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いつかのイチゴのショートケーキ

 先日、30歳の誕生日を迎えた。あまりにも大きな節目だと思ったので、記しておこうと思う。
 10代の頃からの目標として、30までに、やりたいことを行い、行きたいところに行き切ろうと思っていた。そうしたら、その後の人生は、余暇になるだろうと、好きなことを仕事にして、ゆっくり過ごせるだろうと、そう思っていた。今、思うと、甘い考えだと感じる。でも、30歳までに死んでもいいくらい、生き切ろうとそう思っていた。わりと、本気で。

 家族、友達、仕事、恋愛。結構、大きな失敗をしたと思うし、いまだに尾を引いて僕を苦しめている。家族は崩れ、大学まで仲が良かった友達とは僕から返信を出来ずに、縁が切れてしまった人もいるし、仕事では、就職に失敗し、大卒で新入社員として入った職場は、非常にブラックな会社で、心を失い、恋愛では、いつも去られてしまう恋愛ばかりだった。きっと、僕に問題があったんだろうなと思っているが、身に覚えがない。

 さぁ、30歳。気を取り直して、心機一転。とりあえず、35歳までの目標を立てた。その矢先。誕生日、初日。朝、吐血した。仕事を休み、病院へ向かった。特に、検査はされず、持病で飲んでいる薬が、合っていないのではないか、と簡素な意見で片付けられた。流れるように点滴をされ、ベッドで暗くなるまで横になって、帰ってきた。美味しいものも食べられていないし、ケーキも食べられないし、なにより、お酒も飲めていない。つらいな。来週、また病院に行く予約があるので、そこで思いの丈、話してこようと思う。まぁ、いつ死んでもいいように、死ぬ準備はしておこうと思う。享年、30歳。なんて、悲しいね。そんな幸せな思いは、まだしていないんだけどな。本当は、誕生日の夜から、久しぶりの、ひとり旅の予定だった。東京の離島、神津島へ。楽しみだった。また、予定を立てて、リベンジできたなと思う。ため息が出てしまう。

 クリープハイプの曲の詞にあるように、うつむいているくらいがちょうどいい。そんな人生だった。それでもよかった。そんな寂しい人生でよかった。それでも、遺すことはやめたくないと思っている。言葉にすること、写真を撮ること。30歳を迎え、『ルックバック』という大切な映画と出会った。(厳密にいうと29歳の終盤で)大好きな映画になって、4回も映画館へ観に行ってしまった。映画は大好きだが、こんなに、同じ映画を観に行ったことはなかったのではないだろうか。そこで描かれる絵、景色、音楽、声、すべてにやられてしまった。そうして、影響された僕は、30歳から絵を描こうと、スケッチブックを買い、鉛筆を買い、準備は万端である。(練り消しも大事なんですよね?)言葉、写真、新たに絵を描くことを、人生の柱として、とりあえず、35までに死んでもいいように、あと5年。無我夢中で生きていこうと思う。5年後、僕の感情や取り巻く環境が、どんな風に変わっているのはわからないのだが、僕の人生のスローガンである、「焦らない」「欲張らない」「負けない」「信用しない」「感謝の心」を大切に守りながら、生きようと思います。基本、暗いのだが、優しい目で、見守ってくださるありがたい。



 今話も、最後まで読んでくださりありがとうございました。祈るように生き、諭すように心をなだめながら、時には、曲がったことを静かに傍観し、怒りを殺し、静かに、穏やかに、生きてけたらなと思います。まとまらなかったけれど、今の僕はこんな形です。

 それでは、また。

 どこかで。



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