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枯 れ 花

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悲しみは 涙より多く
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2023年10月の記事一覧

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

あの子は地図を広げて
逃げた夏を追うのだと言った

待てば巡るさと諭しても
逃げた夏を追うのだと言った

もう今はどこに居るのだろうか…

麦わら帽子を隠したのは僕だ

何も全部は回るけど
ただ 約束が欲しかった

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

子守唄を歌ってよ
遠くの山の唄
それか波の唄

繰り返し 繰り返す旋律と
有るか無いかのストーリー

ずっと聞いていたいけど
夢の中で聞いていたい様やつ
今 もう一度

母さん あなたは僕が幼い頃
完全に正しかった

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

ただ君を愛したと云う
素朴で綺麗な昨日を反芻する毎

けばけばしく飾り立て
訳のわからない物語へと設えることは

君に失礼で
僕に恥で
なに一つの糧にも成らないのだから

綺麗に置いておこう
それの似合う
執着のない景色の端に

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

あてなく歩く道に雨

僕は屋根の軒を伝い
跳ねる飛沫を嫌い
ぬかるみを避け
傘の縁の交差する人通りを逃げる

けれど今日が晴れた日だったなら
それらに導かれる道もなく
酷く退屈な日だったと思うが

それを運命とは呼ばない
かならず運命とは呼ばない

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

夢は いつだって痛覚を欠いて
それが 良くも悪くも 堪らない

さよなら
さよなら
さよなら

こんな街の こんな部屋で
窓と風景画の どちらを飾ろうか

僕は もう たくさんのことを知ったから

それは例えば
空から降る雨は 誰の涙でもないこととか

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

暗いところへ行きましょう

手を 手をしっかり結んで
暗いところへ行きましょう

月も 星も 電飾も 他も
身体の輪郭も無くなれば
あなたの境も知れないでしょう

暗いところへ行きましょう
手を 手をしっかり結んで
それで歌いましょう

泥濘の 泥濘の愛の唄

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

翼なんて要らない

フウセンガムで
なぁ 君 空 飛べないのかよ

空よりは低く
君の背丈よりは高く

成長期は とうに止んで
世界は
世界は
やっぱり狭くない

翼なんて要らない

ごきげんな様々で
なぁ 君
なぁ 君 空 飛べないのかよ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

亡くなると人は星になるのです
と 母さんが言った

では 父さんも あの無数の星々の1つなんですか
と 尋ねると

兄さんが出て来て
くしゃくしゃな表情で教えてくれた

君の父さんは地球になったよ

その夜 僕は庭で眠った
決して心地よくはないが
何か満足する具合いが僕を変えてゆく

変えてゆく

変えてゆく

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

あの ずっと ずっと昔
君と僕とで決めた 待ち合わせの場所は
どこだっただろうか…

ここだっただろうか…

毎日 毎日 思い出そうと
色んな場所を思い浮かべて

あぁ ここは どこだっただろうか
昨日 思い浮かべただけの場所だっただろうか
それとも 記憶だけの場所だっただろうか
秋の約束の場所だっただろか

浸染む君の輪郭に線を引きなおし
あぁ今日なんて
秋が終わったと言ってよくないか