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2022年9月の記事一覧
森羅万象 短編小説3681文字
「お前をみてると吐き気がする」
では
見なければ?と
咄嗟に思ったが先輩に向かってそれは言えないので永遠は口をつぐんだ。
栄業永遠、トワの先輩である早水はそれだけ言うと通路隔てたデスクへと戻っていった。
スーパーのチラシに載っていそうな背広を着た背中はあっという間に辺鄙な場所にある配置のデスクへと溶け込んでいった。
この総合商社で総務部で事務を担当している永遠は月末にあたり各部門の勤怠管理表
habit 短編小説3610文字
-亜子-
製造番号、品質管理番号、消費期限。
目の高さまでコーヒーフレッシュナー 白い円柱体の容器 を仰々しく持ち上げて底面を確認する癖は治らない。
そう、癖は治しようがないのだ。
ついでにあのひと-吉野啓太-の遅刻癖も治りそうもない。
ブレンドコーヒーに液状ミルクを半分だけ流し入れる。
スプーンで渦を溶かし切る前に、この座り慣れた座席のブランケットを直した。
カフェテリアの窓際は少し