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楮畑の記録1: 土と芽

 和紙の原料になるのは、楮(こうぞ)という木。
 ヤマグワ科。日本在来のヒメコウゾと、大陸伝来のカジの木が交配してできた木です。和紙や太布などに利用され、人間にとっては古来有用な繊維植物のひとつでした。

 ちょうど今年は3年目になる畑で、ぐんぐんと楮たちが育っています。記録のために、まずは昨冬から初夏までの写真を上げていきます。

年末、畑の整理


冬の美しい夜明け


焚き上げていく。

   標高800メートル程の高地にある畑です。楮の苗は、集落で野生化していたものから根っこをもらってきて、栽培を始めました。

楮は、冬になると葉が落ちます。そして、根元から刈った、幹の皮を和紙に利用します。


ついに出てきた芽
里の春

このあたり、桜が咲くのは4月半ば以降です。春の花が散り始めたころ、ようやく楮の芽が出てきます。しかし、5月14日頃までは遅霜の影響もあって、順調に育ち始めるのは初夏になってからです。


6月から7月にかけて
まだまだゆっくりさん

まだ幹は細く、ひょろひょろとした姿です。
葉っぱは美しい若緑で、みずみずしい!

放っておくと、すぐにヨモギやブタクサ、スイバなどの雑草に埋もれてしまうので、とにかく草刈りは欠かせない時期です。木だから草よりは強いだろうと、一年草の成長スピードをなめていると、楮はなかなか育ちません。とにかくこの時期ら守ってあげる気持ちでがんばります。

畑の下の段は、ハルジオンとナヨクサフジ?ケマンソウ?の花畑になる
 8月に入ると、ようやく人の背丈になってきました。

楮の本領が発揮されるのは、夏の終わりから秋にかけてです。他の草たちが伸びては枯れてゆく中、楮だけがぐんぐんと成長していきます。春から夏の間に、根を広く張って、このときを待ち望んでいたのでしょう。

    このまま大きくなれ!楮!

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