HSPなあなたの不安は「コラム法」で何とかなるかも?―こころが晴れるノートより

はじめに


皆さんは大なり小なり「不安」を感じることはあるでしょうか?
例えば「明日の仕事のプレゼンが失敗しそう」、「恋人が私をどう思っているか」、「お金がないけどこの先やっていけるかどうか」など様々な不安があると思います。本記事ではそんな不安に対しての認知療法を用いた対策である「コラム法」を著書 「心が晴れるノート 大野裕」から紹介します。

目次

問題解決の糸口

  • 認知とは

  • 認知療法では

  • 怪しいですよね?

コラム法実践

  • コラム法とは

  • 1.状況

  • 2.気分

  • 3.自動思考

  • ex.認知のゆがみチェック

  • 4.根拠

  • 5.反証

  • 6.適応思考

  • 7.心の変化

  • コラム表(例

問題解決の糸口

認知とは

 認知とは一般手にある事象についてその存在を知覚することです。
例えばとある事象が発生した際に、自分の思考というフィルターを挟んで「感情」・「行動」・「身体」の反応といった形でアウトプットされるまでの一連の流れのうちの「自分の思考というフィルター」を本記事では認知を呼びます。
以下の例を挙げます。

事象:通帳の残高が少ない。

思考:私には能力がないからお金が稼げないのだ。

反応:
 感情:不安、失望
 行動:SNSへ不満をつぶやく
 身体:心拍数の上昇、息苦しさ

上記の「思考」には癖があり、自身ではその癖に気づきにくいといったことがあります。


認知療法では

 認知療法では上記のように思考の癖をコントロールするために、事象が起
きた時の自分自身に浮かんでくる考えやイメージの流れに注目します。
また、そのような浮かんでくる考えやイメージを専門的に「自動思考」とよばれます。
 上記の例で書いたように私たちの感情や行動は思考によって左右されるため、この自動思考で浮き出る強い思考から事象にフォーカスを当てることができれば少し楽に生きていけるはずです。

怪しいですよね?

⇒その思考自体が”ネガティブ”な自動思考なのです。

本記事ではそういった自動思考を和らげる手法の一つであるコラム法を紹介します。

コラム法実践

コラム法とは

 コラム法とは認知療法で用いられる手法の一つである。本記事では「7つのコラム」といったコラム法を紹介する。「7つのコラム」では何かの事象が発生しネガティブな自動思考によって感情や行動がコントロールできなくなりそうな時に、状況・気分・自動思考・根拠・反証・適応思考・心の変化という7つの行動を順番に書き出して自動思考をコントロールします。

コラム表
 
実際にこれから説明するコラム法を記載する「コラム表」は以下です。

コラム表ブランクシート

上記の7項目にどういった内容を記載するかを以下で説明する。

1.状況

 気持ちが不安になったり、動揺した時のことをなるべく具体的に書き込みます。
5W1Hを意識して書くと良いです。
例:
 
昨晩によるにSNSでメンタルやお金に対する不満や不安をつぶやいてしまった時に、知り合いから「ネガティブ」な発言をとがめられ嫌われてしまったことを思い出した。

2.気分

 ここでは状況の時に感じた気分を一語で表現します。
以下のような言葉で表現ができます。

例:
憂鬱・不安・怒り・罪悪感・恥・悲しみ・苛立ち・悲しい・困惑・興奮
怯え・心配・誇り・無我夢中・パニック・不満・神経質・うんざり・傷ついた・快い・失望・激怒・後ろめたい・愛情・恐怖

 そして感情の後にその感情を100段階で表現する。この気分を記載するときには、感じた気分を複数挙げても良いです。

例:
怒り(30%)
後悔(90%)
情けなさ(90%)

3.自動思考

 2.気分で書いた気分を体験した時に浮かんだイメージや考え(自動思考)を記載します。自動思考はその時の感情を会話するように書くと良い。

例:
自分は弱い人間だ。
・自分は不安をばらまいて人を不快にさせる存在だ。
・ネガティブな感情が強いから愛されない。

ex.認知のゆがみチェック

 ここまでで自動思考(自分の思考のフィルター)を明確化したと思いますが、その自動思考の中にいくつかネガティブないくつかのパターンがあります。本章ではそのパターンを紹介します。そして上記の自動思考と照らし合わせてみましょう。

 1.根拠のない決めつけ
  
証拠がないまま決めつける思考

 2.白黒思考
  
曖昧な状態に耐えられず、ものごとを白か黒か極端なことを考える思考

 3.部分的焦点づけ
  
自分が見えているものだけで短絡的に結論付ける思考

 4.過大評価・過小評価
  
自分の関心のあることを大きくとらえ、自分の考えや予測にあわない部  分を小さくとらえる思考

 5.べき志向
  
「~~は~~すべきだ」や「過去には~~すべきであった」といったかたちで、悔んだり自分の行動を制限したりする思考

 6.極端な一般化
  
少数の事実を取り上げて、すべてのことが同様の結果になるだろうと考える思考

 7.自己関連付け
  
何か悪いことが起きた時に自分が原因だと考える思考

 8.情緒的ま理由付け
  
その時の自分の感情に流されて現実を判断する思考

 9.自分で実現してしまう予言
  
自分で否定する予測を立てて、その予測通りになろうと自分を制限してしまいそのけっか失敗をする思考
  そしてその思考は悪循環する。

自動思考が上記のうちいずれかに当てはまる場合には当てはまる思考を記入しましょう。

4.根拠

 3.自動思考で挙げた内容を裏付ける根拠を記入します。ここではあくまでも事実だけを記入します。相手の心を読むことや思い込みは避けるようにします。

例:
・実際に「ネガティブ」な発言が咎められた。
・ネガティブな発言に「どう反応したらいいかわからない」と言われた。

5.反証

 ここでは自動思考と矛盾する事実を探して書き出します。「実際はどうだったのか?」、「逆の事実はあるのか?」、「見落としてることはないか?」と自分に問いかけてみると挙げやすいです。

例:
・人間だから落ち込むこともある。
・SNSにネガティブな発言をしてはならないという規約はない。

6.適応思考

 ここでは「4.根拠」と「5.反証」に書き込んだ内容を使って、自動思考に代わる現実的な考えを書き出していきます。
 根拠と反証を組み合わせて一つの文章にすると書きやすいです。また、親しい友人から観られた視点や、親しい友人が同じ状況だった時にどういったアドバイスをするかを考えてみましょう。
 一見、意味がなさそうであったり、ばかばかしいような考えでも書き出してみましょう。ストレスがかかっている状況下においては視野が狭くなっているため考えを切り捨てがちですがここではどんな考えでも書き出しましょう。※失敗なんてことはありませんから。

例:
ネガティブな発言をとがめられたことがあるが、実際SNSでネガティブな発言をしてはならないといった規約は存在しない。
それに人間は落ち込むことがあっても仕方がない、結果的に友人とは距離を置くことになったがその方が生きやすくなったのでいいことなのかもしれない。

7.心の変化

   コラム表の最後の項目ですが、ここまでコラム表を埋めてきて気持ちがどのように変わったかを主観で書いていきます。自動思考やその根拠や反証を書き出すことで心境の変化があると思います。
 書き方3.気分と同様です。

例:
怒り(20%)
後悔(10%)
情けなさ(50%)

コラム表(例

 最後に今まで例に挙げてきた内容をまとめたコラム表を挙げておきます。
 このコラム表を参考にして自分でも試してみましょう。

コラム表記入例

最後に

ここまでが自動思考とコラム法でしたが、自分の考え方の癖をコントロールする方法はほかにもまだまだあります。気になる方はぜひ「心が晴れるノート  大野 裕」を読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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