう厄災を知っていても上を向いて生きていける。

秘密のたからばこは、私達若者にとって
『救済の一冊』なのだという事を、声を大にして伝えたい。








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