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「ピアニシモ」を読んだ中二女子の感想
どうにもごちゃごちゃして、ぐちゃぐちゃ。
そんな感情が表されているなぁと思いました。
情報が多すぎて脳みそが飽和状態、感情が込み入って自分でも何やってるのかわかんない・・・。
主人公の透も、そんな感じだったのかもしれません。
意外とと言うか、やっぱりというか、この物語って一回の梅雨のお話で、そこまで長い期間を描いているわけではないんですよね。
ここに書かれている成長にしたって、周りの人に客観的に処理されてしまえば小さなこと。
だから、他人には言いたくない。
自分にとってとても大きなことを、さっさと処理されてしまうことが嫌だから。
「ふーん」で済めばいいほうで、「ちょっとした成長」として解剖されてしまったら目も当てられない。
・・・と、なんだか自分のことのように書いていますが・・・。
いやぁ、青春だなぁと思って。
一回もはっきりした描写がないような気がしていて、すごく主観的に思えるんですよ。
オーバーヒートしそうな脳を通して見ている景色だから、全てごちゃごちゃしているように思える。
この「ごちゃごちゃ」って、きっと思春期の特権なんだろうなぁと。
って、私自身が思春期の真っ只中なんですけどね。
最後のクラスメートとの乱闘のところは特に、客観的に見ても透はぐちゃぐちゃになっているわけで。
本人からしたら辛いんですけど、このぐちゃぐちゃが「青春」なんだろうなと最近は思っています。
なんかまぁ、最近特にぐちゃぐちゃしている自分の感情を一歩離れて作家としてみているもう一人の自分の見解です。
お父さんが死んで、お母さんに優しくするところ。
急に楽しかった思い出を思い出すところ。
その辺は、すごく共感出来ます。
自分の大切なものって、失って初めて気が付くんですよね。
そこにあることが当たり前のように思えていて、鬱陶しくすら思っていたのに、なくなったら心に穴が空いたみたいになる。
そんなこともあるよなぁって。
このくらいの年って、別れを初めて経験することとか、多いですし。
この物語、やっぱりフィクションというか、ファンタジーなんだなと思います。
魔法とか、異世界が出てこなくても、この物語はファンタジーだ。
そんな気がするんです。
ありそうで、でも有り得ない。
そういうところ、私が最近ハマっているeveさんのミュージックビデオとも似ているなぁって。
そう思いました。