ひかるなみ

イラストエッセイかいてみた/ライター/鹿児島の海の近くで暮らしています。手描きの絵と文字、言葉で、日々のことを綴ります。

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最近の記事

星に起こされたこと、ある?

ちょっと不思議な話をきいてほしい。 星に起こされたこと、あります? それは、夜が明ける前の青の時間。 真夏の8月、朝5時5分。 窓の外、ピカピカひかる星のひかりに私は起こされた。 星のまたたきにしてはあまりにも強く、窓の外でひかるので、そんな時間に私は窓を開けて空を見上げた。 星が。 モールス信号ですか? めちゃくちゃまたたいてる。 思わず玄関から外に出て、パチリと収めた写真が、noteのアイコンです。 あれはなんだったんだろう…… そんな経験がある方、ぜひ教えて

    • 湯けむりサスペンス劇場

      だあれも知らない町で温泉につかる開放感に思わず「ほぅ」と、吐息がもれる。 いい湯だな、アハハン♪ 鄙びた温泉町の銭湯にふらりと立ち寄った。午後3時すぎ。お客さんもまだ少なかった。常連らしきおばちゃんが、私ににこりと笑いかける。私もにこりと笑いかえす。 (親しみを込めて”おばちゃん”と呼ばせていただきます。どうぞお許しを) そこへ、もう一人おばちゃんが入ってきた。 慣れた調子で初対面の私にも気さくにあいさつしてくれる。 いい人だな、アハハン♪ 私は、髪を洗おうと湯おけに腰

      • 海でひろったもの。

        うちから歩いてすぐの海岸で、これ、ぜんぶひろいました。宝の山です。 2024夏の思い出。

        • 待ち長〜い月

          長月。 十五夜を過ぎると、ためらいがちに出る十六夜の月。 つづいて立って待つ立ち待ち月、 座って待つ居待月、 待ちくたびれて寝待ち月、 待ちぼうけの更け待ち月……。 日に日に細って、申し訳なさそうに遅れて顔を出す月に、あの日の面影を映す。 その儚げな笑顔に、私は弱い。 今夜も辛口の冷酒でちびりちびりやりながら、月を待つ。 待ちぼうけの夜更けには、豆乳仕立ての湯豆腐で腹ごしらえとしよう。 手の中のお猪口には、いつのまにか月がすべりこんでいた。 待ち焦がれた、月見酒。

          スプーンおばさんみたいにごきげん♪ほったら家事

          「小さなスプーンおばさん」の本が私は小さい頃から大好きだった。 突然、ティースプーンみたいに小さくなってしまうおばさんのお話なのだけど、おばさんはちっともあわてずに、つぎつぎと家事をこなしていく。 ある日は、ネズミをおどしてそうじをさせ、ネコに茶碗をきれいになめさせた。(なめさせた⁈) 壺やフライパンをおだてて、パンケーキを焼かせ、太陽や雨や風をけしかけて、洗濯物をすっかり乾かしてしまう。 おこった太陽が「おばさんを、あつさでまいらせてやろう」とかんかんてりつけたって、お

          スプーンおばさんみたいにごきげん♪ほったら家事

          今からでも間に合う!夏休みの自由研究。夏の大そうじ

          夏休みの自由研究はおすみですか? お盆が過ぎ、夏休みもそろそろ終わりという頃になって、「自由研究どうしよう」って焦る気持ち……いたたまれません。 せっかくの夏休みを心おきなく楽しんでほしい。そこで、今からでも間に合う、夏休みの自由研究をご紹介します。 それは、地球とからだにやさしいナチュラルクリーニングを活用して「換気扇の大そうじをする」という、”親子でWin-Win”の自由研究です。 がんこな汚れのトップバッター「ドロドロの換気扇」の油汚れおとしを、子どもが「自由研究

          今からでも間に合う!夏休みの自由研究。夏の大そうじ

          ああ、おとなの夏やすみ

          葉月。 夏の太陽にとけそうな、黄色の切り子の器には、冷やしそうめん。 塩気をきかした、カリッカリの紫蘇チップスに冷奴。にがうりの酢漬け。 冷えたビールで乾杯するとしよう。 まだ沈まない太陽に少々遠慮しながら…… 涼味たっぷりの夏の食卓。 至福の時間。 ああ、おとなの夏やすみ。 暑中お見舞い申し上げます

          ああ、おとなの夏やすみ

          うちのテツ、しりませんか? 完❗️

          テツが見つかった。 照りつける太陽にさえ、手を合わせたい気分。 早くテツに会いたい。 会って、この目で無事を確かめたい。 ケガはしていないだろうか。 足早に家路を急ぐ。 私が家に着くやいなや、テツが軽トラックにゆられて帰ってくるのが見えた。 「テツ!」駆け寄ると、テツはトラックの上から私を見下ろすように悠々と、満面の笑みでしっぽを振っていた。 炎天下、テツを助けてくれた車屋さんに心からお礼を告げると、なんと、信号待ちをしていた車屋さんの目の前を、偶然テツが歩いていたのだ

          うちのテツ、しりませんか? 完❗️

          うちのテツ、しりませんか? その2

          テツの捜索から2時間が経過。 徒歩で探す私は、暑さがなによりも脅威だと痛感していた。 太陽がチリチリと照りつけ、喉はもうカラカラなのに、汗はボタボタと流れ落ちてくる。真っ黒い毛のテツには、ひとたまりもない暑さだ。 アスファルトは焼けるように熱いだろう。 いつもの散歩道、手綱だけを持ち、「黒い犬をみませんでしたか」と、会う人会う人にたずねるも、みんな気の毒そうに首を横にふるだけ。 一方、主人も同じように悲壮感漂う顔で探し回っていたらしく、ただならぬ様子に、近所の車屋さんが

          うちのテツ、しりませんか? その2

          ワンモアチャンス!星に願いを⭐️

          七夕の朝、“里芋の葉にたまった朝露で墨をすり、短冊に願いごとを書くと願いが叶う“という言い伝えが、かわいらしくてすき。 今年の七夕、星に願いをかけそびれたひとも、ワンモアチャンス! そもそも、“文月“とは旧暦の七月のことらしい。 (今年の旧暦の七夕は8月10日だそう) 私の住む地域でも、七夕といえば旧暦のことで、お盆の頃まで七夕飾りが街をにぎやかに彩っている。 小さい頃「ご先祖さまが笹に引っ掛かってしまうから、お盆過ぎまで七夕飾りを飾ってはいけない」と聞かされた私は、

          ワンモアチャンス!星に願いを⭐️

          うちのテツ、しりませんか?

          私は、水色の髪の女の子をさがしている。 昨年の7月、ちょうど今ごろ、炎天下に家から脱走したうちのテツがお世話になった女の子を。 テツはもう目も耳も乏しくて、「てっちゃん」と呼ぶと、呼んでいる反対方向に振り向くくらいおじいちゃん犬だった。 朝は、まだ寝ている。 夜は、もう寝ている。 昔のマックのキャッチコピーの逆バージョンだ。 その朝、幼稚園バスを見送った長女から、「テツがこっちをじっと見ていてかわいかった」と、家族ラインに写真が送られてきた。 そのほんの数分後のこと

          うちのテツ、しりませんか?

          うちのテツ

          テツは、ツキノワグマみたいに胸に白い毛がはえた黒い犬だ。 足には白いくつ下をはいていて、しっぽの先がちょっとだけ白い。 テツは、保健所から連れてきた保護犬で、檻の真ん中で、きちんと“おすわり”してまっすぐに私をみつめる姿がとても印象的だった。 ほかの犬たちは、必死で鳴き叫び、出してくれと切なく懇願しているのに。 (その子たちの姿を、私は17年たった今でも忘れることができない) テツは、助けてもらった恩返しのつもりか、張り切って番犬の仕事をしてくれ、ご近所さんからも人気の“

          見えても、見えなくても。

          その時間に名前がついていることを知った時、 子どもの頃みたいに、ときめいた。 英語では、Blue hour。 夜明け前の、眠りから解き放してくれる群青と、 日の入り後、夜に吸い込まれていくような、深い深い藍青のグラデーション。 毎日、見えても、見えなくても、青の時間が訪れる。 4月の満月はピンクムーンと聞いて、黄昏どき空を見上げ、満月を待った。 青の時間は、ほんの数分。 だけど、刻一刻と青を深める移ろいの美に、心も満ちていく不思議。 すでに藍色に染まった空に、月の面影

          見えても、見えなくても。

          探しものは、なんですか?

          私はいつも、探しものをしている。 出かける時、携帯がない。 財布がない。 使う時に限って、ペンがない。 思えば、小さい時からずっと、そうだった。 その血を受け継いでしまったのが、次女だ。 小学1年生の時なんて「行ってきまーす」と元気いっぱい、 ランドセルを玄関に置き忘れて出発したこともある。 このままじゃいけない。 私はもう、いい大人だ。 そろそろそんな自分から卒業しなければ。 思いつくものをとりあえず、全部カバンに詰め込んだ。よし! ところが……不安がいっぱいつま

          探しものは、なんですか?

          胃ケイレンをなだめた、魔法の本

          日曜日の夜、じわりじわりとやってきた胃の痛み。 前にも何度か経験があり、病院では決まって「ストレスからくる胃ケイレン」と診断されていた、あの痛みだ。 痛くてじっとしていられない。 うずくまって唸っている私をみて、びっくりした夫と次女が、「病院に行こう」とオロオロしていたが、コロナも気になるし、なるべくなら夜の救急外来には行きたくない。 変な汗が出てきて、息も荒くなってきて、もうろうとしながらそれでも、”何かいい方法”を探っていた、その時! 「あれ!持ってきて」 机の

          胃ケイレンをなだめた、魔法の本

          あのう…それ、入っちゃいけないやつです。多分。

          断捨離をしていたら、自ら入っていかれました。 わが家の、オッドアイの白猫、まあちゃんです。 箱と袋には、目がない。 悲しい性です。       2022.2.22 スーパー猫の日によせて

          あのう…それ、入っちゃいけないやつです。多分。