うつ病と離婚

私の結婚生活は約10年間だった。離婚は協議離婚で慰謝料や財産分与は無しという事で話はついた。離婚原因は、最終的には妻の浮気と私のDVなのだが、そこに行くまでにいろいろなことがあったのだ。まずは私のうつ病である。うつ病のおかげで今迄していた仕事を続けるのが困難な状態になり、職を変えることになる。初めてやる仕事で手探り状態が続き、最初は妻も協力的だったが、利益的にもきつい時期が続き次第に夫婦間の会話はなくなっていった。

妻はキャバクラで働いていたので、夜は私が子供を見ているという生活になっていた。昼の仕事も中々軌道に乗らずに日中も家にいる時間が増えていって私はどんどんとストレスがたまっていった。妻は妻で昼間も家に居られることがストレスだったのだろう。もちろん収入が不安定になったこともあるが。

まだ一番下の子はまだ一歳で目が離せない状態であった。妻は帰りが遅くなることが多くなり、朝方帰ってくることもあるようになっていった。多分他に男が出来たのであろうことはすぐに気が付いた。一番下の子が出来た時からセックスレスだったので、仕方ない面もあったのだろう。しかしうつ病の私にはこれからどうしていけばいいか分からなくなってしまった。黙って気付かないふりをするのがいいのか、キッチリ話し合いをするのがいいのか、どうしていいか分からなくなっていたのだ。

しばらくして私の仕事は少し軌道に乗り始め、生活していけるくらいにはなっていたのだが、妻は別居を申し入れてきた。何故離婚ではなく別居なのだろうと思って聞いてみたが、子供の事を考えてという返答だった。しかし別居しても何も変わるわけではないし、どうせなら離婚したほうがいいという気持ちの方が大きくなっていた。あと、後に分かった事だが、付き合っていた男には家庭があったため、結婚することが出来ないので私との関係は継続しようとしていたらしい。

何度か妻と話し合いをしたのだが、お互いの意見が嚙み合わず、うつ病で頭もよく働いていない私は、妻に手をあげるようになっていった。いわゆるDVである。顔を合わせるたびにDVを行なうようになっていってしまった私を見て、妻も離婚を決意したようだ。その頃からまたうつ病の症状がひどくなっていった。三人兄弟の真ん中の女の子はパパと一緒に居たいと言ってくれた。一番上の男の子は元々が妻の連れ子であったので妻が引き取ることになり、一番下はまだ一歳でなにもわからないので妻が引き取ることにした。

それから私と小学校低学年の娘との二人暮らしになった。仕事は順調だった。しかし仕事が遅くなったり、学校の行事に参加できないなどの小さな悩みはあったのだが、娘の理解もあり何とか生活をしていくことは出来た。しかしその間にも私のうつ病は酷くなったり、少し良くなったりと心身ともに安定しない時期が続くことになった。うつ病を抱えた状態で仕事をしながら一人で子育てするというのがどれだけ大変かを思い知らされた期間でもあった。それでもそのまま頑張るべきだったのかもしれない。その後数年たって生活保護を受けることになった私は、仕事をすることからは解放されたかもしれないが、その他の全ての物を失ってしまったような気がする。