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胃ケイレンをなだめた、魔法の本

日曜日の夜、じわりじわりとやってきた胃の痛み。

前にも何度か経験があり、病院では決まって「ストレスからくる胃ケイレン」と診断されていた、あの痛みだ。

痛くてじっとしていられない。
うずくまって唸っている私をみて、びっくりした夫と次女が、「病院に行こう」とオロオロしていたが、コロナも気になるし、なるべくなら夜の救急外来には行きたくない。

変な汗が出てきて、息も荒くなってきて、もうろうとしながらそれでも、”何かいい方法”を探っていた、その時!

「あれ!持ってきて」

机の上に乗っかっている一冊の本を指差した。
誰でもできる食事と手当法が紹介されている「家庭でできる 自然療法」という東城百合子さんの本だ。

photo/なつのすもも


「は?!今?」こんな緊急事態にそんなもん、それより病院へ!と、イカッているイカツイ夫に「いいから!」と、一喝!

次女に、「胃ケイレン、胃ケイレンって書いてない?探してみてえ」と息も絶え絶えに言うと、「あった!胃ケイレンの治し方」
いや、あるんかい。

そこには、「患者を腹ばいにさせて、患者をまたいで立ち、肩甲骨の間の背骨の両側を親指に力を込めて上から下に指圧すると二・三回上下するだけで治ります」と書かれていた。

「治ります」って言い切ってしまうところが、すごい。

次女に音読してもらいながら、私も含めて、半信半疑の3人で恐る恐る、人体実験開始。
そしたら、なんということでしょう。
痛みがスーッと引いていくではありませんか。

ナニコレすごすぎる!!!まるで、魔法みたい。

じつは、この本に私は20代の頃からずっとお世話になっていて、とくに子どもたちが小さい時は、熱が出たら「豆腐湿布」、打ち身には「里芋湿布」と、何度も何度も助けられた。

それなのに、喉もと過ぎればなんとやら……
子供たちが大きくなってからは、本棚の中で眠らせていたのだ。

その本が、なぜまた机の上にあるのかというと、孫が夜中に熱を出したから。
ふと思い出して引っ張り出してきたのだった。

頭を豆腐で、胸を生姜湯で湿布してあげたら、孫は気持ちよさそうにすやすや寝はじめ、翌朝には元気になってホッとした。

豆腐を水切りして、ガーゼに包んで孫のおでこにのせた時には、「本当に大丈夫?」とギョッとしていた娘も、百聞は一見にしかず。
今ではなんの抵抗もなく、豆腐湿布や生姜湿布を活用している。

この本には、病名や手当てごとに検索できる「索引」もついていて、とっても便利。
それにしても「胃ケイレンの治し方」まであるとは。
30年近く愛用してきたのに、知らなかった。
そして、おかげで本当に助けられたと感謝している。

この本の著者 東城百合子先生は、2020年に94歳で亡くなられている。 
あらためて心からの感謝を込めて、ご冥福をお祈りいたします。




東城百合子著「家庭でできる自然療法」あなたと健康社

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